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子どもに中学受験をさせない「2つの決定的なデメリット」。東大卒の人気家庭教師に聞いた

女子SPA! / 2024年6月8日 8時45分

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 こんにちは、コラムニストのおおしまりえです。

 今、中学受験市場が熱い! というのは、多くの人が感じているかと思います。背景には、少子化による子ども1人当たりの教育費の上昇や、公立校への不信感などがあると言われています。

 こうした状況下で、近年では中学受験をきっかけとする教育虐待や家族関係の悪化も問題視されています。かくいう筆者も実は25年ほど前に、中学受験をきっかけに心を壊してしまった一人。親の意向によって受験のレールに乗ったものの、合格後の学校と合わず、2年後に私立中学校を自主退学したという経歴を持ちます。

 今回話を聞いたのは、家庭教師として25年以上のキャリアを持ち、“中高一貫マニア”を自称する受験アドバイザーで、年間300件のコンサル依頼が殺到する東大卒のフリーランス家庭教師・長谷川智也さん。

 中学受験市場の加熱の背景とは? 今、中学受験の現場で起きていることとは? 難関中学受験に挑む子どもとその親たちに日々向き合い、これまでに約2000人を指導してきたという長谷川さんに、そも実態を語ってもらいました。

◆加熱する中学受験市場の背景

 長谷川さんの家庭教師としてのキャリアをスタートさせたのは1999年。東京大学入学後に、学業と現在も続けるバンド活動の両立のために、家庭教師のアルバイトを始めたことがきっかけです。

 それから現在にわたり25年間以上、中学受験だけでなく高校や大学受験など、個別指導と受験カウンセリングを行っています。

 25年であれば、おそらく受験のブームも何回か目の当たりにしているかと思いますが、近年の加熱具合は、長谷川さんの目にはどう映っているのでしょうか。

「中学受験が当たり前になった背景の一つに、『ネット社会によって”真実”が明るみになってしまったこと』があると思います。『公立中学の状況はヤバい!』『結局学歴社会は終わっていない』といった情報が知られてしまったことで、『やっぱり学歴はあったほうがいいし、早いうちにお金をかけたほうが有利ではないか』といった判断をする家庭が増えたのではないでしょうか。

さらに、さまざまな報道や中学受験の実情を描いた漫画『二月の勝者-絶対合格の教室』(高瀬志著作/小学館)などメディアの力も加わり、勉強熱心でない子や、子どもに勉強習慣をつけたいだけの家庭も受験に挑戦するようになり、今の状況があると思います」

 長谷川さんはこの流れを、“アメリカ的な自由主義”と表現します。教育という分野はこの25年でとにかく自由化が進み、「いつどこで投資するかは個人の判断」という流れが加速したとか。その結果の、中学受験市場の加熱というわけです。

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