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「お金がなくて婚活どころじゃない…」奨学金返済に追われる若者の“リアル”。結婚はもはや「ぜいたく品」

女子SPA! / 2025年1月18日 15時47分

通っていた高校では、大学に進学する生徒がほとんどでした。古川さんは国語が苦手で数学が得意だったという理由から、地元の私立大学工学部に進学します。進学の際に無利子の奨学金200万円を借りました。そのときの奨学金は、現在も返済中です。

古川さんが大学進学した平成24年(2012年)は大学進学率が50.8%(※1)。そして、大学学部(昼間部)の学生のうち半数以上の52.5%が奨学金を受給しています(※2)。なお、令和4年(2022年)の調査では55.0%です(※3)。奨学金返済に追われる若者はそれだけいるのです。

(※1)文部科学省「大学入学者選抜関連基礎資料集 9.大学入学者数等の推移」

(※2)独立行政法人日本学生機構「平成24年度 学生生活調査結果」

(※3)独立行政法人日本学生機構「令和4年度 学生生活調査」

◆大学で彼女ができる学生は「トップ層だけ」

大学に入ったら彼女も欲しいと思った古川さん。飲み会サークルに入りますが、いわゆる陽キャが多くなじめずすぐにやめてしまいます。工学部に女性はほとんどいません。大学2年生になるころには、周りも彼女がいない人ばかりだったこともあり、彼女が欲しい気持ちは薄れてしまいました。

「大学で彼女ができる人はトップ層のイメージだった」といいます。これは古川さんの個人的な感想というだけではないと思います。

古川さんが20歳だったのは2014年です。オーネットが成人式を迎える20歳になる男女を対象として毎年実施している「新成人の恋愛・結婚に関する意識調査」によると、20歳の男女で2014年に「恋人がいる」と答えた割合は24.7%でした。

2000年は新成人の47.3%は交際中の恋人がいました。余談ですが、筆者が20歳ぐらいだった頃です。私の大学時代には「クリスマスに恋人がいないのヤバイ」という風潮があったのですが、古川さんの時代はいないほうがもはやスタンダードのようです。約15年の間に状況が大きく変わったのが、お分かりいただけるかと思います。

◆ブラック企業で「お前なんかいらない」と怒鳴られる

就活では福岡県内の企業を中心に受けます。「やりがいがありそう」と思い、学習塾を運営する企業に就職した古川さん。学習塾に関する予備知識はない状態で入社します。所属は長崎県で、個人宅を訪問する営業でした。契約が取れずに強い叱責を受けるのが日常、という職場でした。朝礼でみんなの前で「お前なんかいらない」と怒鳴られることもありました。

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