香港基本法第23条に基づく国家安全維持条例法案が可決、3月23日に施行(香港、中国)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年3月21日 16時5分
香港特別行政区(以下、香港)立法会は3月19日、香港基本法(憲法に相当)第23条に基づく国家安全維持条例法案(条例案)を全会一致により可決した。同条例案は、3月23日付の官報に掲載され、同日に正式施行される。香港政府は、3月8日に立法会に条例案を提出、同日に審議を開始し、わずか11日程度でのスピード可決となった。
香港基本法第23条は、香港政府自身が、国家反逆、分離、扇動、中国政府に対する破壊行為などを禁じる法律を制定するよう義務付けている。今回成立した条例案は、国家反逆、反乱、国家機密およびスパイ活動に関する犯罪、国家安全を脅かす妨害行為、国家安全を脅かす活動をする外部勢力と組織の5つの分野を犯罪の対象として処罰することを可能とする。条例案は複数の特性を持つが、その1つとして、香港国家安全維持法および国家安全に関するほかの香港法と整合性があり、互換性と補完性を持たせる点が挙げられる。
李家超(ジョン・リー)行政長官は同19日の立法会議において、「条例案の可決により、香港は国家の安全を保護し、不安や負担なく前進し、経済発展と人々の生活の向上に注力することができる」と述べた。
サウス・チャイナ・モーニング・ポスト紙の取材に応じた専門家は「米国とその同盟国による懲罰的な措置が、香港の経済回復と金融ハブとしての国際的地位を損ねる恐れがあると予測する」と指摘した。その一方で、条例案の可決を最初に歓迎した実業家として、香港の大手不動産デベロッパーである恒基兆業地産(ヘンダーソン・ランド・デベロップメント)の李家傑(ピーター・リー)と李家誠(マーティン・リー)兄弟は「あらゆる分野で経済発展に注力し、豊かで安定した社会の構築に協力できるようになった」と述べた(「サウス・チャイナ・モーニング・ポスト」紙3月20日)。
(松浦広子)
(香港、中国)
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