インド商工省、モルディブに対する必需品輸出の許可継続を発表(インド、モルディブ)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年4月16日 0時50分
インド商工省商務局・外国貿易部(DGFT)は4月5日、インドからモルディブへの必需品輸出について、2024年度(2024年4月1日~2025年3月31日)も一定量を継続的に認めることを発表した。輸出が認められるのは、卵、ジャガイモ、タマネギ、コメ、小麦粉、砂糖、ダール(ひき割り豆)といった食料品のほか、建設材として使用される石骨材や川砂の計9品目だ。在モルディブ・インド大使館によると、今回許可された対モルディブ輸出許可枠は食料品で前年度比5%増、建設材で同25%増となった。今後、インド政府が新たな輸出規制を出したとしても、今回認められた輸出枠は優先的に適用される。
モルディブは、インド洋に浮かぶ1,192の島々から成る人口約50万の国だ。産業は漁業や観光業が中心で、生活必需品は輸入に頼らざるを得ない。インド政府は、1981年にモルディブとの間で2国間貿易協定に調印して以降、モルディブへの必需品輸出を継続的に許可している。
一方、モルディブでは2023年9月の大統領選挙で、親中派といわれるモハメド・ムイズ氏が、インドとの友好的な関係を推し進めてきた現職のイブラヒム・モハメド・ソーリフ氏を破って勝利した(2023年10月3日記事参照)。ムイズ大統領は2023年11月の就任以降、従来の慣行を破って、初の外遊先にインドではなく中国を選んだほか、モルディブ国内に駐留するインド軍部隊には撤収を求めるなど、インドとの関係を見直す姿勢を強めている。
モルディブのムーサ・ザミール外相は4月6日、自身のX(旧Twitter)アカウントで、今回のインド政府による決定は「長期間にわたる友好関係を示すものだ」と謝意を表明した。2国間関係の見直しが進む中、この発言はインドとの関係を従来どおり好意的に捉えたものとして、インド国内でも報じられた(「ビジネス・スタンダード」紙4月9日)。
(サンディープ・シン、広木拓)
(インド、モルディブ)
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