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「またこれか!」毎度おなじみすぎる“ドラマあるある”漫画家が検証してみた

週刊女性PRIME / 2024年3月3日 18時0分

『光る君へ』独創的な物語ながら、「あるある」シーンが目につく

 テレビドラマを見ていると、「この展開、前にも見たことがある」と気づくことがある。それが“ドラマあるある”。例えば恋愛ドラマにおいて、『運命の相手とは、幼いころすでに出会っていた』という設定は、おなじみのパターン。今期の大河ドラマ『光る君へ』でも、やがて運命の人になるだろうと予想される紫式部と藤原道長が、幼少期に出会っていたというあるあるが、しっかりと盛り込まれていた。

毎度おなじみ「ドラマあるある」

「ドラマを見ていて『またこれか!』という展開は、正直、山ほどあります」と言うのは、漫画家であり、毎クールほぼすべてのドラマをチェックする“ウォッチャー”でもある、かなつ久美さん。まっさきに思い浮かんだのが『部屋の水漏れ』だという。

「主人公の部屋が突然水漏れして、帰れなくなるという展開は、大昔から続く伝統的な“あるある”です。水漏れのほか、何かが故障する、ボヤ騒ぎが起きる、泥棒に入られるなど、いくつかのパターンがあります」(かなつさん)

 しかし、どのパターンを通っても、その後に続く展開は「ほぼ同じ」だとか。

「帰る場所をなくした登場人物に、気になる相手が『今日ウチに泊まる?』と言うまでがセット。昔の少女漫画でよく使われていた手法が、今の恋愛ドラマでも飽きずに使われています。今クールのドラマにもあって辟易しました」(かなつさん)

 美しいヒロインが病気で寝込むのも、恋愛ドラマでよく見る展開。かなつさんはそのときのヒロインの顔に注目。

「具合が悪いのに、唇がグロスの塗りすぎでツヤツヤな場面をよく見かけます。事務所的に俳優のビジュアルを崩したくないという事情があるのでしょうけど、とても病人には見えません」(かなつさん)

 また、美人俳優がモテない役を演じるのも「いいかげん、見飽きました」とのこと。

「美しい人があえてモテない役を演じるのが面白いという手法なのでしょうけど、不自然すぎて入り込めません。『この顔でモテないのはおかしい』が、先にきてしまいます」(かなつさん)

 そんな恋愛ドラマの主人公たちには、必ずといっていいほど『思い出の場所』が存在する。

「海が見える高台とか、幼なじみと遊んだ公園とか、なぜか『思い出の場所』が必ずあるんですよね。ヒロインは悩むと、だいたいそこへ行きます。どんなにわかりにくい場所でも、ちゃんとイケメンが見つけに来てくれます。そんな都合のいいことあるかなと思ってしまいます」(かなつさん)

 都合がいい“あるある”といえば、“立ち聞き”もそのひとつ。近くを歩いていたら、たまたま部屋の中で重要な話をしているのが聞こえてしまった……という、あるあるシーンについて、かなつさんは以前から疑問を抱いているという。

「立ち聞きなのに、話の内容が鮮明に聞こえすぎ。数メートル以上離れていて、さらには周りの喧騒もある中で、重要な会話がすんなり聞き取れるなんて、すごい地獄耳ですよね」(かなつさん)

 立ち聞きによって重要な事実を知った人物は、ひとり秘密を抱えて思い悩む。そのあとの展開にもあるあるが。

「誰かに打ち明けようとした結果、『ううん、やっぱり何でもない』と明るくごまかす。あるいは、話そうとしたら、何かしらの邪魔が入る。だいたいこの2パターンです」(かなつさん)

 なお、今回一般読者から募ったアンケートではこんなあるあるが寄せられた。「主要人物がみんな近所に住んでいる」(東京都・36歳・男性)、「20代の一般職なのに、一人暮らしの部屋が広すぎる」(山梨県・29歳・女性)

「一人暮らしの部屋が豪華なのはトレンディードラマの時代から続くあるあるですね。見栄えを良くするためなのはわかりますが、現実離れしすぎでは?」(かなつさん)

 片や、現実世界のコンプライアンスに合わせて過剰な暴力シーンはほとんど見られなくなった。しかしビンタだけはセーフなのか、いまだに見かけることがある。

「普通、何があっても人を殴ることはありませんよね。ビンタだって今の時代なら即通報されてもおかしくないですよ」(かなつさん)

日常的に事件をもみ消す警察上層部

 警察ドラマにも、あるあるは多数。鉄板なのは「警察幹部の親族が起こした事件は、絶対にもみ消す」(岐阜県・52歳・女性)というもの。

「ドラマの中の警察は、日常的に事件をもみ消している印象です。日本の治安が心配になります」(かなつさん)

 また、優秀なハッカーの存在も、警察ドラマには欠かせない。

「ドラマに出てくる天才ハッカーは、企業の顧客リストを盗むのは朝飯前で、政府の極秘システムに潜入したり、低解像度の画像を超鮮明な画像に変えたりと、無敵の存在です。なんとなくカッコいいイメージがあるから、そういうポジションにされやすいんでしょう」(かなつさん)

 組織からシステムを盗む際の記録媒体はなぜかUSBで、コピーするまでに、ものすごく時間がかかるのもお約束だ。

 優秀なハッカーと並んで頻出なのが、「『いろいろと知っている隣人』が出てくる」(北海道・57歳・男性)。

「聞き込みに行くと、ドアからひょっこり顔をのぞかせて、『お隣は先週引っ越しましたよ』と言ってくる隣人も必ずいますね。『そういえば最近、お客さんがよく来てたみたいだけど』なんて詳細な情報までくれたり。話を一気に進められる便利な存在です」(かなつさん)

“不良”はいつも派手髪&派手な服

 学園ドラマのあるあるには、こんな意見が。「不良の髪の色が、緑やピンクなど、奇抜で派手」(福岡県・38歳・女性)、「ドラマの不良は、制服を変形させがち」(神奈川県・44歳・男性)など、不良はひと目でそれとわかるように、外見に特徴をつけられやすい。

「カラーのインナーや、アロハシャツを着ている率も高いですよね。今どきあんな不良がいるのか謎」(かなつさん)

 不良ではないが、昨今のドラマにアウトロー役として登場する俳優は、ほとんどが『LDH』所属だとかなつさんは指摘。

「『LDH』といえば、顔がやんちゃ系で、ガタイのいいイケメンが多くいる芸能事務所。アウトロー役にはもってこいなんでしょうね」

 ガタイがいいといえば、「鈴木亮平はドラマ内で1回は脱ぐ。昔はキムタクがよく脱いだけど」(愛知県・48歳・女性)という意見も。

 また、役者のあるあるでいうと、「藤原竜也が会社員役をするときは、必ずひと癖ある」(群馬県・39歳・女性)、「大泉洋はうるさい役しか演じない」(埼玉県・54歳・男性)という、役者のイメージに寄りすぎなドラマ作りへの指摘もあった。

「またこのパターンか」と、視聴者に思わせるドラマあるある。とはいえ、「あるあるは、ドラマの安心材料にもなる」と、かなつさん。

「動画配信サービスが多様化し、コンテンツが増えた今、地上波のドラマも視聴者の獲得に必死。どの年齢層が見ても楽しいと思えるドラマを作らなければなりません。そういう意味で、あるあるは便利。その先のストーリーを予測できるので、余計なストレスがかからず、気楽に視聴できるメリットはあると思います」

 うんざりすることも多いドラマあるあるだが、実は視聴者のために、“あえて”取り入れているのかもしれない!?

その他にもこんな意見が!

・「朝ドラ」あるあるで、主人公が子どものころに木に登り、おてんばをアピールする(長野県・59歳・女性)

・食卓、行きつけの飲み屋など、登場人物たちが集まる「場所」が必ず出てくる(東京都・48歳・女性)

・ミステリー要素が強いドラマでは、ミステリアスなイケメンはコンクリート打ちっぱなしの部屋に住みがち(栃木県・52歳・女性)

・オタクキャラはだいたいメガネをかけている(青森県・30歳・男性)

・病院のシーンで、屋上に車イスで行って、大事なことを話しがち(大分県・42歳・女性)

・親が海外出張や海外赴任などで、子どもだけで家に残っているところから話が始まる(秋田県・50歳・女性)

かなつ久美 漫画家。1990年に連載をスタートした『OLヴィジュアル系』が大ヒットし、過去2回のドラマ化を果たす。同作のその後を描いた『アラフィフヴィジュアル系』も電子書籍で発売中。趣味は美容と保護犬ボランティア

取材・文/中村未来

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