父の不倫相手にテレサ・テン「愛人」を歌う小学生女児、その切ない理由とは?
女子SPA! / 2025年1月29日 15時46分
※写真はイメージです
―連載「沼の話を聞いてみた」―
「谷村家、朝の風景~!」
「シュンシュンシュンシュンシュンシュンッ!」
圧力なべが蒸気を吹きながらカタカタ揺れる様子を、飛び跳ねて再現する。
当時小学生だった、美緒さん姉妹の定番コントだ。自然食にハマった母親が必ず毎朝炊く、玄米の様子をネタにしたものだ。
◆玄米食がつらかった
谷村美緒(仮名・40代)さんが話してくれた、子ども時代の思い出である。
美緒さんの母は、美緒さんが乳児のときから、そこそこ名の知られた新興宗教と自然食にどっぷりハマっていたという。
「自然のままに育てるべし」というような教えと、個人的な食肉へのトラウマ(実家が飼っていた鶏をつぶしてから苦手になったそうだ)から、玄米菜食にこだわる人だった。朝食の定番メニューは、玄米と味噌汁だ。
「いまどきの玄米って、それなりに美味しいじゃないですか。でも昔はねえ……。少なくとも実家で出されていた玄米は、臭くてかたくて、まずくって……。仕方がないからがんばって食べますけど、なかなか食が進まない」
◆ごくたまに少量の肉、小さく細い姉妹
そして半ばやけくそで繰り出されるのが、冒頭の姉妹コントである。
美緒さんの実家では、「白菜なべ」も定番メニューだった。土鍋に水を張り、コンソメで白菜を煮るというだけの、究極のシンプル料理だ。
ごくたまに少量の肉を使った料理が出てくることもあったが、姉妹の体格は標準より小さく細く、栄養不足からか、冬にあかぎれができると、なかなか治らなかったという。
「自然派育児で話題になる、キャベツ枕。熱を出すと、あれもよくやられてましたねえ。母はお約束どおり薬も嫌いなので、梅干しを入れた番茶を飲まされたり。
無添加、無農薬、砂糖ナシ。自然派育児雑誌の『クーヨン』を見かけると、つい懐かしい気持ちが湧きあがりますわ」
美緒さんの一番古い思い出は、2歳ごろだ。
早朝に泣きながら裸足で路上を走り、母を追いかけていくシーンだ。
母は新興宗教に要求される「朝の奉仕活動」へ参加するため、未就学児である姉妹を家に残し、出かけてしまうのだ。
◆姉妹で力を合わせて
小さな子どもだけで外出したり留守番させたり、昭和の時代は珍しくなかっただろうが、切ない話である。
「まだ小さいですから、母が恋しいわけですよ。『行かんといて~!』って叫びながら走っていました。3つ上の姉はそんな私を見て、幼心に”妹は自分が育てる”と決心したそうです。
だからずっとかいがいしくお世話してくれてねえ。すっかりシスコンに育ちました(笑)。姉とはいまでも仲よくしています」
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