冬のマラソンではどんな危険が隠れている?
JIJICO / 2016年2月14日 11時0分
冬のマラソンではどんな危険が隠れている?
体感温度
夏は暑さ対策が必要ですが、冬は走行時には比較的温度調節をしやすいです。
しかし、大きな大会になると、走行開始のスタート地点の各ブロックで30-60分くらい
待たないといけないので、身体が冷え切ってしまいます。
気温が比較的高くても、風の強い日や、雨の日などは、体感温度が著しく下がります。
体温低下による体調不良が心配です。
また、完走時ゴールから着替えのブースまで
戻るのに1時間くらいかかることがあります。
汗をかいた身体が急激に冷えることにより、風邪をひいたりすることがあります。
また、持病に高血圧症がある方では、マラソン中血管が拡張するため血圧は
低下しているのが、ゴール後体が冷えることによる血管収縮のため血圧が上昇する
ことがあり、最悪な場合心臓病や脳卒中を発症することがあるので、注意が必要です。
スタート前は、紛失が心配であれば100円ショップで売っているような
安価なレインコートなどをウインドブレーカー代わりに使用するなどして、
レース前に極端に身体が冷えないように注意してください。
また、ゴール後もすみやかに防寒できるよう準備しておくことが必要です。
水分補給
冬は寒い日が多いですが、それに合わせて厚着をしてしまうと、天候の良い日には、大量の汗をかくことがあります。冬場でも脱水対策は必要です。寒い日でも、自分が思っているより、汗をかくことにより水分は喪失しています。レース前にはしっかりと水分を摂り、レース中もこまめに水分を補充してください。天候がよい日には、服装を調節し、暑くなりすぎないように注意しましょう。また、被り物をしながら走る方は、被り物は思ったより暑くなり脱水状態に陥る場合が多いので、より注意が必要です。
塩分調節
冬のマラソンでも、必ず汗はかきます。気温によっては、塩分不足となることがあります。塩分が急激に体内から喪失すると、足のつりの原因になります。ひどいときには、全身の脱力感や頭痛を生じます。汗をかいたなら、塩飴などを準備しておき、塩分の補給も重要です。
冬は寒いと決めつけずに、体感温度を考えながら、水分をしっかりとり、塩分も適宜とり、安全に楽しくマラソンを楽しんでください。
(大西 勝也/内科医)
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