1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ
  4. カルチャー

「生後8か月で亡くなった愛娘に合う仏具が見つからない…」ガラス仏具店を開店した女性の想い

女子SPA! / 2024年7月17日 8時45分

制作に注力しすぎて、イメージと完璧にマッチしていなければ受け入れられないという方もいらっしゃるのですが、手作りにはイメージを具体的な形にすることが難しい場合もあるのです。その点はお客様にもお伝えしています。

精神的なケアを求めている方であれば、毎月開催している少人数制のお話し会もあります。そこでは、悲しみを吐き出したり、大切な人についてお話したりできますし、参加者が話したいときに気軽に寄っていただけます。

――仏具の制作・販売以外にも活動されているのですね。

ほかにはボランティア活動を行っています。具体的には、娘がお世話になった先生や看護師さんに対して直接何かをすることは難しいので、子どもの入院施設への寄付というかたちで支援をしたり、オンラインでのお話や講演会を通じて、病院や医療関係者、そして今闘病中の子どもたちやご家族にエールを送る活動をしたりしています。11月9日にもグリーフケアの講演イベントを企画しています。ご興味がありましたら、詳細をお問い合わせください。

◆遺影や仏具のあるスペースを“明るい場所”として

――お客さんにはどのような想いで仏具を届けているのでしょうか。

大切な人と話せない、触れられないことは、本当につらいことです。そういうつらさがあるからこそできる限りのことをしたいと思いますし、お客様がほしいと思うものを一生懸命考えて制作するようにしています。

大切な人を亡くした経験から、悲しみが再び襲ってくるのではないかと思ったり、家族の間で気を遣って話せなくなってしまったりすることは珍しくありません。ですが、故人にぴったりの場所があれば、たとえば「今日こんなものを買ってきたよ」という会話が生まれるでしょう。なので遺影や仏具のあるスペースは“明るい場所”として、お客様に提案したいと思っています。

――ご自身の経験からも仏具や仏壇という存在が、お子さんの死を受け入れるきっかけになったと感じていますか。

うちの家族に関しては、娘のための場所があることで、家族全員で娘を認識し、“仏様”という特別な存在ではなく家族の一員として受け入れています。私自身も、大きな変化があります。これまでは花を飾る習慣などは私にはなかったのですが、季節の花を仏壇に飾るようになりました。お盆には季節の野菜を使ったお盆飾りをするようになりました。娘がいろいろなことを教えてくれているような気がします。

◆亡くなった娘へ、今思うこと

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください