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低視聴率『おむすび』はNHK前会長の“若者ねらい路線”の象徴…「定番シーンの省略」で朝ドラ愛好層もガックリ

女子SPA! / 2024年11月14日 8時46分

前田氏は常時12%前後の視聴率を誇っていた健康情報番組『ガッテン!』や『バラエティー生活笑百科』など中高年に愛された番組を2022年度末で打ち切ったといわれる人物。一方で、同4月には平日午後10時45分から同11時半は10~20代を狙った若年層ターゲットゾーンにした。前田氏は若い視聴者の獲得に躍起(やっき)になっていた。

若者のテレビ離れが深刻なことに前田氏は危機感を抱いていたのである。『おむすび』にも前田氏の意向が反映されたのではないか。そう考えると、ほかの仕事と掛け持ちになるにもかかわらず、主に若者に人気の橋本を主演に起用したのもうなずける。

ギャルやパラパラなど50代以上があまり好みそうにない要素をふんだんに採り入れたのも腑(ふ)に落ちる。序盤で家族を細かく描くというセオリーを踏襲しなかった件もそうだ。はじめから50代以上は強く意識していなかったのではないか。

不思議とあまり知られていないが、昨年10月からNHKは多くの学生に対し、受信料の支払いを免除している。たとえば親元から離れて暮らし、扶養されている学生、奨学金を受給している学生らである。これも前田氏の若者対策だ。

ただし、残念ながら『おむすび』は若い層の視聴率も低迷している。

<文/高堀冬彦>

【高堀冬彦】
放送コラムニスト/ジャーナリスト 1964年生まれ。スポーツニッポン新聞社の文化部専門委員(放送記者クラブ)、『サンデー毎日』編集次長などを経て独立。月刊誌『GALAC』(放送批評懇談会発行)前編集委員。現在は『デイリー新潮』『婦人公論jP』『JBPRESS』
『日刊SPA!』などに執筆中

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