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NHK朝ドラにもついに出演。35歳俳優の“恐ろしいほどの無表情”に目が離せない

女子SPA! / 2024年4月19日 15時45分

◆いかに映画的な俳優であるか

 あるいは、長谷川博己主演の『アンチヒーロー』では、日曜劇場に初出演。勝つためには手段を選ばない弁護士・明墨正樹(長谷川博己)が、弁護を引き受けた殺人事件の犯人を岩田が演じる。緋山啓太(岩田剛典)が、勤務先の工場社長を殺害。凶器に使われたのはハンマーだった。

 トビー・フーパー監督によるホラー映画の金字塔『悪魔のいけにえ』(1974年)では、殺人犯の凶器として、ナイフでも拳銃でもチェーンソーでもなく、ハンマーが選ばれている。理由は、ハンマーを振りかざす絵が、他の凶器より格段に映画的な運動感をうむからだ。

『アンチヒーロー』第1話の回想場面では、緋山がハンマーを振りかざすワンショットがある。テレビドラマ作品とはいえ、このワンショットこそ、岩田剛典がいかに映画的な俳優であるかを証明する署名のような場面だった。

◆初の殺人犯役

 殺人犯役であるからには法廷で証言台に立つことになる。『死刑にいたる病』(2022年)では、自分が犯人かどうか錯乱する男を演じたが、初の証言台にして、初の殺人犯役である『アンチヒーロー』はどう写るのか。

 証言台に立つ岩田剛典を見て思うのは、恐ろしいくらい無表情であること。台詞はすくない。終始、虚ろな顔。その表情に吸い込まれそうになる。そして金髪……。それで思い出す最近の作品といえば、「Only One For Me」ミュージックビデオだ。

 曲の調子はご機嫌だが、鏡の中に顔が写る短いショットでは、意味ありげな岩田の無表情が際立っていた。温かいような、虚ろであるような。解釈が自由に可能なその表情を見て以来、岩田を“鏡の中の人”だと認識するようになった。

 髪色は違うが、『赤ずきん、旅の途中で死体と出会う。』(2023年)や『誰も知らない明石家さんま』(2023年11月26日放送回)での再現ドラマでも、同じように鏡の描写が印象的だったことを思い出してもいい。

 その上で緋山役の虚ろな顔を考えてみると、それは現実の表情というよりは、鏡の中で写るもうひとつの虚の顔ではないかということ。明墨の弁護によって緋山がほんとうに犯人なのかどうか攪乱されつつ、岩田の虚実ないまぜの演技が、真相をさらにわからなくする。

◆鏡の中の人の能力

『アンチヒーロー』での堂に入った殺人犯役の一方で、シリアスだけじゃないのが岩田のバラエティなところである。4月11日に放送された『櫻井・有吉 THE夜会』(TBS)では、日曜劇場キャストのひとりとして出演し、「ノーリアクション刑事」に挑んだ。

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