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低視聴率『おむすび』はNHK前会長の“若者ねらい路線”の象徴…「定番シーンの省略」で朝ドラ愛好層もガックリ

女子SPA! / 2024年11月14日 8時46分

第10回、深夜徘徊で警察に補導されたハギャレン(博多ギャル連合)の真島瑠梨(みりちゃむ)の身元引受人になったことなどで、愛子がやたら物わかりのいい人だということは分かった。

第14回で愛子は義母の佳代(宮崎美子)に対し、ハギャレンが白眼視されることについて「外見で判断されちゃうからね。私がそうだったし」と漏らす。佳代は「名古屋の元スケバンやもんね」と応えた。その言葉に愛子は「やめてよ、そんな昔の話」と照れる。

元スケバンだと子供の行動にも寛容になるという考え方は短絡的過ぎると思うが、それはともかく、愛子がどうしてスケバンになったのかがまだ分からない。

生育歴が不明のままだと気性や行動パターンもはっきりと見えてこない。阪神・淡路大震災のあと、結の父親・聖人(北村有起哉)の故郷である福岡・糸島に躊躇(ちゅうちょ)なく移住できた胸の内も分からない。

愛子の気性が詳らかにならないと、その血を受け継ぎ、育てられた結の人間性も分かりにくい。まだある。生真面目でやや神経質な聖人と大らかでサバサバしている愛子はどうして結ばれたのか。

◆『おむすび』独特の肩透かしエピソードに時間を費やしている

家族を描き切れていないのはほかのことの描写に時間が費やされているから。書道、野球、ギャル、パラパラ。ほかにも『おむすび』独特の肩透かしエピソードである。

まず第17回、姉・歩(仲里依紗)が若き日の敵である天神乙女会の明日香から勝負を挑まれた。決闘を思わせた。しかし次の第18回で分かった勝負の中身はラーメンの大食い対決だった。

第27回、歩の付き人を名乗る佐々木佑馬(一ノ瀬ワタル)が米田家にやって来る。「歩さんは大女優」なのだという。福岡には東京と同じく7つのテレビ局があるから、本当に大女優であるなら家族が気付かぬはずがない。釈然としない話だった。

大女優のエピソードは第30回まで延々と引っ張られたが、オチはカラオケの映像に登場する女優だった。そのままカラオケ大会となり、歩とハギャレンのメンバーらが浜崎あゆみ(46)の『Boys & Girls』(1999年)を熱唱するシーンが描かれた。平成青春グラフティと謳(うた)っているので、このシーンをつくりたかったのだろう。

◆NHK前会長・前田氏がねらった若者ウケだったが…

『おむすび』は昨年1月に退任したNHK前会長・前田晃伸氏(79・元みずほフィナンシャルグループ社長)の在任中に企画された。

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