大学生が在学中に起業するメリットとは? 環境のよさを活かし成功をつかもう
JIJICO / 2022年1月31日 12時30分
大学生が在学中に起業するメリットとは? 環境のよさを活かし成功をつかもう
柔軟な頭脳と、先を見通す力を持ち、周囲からの賛同を得やすい環境にある学生は、時として優れた起業をし、大きな会社へと成長させてきました。例えば、株式会社リクルートの創業者 江副浩正氏やソフトバンクグループ株式会社創業者孫正義氏が最初に起業したのは大学生時代。海外ではビル・ゲイツ氏がマイクロソフト社を設立したのも、マーク・ザッカーバーグ氏がザフェイスブック社(現在はメタ)を立ち上げたのも大学時代です。私が運営する起業18フォーラムのセミナーにも、学生さんが参加されるケースが増えています。時代の変化を感じますね。このコラムでは、そんな学生さん達と話して実感する、学生起業のメリットについて、まとめてみます。
入試シーズン到来。春には新しい仲間が来る!
2022年1月15日と16日に実施された大学入学共通テスト。新方式になって2度目の実施でしたが、全体的に難易度が上がり、「数学I・A」は37.96点と極めて低い平均点となりました。コロナ禍の受験で緊張を強いられた上に、散々な成績となり、ショックを受けた受験生も多かったと言われています。大学入試は学校推薦やAO入試などで進路を早く決める人も多いですが、やはり本番はこれから。受験生の努力を発揮するときが来たわけです。
ところで、大学生の多くは在籍期間が4年間です。有名大学では、在籍者数が数万人いることも珍しくありません。もっとも多い日本大学は6万6千人、2番目の早稲田大学は3万8千人ですから、それぞれに文化圏を築いていると言えます。こうなると、学部によってキャンパスが分かれていても、同じ大学に通っているというだけで親近感を覚えるのは当然のこと。その感覚は、卒業後にまで及ぶこともあります。
起業は最初、スモールスタートが基本となりますが、この特性を活かしやすいのが学生起業。まずは身近な仲間を巻き込み、徐々に他大学や社会に広げていく。志が同じ人を集め、起業のスタートを切りやすいのも学生時代の特徴です。
学生ならではの起業メリットとは?
ここから、学生ならではの起業のメリットを詳しく見ていきましょう。
1,同年代のユーザーにアプローチしやすい 大学生の多くは18歳から22歳。浪人をする人がいるので、1~2歳程度年上の人がいるとしても、ほぼ同年代の人が集まっていることになります。そのため学校が違っても、おおよその価値観が似ていることから、仲間意識が目覚めやすく、信頼関係も築きやすくなります。このことから、学生起業は同年代の人にアプローチしやすいという特性がでてきます。歳が近ければ似たようなタイミングで同じような悩みを抱えているわけで、それを分かりあえる仲間を頼りたいと思うのは当然のことかもしれません。ここに商機があるのです。
2,校舎を拠点にすることでさまざまコストがカットできる 起業には直接的な事業資金以外に、細々としたコストが掛かります。ところが、学校を活用することで、これらを大幅にカットできる可能性があります。例えば、最近の大学ではwi-fiが使えない場所はほぼありません。もちろん使い放題なので、スマホやパソコンを持ち込めば通信費は大幅にカットできます。パソコンも、学部によっては高スペックのものが設置されていたり、学割で安価に購入できたりもします。各種のアプリケーションも学生は特別価格で契約可能なものが多いので、これもコストカットできます。
また、大学によっては、特定の生徒だけが自由に出入りできるミーティングルームのような設備もあります。自治区のようになっていて時間制限もなく、24時間365日、学生証さえあればいつでも入れるようになっているところまであります。さらに細かい部分で言えば、コピーが無料でできるなど、利用価値が高い設備がいろいろとあります。
3,校内でテストマーケティングや事業展開も可能 同世代の人をターゲットのするのなら、学校内でテストマーケティングや、前段階となるアンケートの収集がしやすいのもメリットでしょう。内容によっては大学の許可が必要となりますが、それでも校外の人に比べればずっと動きやすいはずです。大学生ではサークル活動などから起業に発展するケースもあります。学校にサークルとして認められれば、文化祭でピーアールすることも可能です。もちろん、学校内だけで物品を販売したり、情報を集めたりしていれば、企業としての成長はありません。しかしスモールスタートという意味では、身近な人にアプローチしやすい大学が有利となるのは間違いありません。
4,自由な時間が多い 学生の最大の特権は、大学生と言う地位を持ちながら、自由になる時間が多いこと。この時間を使って起業につながる勉強をしたり、人脈を広げたり、またインターンシップを使って社会体験をすれば、効率よく起業に結び付けられます。
5,失敗しても経験として活かせる 若いうちは失敗も、その先の人生の糧とできるのが最良のポイントかもしれません。もちろん失敗は避けるに越したことはありませんが、現実的には失敗することも多いもの。ですが、それをバネにして、イチからリスタートができることが若い世代の特権でしょう。もっと言うなら、周囲にいる大人たちが、失敗を許容してくれる環境があります。大量の資金を用意するのは無理かもしれませんが、ある程度の範囲の中でやるのなら、「学生の間は好きなことをしてよい」とトライ&エラーが許されるケースも多いのです。そして学生の間に実績を作ってしまえば、就職せずに、会社を成長させるよう、卒業と同時に活動を本格化することもできます。
学生起業で気をつけるべきこと
もちろん学生起業ならではのデメリットもあります。まずは社会的信用がないため、資金を集めにくいこと。そのため最初は持ち出しをする覚悟が必要です。もちろん、そのコストは自力で作り出さなくてはなりません。また、社会人としての経験がないため、そそのかされやすいという注意点もあります。気が付かないうちに不利な契約を結んでしまったり、チェックすべき部分の確認が甘かったりすることも。社会は契約で成り立っているので、気が付かないうちに不利な契約をすれば、後から何とかしたいと思っても手遅れとなります。契約相手も決してだます意図はなく、価値観の相違で結果的にイメージが違ってしまうこともあります。十分注意してください。
また、想定以上に仲間がたくさん集まったことで、大きな成功を約束されたような錯覚に陥る人もいます。学校は価値観の似た人が集まる場所です。その中で成功したからといって、社会で成功することとイコールではありません。そのことを理解しているなら問題はありませんが、数年後に社会に出て鼻をへし折られ、復帰できないこともあるので注意が必要だと言えるでしょう。
まとめ
学生起業にはたくさんのメリットがあります。学生をターゲットとするサービスは自分自身も市場の中にいるようなもので、断然有利。同じ目線でマーケットを体感しながら、成功を手にしてください。起業にあたっては勢いだけではじめず、資金集めも含めた事業計画が重要です。大学生の期間は4年間しかありません。ぜひ、全力で取り組んでください。
(新井 一/起業コンサルタント)
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