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ヨガ教室で耳にする「プラナ」とは?ヨガで生命エネルギーを整えて健康で快活に!

JIJICO / 2024年4月25日 7時30分

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ヨガ教室で耳にする「プラナ」とは?ヨガで生命エネルギーを整えて健康で快活に!

プラナとはサンスクリット語で、生気や気息と訳され生命エネルギーを意味します。その存在は、約2,500年前のインドで『古ウパニシャッド』と呼ばれる時代の古典に登場します。ここでは、ヨガやヨーガという発音があるようにプラナとプラーナは同一です。

古典ヨガは、肉体はもちろん心の動きも整える修習法で、その段階は、4~5世紀頃にマハリシ パタンジャリによって編纂された『ヨガスートラ』サーダナパダ実習部門Ⅱ-29に、八支則として記載されています。(参考文献:『ヨーガとサーンキャの思想』中村元著)

現在一般的にヨガと言われるものは、主に八支則の第3段階「アーサナ」を中心に練習が展開されていますが、第1段階には道徳として「禁戒」、第2段階には自己規範として「勧戒」があり、プラナを整える方法「プラナヤマ(調気)」は第4段階にあたります。

八支則については、こちらの記事で紹介しています。 幸せで充実した人生をもたらす瞑想の効能とその実践法について

目に見えないプラナは、どこにあるか?

ヨガの古典におけるプラナは大きく2つに分類されます。それは、大自然のプラナと個体のプラナです。 例えば、そこら中に存在する空気やあらゆる物質を構成する素粒子をイメージしてみて下さい。 プラナはあらゆる物質に内在する生命エネルギーで、私たちは自然界を満たすプラナの中に生き、我々個々の体内で機能するプラナがあるという理論です。

①マハプラナ:マハ(摩訶)とは偉大なという意味です。マハプラナは自然界や宇宙に偏在しつつ個々の物質を構成する生命エネルギーです。微小でありながら大きな一なるものとして大自然を働かせるものを言います。 ②ムキャプラナとウパプラナ:体内で機能するプラナです。心身維持のためにそれぞれ5つの働きを持っています。

プラナは、全身を巡る7万2千本のナディ(神経経路)を通ると言われます。プラナは流れや詰まりによって様々な不調を引き起こすため、心身健康かつエネルギッシュに生きるためにプラナをスムーズに巡らせる練習法が古典ヨガとして代々継承されています。 東洋医学や漢方でも、気が滅入る、元気になるなど、自然に即した「気」という概念を用いて対処していますね。

体内で機能する2種類の「プラナ」

プラナの流れと呼吸が連動していることを洞察したヨガの先人が、アーサナ(ポーズ)や呼吸法により心身の安定と調和を図るために行なっていたのがヨガの練習です。古典ヨガとエクササイズの違いは、身体だけでなく心や生命エネルギーを制御する点にあります。

パンチャ ムキャプラナ(5つの主要なプラナ:その箇所と機能)

1.プラナ※:胸部・首・頭部 / 呼吸機能や脳の活性  2.アパナ:下腹部 / 排泄やデトックスの促進 3.サマナ:腹部 /消化や吸収の促進 4.ウダナ:喉 /言語や表現力を統制 5.ヴィアナ:全身/エネルギーの循環

※1.プラナ:パンチャ ムキャプラナにおける働きの一つのプラナを指します。

例えばヨガのアーサナ(ポーズ)である、ブジャンガアーサナ(コブラのポーズ)やダヌラアーサナ(弓のポーズ)などで、腹部のサマナを活性し消化力を促進します。また、鼻を片方ずつ押さえる呼吸法ナディシュッディにより主要なナディ(神経経路)である「イダとピンガラ」のバランスが整うとプラナが適切に流れ、心身が安定し活力が湧きます。

但し、間違った練習で逆に心身を痛めないよう、プラナヤマは熟練した指導者のもとで行うべきであると『ヨガスートラ』で説かれています。 参考文献:『インテグラル・ヨーガ パタンジャリのヨガスートラ』サーダナパダⅡ-49解説

さて、もう1種類のマイナーなプラナは、身体現象を自然に起こさせる働きを持ちます。

パンチャ ウパプラナ(5つのマイナーなプラナ)

1.ナーガ:げっぷ、しゃっくり 2.クールマ:まばたき 3.クリッカラ:くしゃみ、空腹や喉の渇き 4.デヴァダッタ:あくび 5.ダナンジャヤ:死後、遺体を腐敗させる

参照元:『チャラカ・サンヒター』

いずれも自分で起こしたり止めたりする機能ではなく、死後の腐敗の働きまでが人体に内蔵されているのは興味深いですね。人間が自然の一部として生き、また自然に戻っていけるように出来ているのでしょう。

まとめ

宇宙の果てが未知であるように、人体もまだまだ未知の領域がたくさんあります。 人間の肉眼で見える物の大きさは約0.1mm (毛髪の直径)と言われており、それより小さい赤血球や神経細胞などは電子顕微鏡などで観察できます。0.2nm(ナノメートル)以下のものは基本肉眼では見えませんが、電子顕微鏡などを使えば見ることができます。 顕微鏡のなかった2,500年前にプラナの働きを洞察し、生命エネルギーを人生に活かしていたヨガの先人達には驚かされます。 電子顕微鏡でも見えないウイルスや原子などもその存在は確認されているので、いつかプラナを観測できる日が来るかも知れませんね。 背骨を立てて静かに座り、身体中を巡るプラナの流れをイメージしながらゆったりと深呼吸してみてください。目には見えない生命エネルギーは、目や耳で分析するのではなく「感じる」ものです。古典ヨガは、老若男女問わず誰もが自然体で健康に快活に生きる実践法です。

(中里 えみこ/ヨガインストラクター)

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