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「生後8か月で亡くなった愛娘に合う仏具が見つからない…」ガラス仏具店を開店した女性の想い

女子SPA! / 2024年7月17日 8時45分

――娘さんらしい仏具を揃えることで、当時持っていた悲しみの受け止め方は変わりましたか。

そうですね。娘に洋服を買ってあげるような気持ちで仏具を選び、時にはガラス製品から自分で作っていました。それが結果として、私自身のグリーフケア(死別の悲しみを抱える遺族に寄り添い、立ち直るよう支援すること)になっていたのだと感じています。外に出かけたときにも娘にしてあげられることを考えるようになり、それが少しずつ私の心の支えになっていきました。

ただ、人それぞれ悲しみの受け止め方は違うと思っていて、私のように悲しみのエネルギーが外に向かう人もいれば、家で一人で涙を流し、徐々に受け止めていく人もいると思います。

◆依頼は、大切な人との思い出を反映したデザインも

――現在、Bee-Sではどのような商品を展開していますか。

 仏具や骨壷カバーなど、基本的にはセミオーダーのスタイルで、それぞれのお客さんに合わせた作品を手作りしています。一つひとつがユニークで、同じものがない点が特徴です。

最初のラインナップは、私が娘に買ってあげたいという思いから出発して、それをベースとした作品を提案していました。それに対してお客さんからの要望が増えてきて、今ではさまざまな種類の作品を作っています。

――骨壷カバーも多く展開されています。骨壷カバーに着目した理由はありますか。

仏具をお送りしたお客様からお写真をいただくことも多いのですが、写真を見ていたらかわいいものを揃えているけれど、骨壷カバーだけ空間に馴染んでいないように感じていました。ネットで骨壷カバーについて調べたところ、やはり古風なものしか見つからず。そこで、かわいい骨壷カバーを自分で試行錯誤して制作するようになりました。

――やはり骨壷も故人の存在を感じる大切なものなんですね。

我が子を亡くした方の中には、遺骨を納骨せずに自宅に置いておく親御さんや、自分が亡くなったときに一緒に納骨してほしいという親御さんが多くいます。

親の心境として、大切な我が子を感じられる遺骨を本人が会ったことがないご先祖様と一緒にお墓に入れるのは、寂しい思いをまたさせてしまうと感じることもあります。愛する我が子とずっと生涯一緒にいることを考えると、その人らしい骨壷カバーはとても大切な要素なんです。

◆当初は9割以上が子どもを亡くした親からの依頼だった

――どういった方がBee-Sの仏具を求めにいらっしゃるのでしょうか。

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