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“終活”開始のタモリ「抱かれたくない男」から昼の顔へ、好感度大逆転人生で貫く“美意識”

週刊女性PRIME / 2024年3月4日 6時0分

タモリ

 終活、という言葉がある。「就活」をもじるかたちで生まれた、人生の終わりに向けての準備を指す言葉だが、芸能人としてのそれを進めているように見えるのがタモリだ。

「美しすぎる引き際」

 昨春『タモリ倶楽部』(テレビ朝日系)が終了。『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)も月2回程度の放送にペースダウンする中『ブラタモリ』(NHK総合)のレギュラー放送が今年度で終了することが発表された。

 極端な人気低下は見受けられないことから、本人の意志によるところも大きいのだろう。それゆえ「美しすぎる引き際」などと評するメディアも。そこでは「老害」とは無縁の「いい年の取り方」だとして絶賛されていたりする。若いころ「嫌いな芸能人」や「抱かれたくない男」といったランキングのトップだったことを思えば、隔世の感だ。

 ではなぜ、今のタモリはこういう存在になっているのか。

 転機はやはり『笑っていいとも!』(フジテレビ系)だ。1982年のスタート時、彼の好感度はまだ低かったから、これはかなり意外な起用。筆者自身、ハナモゲラ語やイグアナのまねといったアングラで深夜枠っぽい芸風が苦手だった。

 しかし、もっと意外なのはそこから「昼の顔」に定着してしまったことだ。特に「世界にひろげよう友だちの輪ッ」がテーマのテレフォンショッキングで、両手を上げ「輪っか」を作るポーズを観客と一緒にとる姿には心底驚いた。

 というのも、彼の有名な生い立ちエピソードに幼稚園を拒否した話がある。見学に行ったところ、園児たちがお遊戯をやっていて、

「俺はああいうこと、絶対にやりたくない」

 と、親に宣言したという。老成とか個人主義といったものが根底にあり、文化人ウケするような「大人の夜遊び」が得意だった彼が、それこそ、何千万人が見る昼間の番組で連日、お遊戯みたいなことをやり始めたわけだ。おそらく自分でも芸人としての一大転機だととらえ、ちょっと頑張ってみたのだろう。

 ちなみに、フジテレビは当時、タモリ以外にも司会のオファーをしていたことを、そのひとりだったビートたけしが『いいとも』で明かしている。

「俺がやっていたら、3年で終わってたな」

 と笑いにしていたが、タモリは31年半もやったのだから、ものすごく頑張ったのかもしれない。

お笑いビッグ3の残る2人

 ただ、基本的には自分の美意識に反することはしたくない人だ。『いいとも』で好感度を獲得したあと、共演者がどんどん若くなっていくにつれ、彼はおじいちゃんキャラにシフトしていく。これは若作りのみっともなさを避けたかったのだろう。

 なにせ、幼稚園のお遊戯を拒否したくらいだから、老成のキャリアが長い。それゆえ、世間に愛される年寄り像をうまく体現できたのである。

 そんななか『ブラタモリ』は唯一、若い女子アナにウンチクを垂れる姿が楽しそうで、わりと我欲が出ていたように思う。そこで鍛えられ、成長していった女子アナも多いわけだが、なかには鼻につく人もいたらしい。

 とはいえ、彼はもともと鼻につく感じで世に出た芸人。『ブラタモリ』もなくなると、無難な晩年すぎるというか、もはやつまらないともいえる。

 老害とは、成功した年寄りに許されるご褒美のようなものなのだ。どうせ、今の若者はテレビを見ない。お笑いビッグ3の残る2人、ビートたけしや明石家さんまにはもっと暴れてほしいものである。

宝泉薫(ほうせん・かおる)アイドル、二次元、流行歌、ダイエットなど、さまざまなジャンルをテーマに執筆。著書に『平成「一発屋」見聞録』(言視舎)、『平成の死 追悼は生きる糧』(KKベストセラーズ)

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