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42歳で乳がん発覚。抗がん剤治療でシャワー中に髪がゴソッと“取れる”感覚にゾゾッ

女子SPA! / 2024年3月31日 8時45分

 発表会を控え、一か月前のリハーサル前日に発熱。白血球が減少していると感染症を起こして重症になりかねないと聞いて焦りましたが、大事には至らず翌日には熱も下がり、なんとかリハーサルに参加。風邪でもなく、緊張による知恵熱のようなものだったようです。

 本番はこんなことがないようにと気持ちを引き締め、練習に集中。フラメンコの発表会につけるためのウィッグを購入したり、準備を進めました。

 そしていよいよ発表会当日を迎えました。乳がんを宣告された日からずっと、がんの治療をしながらでもこの舞台に立つことを心に誓って治療をしてきたわたしには、発表会の会場に入った瞬間、すでに「やっとここまで来た」という気持ちで胸がいっぱいでした。

 病院の先生、看護師さん、アピアランス支援センターのスタッフさん、がん友、そして家族。いろんな人の顔が浮かびました。フラメンコはただの趣味だけれど、ここで今日踊ることは、わたしにとってすごく意味があることでした。わたしをここまで頑張らせ、支えてくれたものがフラメンコだったのです。

◆フラメンコの舞台に立ち、生きていることの幸せを痛感

 いざ本番、満足な出来ではなかったにせよ、発表会に出るという大きな目標を果たせて感無量。終演後ロビーに出ると、病院で出会ったがん友が号泣しながらこちらに手を振って駆け寄ってきてくれました。

「勇気をくれてありがとう」と泣きながら話す友人を見て、わたしは自分の目標のために舞台に立ったけれど、何かそれ以外にも意味があることができたのかなと思いました。

 そのほかにも、事情を知っている友人たちが見に来てくれ「元気な姿を見せてくれてありがとう」と言ってくれました。さらに普段ダンスに興味がない夫も「よく頑張ったな」と声をかけてくれました。

 わたしは自分のことで必死でしたが、こうして自分が生きて踊っていることを喜んでくれる人がいるというのは本当に幸せなことだと痛感しました。

 こうして、抗がん剤を打ちながら、ウィッグをかぶってフラメンコの発表会に出る夢を叶えたわたし。ですがここまであまりに頑張りすぎて、なんとなくプツっと糸が切れたようになってしまったのも事実です。

 こうして3か月間で、1つめの「AC療法」の抗がん剤は無事終えました。ですが、2種類目の「パクリタキセル療法」がこれからスタートします。ひと山越えましたが、また次の山がわたしを待ち受けていました。

<文/塩辛いか乃 監修/沢岻美奈子(沢岻美奈子女性医療クリニック院長)>

【監修者:沢岻美奈子】

日本産科婦人科学会認定産婦人科専門医。神戸にある沢岻美奈子女性医療クリニックの院長。子宮がん検診や乳がん検診、骨粗鬆症検診まで女性特有の病気の早期発見のための検診を数多く行なっている。更年期を中心にホルモンや漢方治療も行い女性のヘルスリテラシー向上のために実際の診察室の中での患者さんとのやりとりや女性医療の正しい内容をインスタグラムで毎週配信している

【塩辛いか乃】
世の中の当たり前を疑うアラフィフ主婦ライター。同志社大学文学部英文学科卒。中3繊細マイペース息子と20歳年上の旦那と3人暮らし。乳がんサバイバー(乳房全摘手術・抗がん剤)。趣味はフラメンコ。ラクするための情熱は誰にも負けない効率モンスター。晩酌のお供はイオンのバーリアル。不眠症。note/Twitter:@yukaikayukako

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