「母は包丁を振り回し、父も姉も精神を病んだ」“普通じゃない母親”に育てられた31歳女性。成人しても続く“虐待”の異常性
女子SPA! / 2025年2月8日 15時47分
「このまま家にいたらおかしくなる」と、茜さんは思います。しかし憔悴(しょうすい)したお姉さんを目の当たりにすると、家を出ることがいかに難しいかということも思い知らされるのです。
大学についても、卒業要件は満たせたものの、教員免許に必要な単位は足りませんでした。そのため、進路が決まっていない状態で卒業してしまいました。
◆卒業後も母親の支配下で、さらに過酷な生活が始まった
母親は茜さんを通信大学に入れ、教員免許に不足している単位を取らせました。接客業などのアルバイトをしながら、猛勉強して教師を目指すという、茜さんにとって厳しい生活が始まります。
1年目の採用試験は不合格でした。「教師になりたくない」と一貫して思いながら、計4回も教員採用試験を受けました。
そのころ、茜さんのメンタルが再び不安定になっていきます。欠勤が増え、接客のアルバイトが続けられなくなりました。新たに事務職のアルバイトを始めると、あまりにも事務仕事ができない自分に気が付きます。
例えば、レシートの金額の写し間違えを連発します。また、何かの事務作業をしているとき誰かに話しかけられて作業を中断すると、直前で行っていたタスクを忘れてしまうのです。
ここで茜さんは、疲労だけでは説明がつかない、自身の特性を自覚します。そこで大人の発達障害の診察をしてもらえる医療機関を探し受診しました。
◆発達障害と診断されたけど、母親に理解されるわけがない
これまでの生い立ちや現在の自分の状態を医師に伝えると、うつの傾向があることに加え、ADHD(注意欠如・多動性障害)だと診断されます。子どもの頃からずっと母親に「努力が足りない」と言われ続けていたことが、発達障害のためだったとわかったのです。
医師からは障害者手帳の交付申請ができることも伝えられます。障害者手帳をもらうと医療費の負担額が3割から1割にまで減ることなど、様々な説明も受けました。
しかし、茜さんは母親が娘の発達特性を理解してくれるはずがないと思いました。ADHDであることや、メンタルに関する通院がバレたら、また母から監視されると思い、手帳の交付申請はためらわれました。茜さんが26歳のときの出来事です。
幼い頃からずっと母親の支配下に置かれ、成長して母親の異常性に気づいてからも逃れることができなかった茜さん。彼女には自分の人生の決定権すらありませんでした。そんな状況で「子どもは持ちたくない」と思うのも無理はありません。
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