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「来て本当によかった」皇室勢ぞろいの一般参賀、参加者が肌で感じた皇族方との“距離感”

週刊女性PRIME / 2024年3月7日 8時0分

佳子さま(28)

冷たい雨が降る厳しい寒さの中、誕生日にこのように来ていただき、皆さんから祝っていただくことを誠にありがたく思います。

 先月、発生した能登半島地震によって亡くなられた方々に改めて哀悼の意を表するとともに、ご遺族と被災された方々に心からお見舞いをお伝えいたします。

 この冬も大雪や厳しい寒さで苦労された方も多いことと思います。皆さん一人ひとりにとって穏やかな春となるよう祈っております。皆さんの健康と幸せを祈ります

天皇陛下、64歳の誕生日を祝う一般参賀

 2月23日、天皇陛下の64歳の誕生日を祝う一般参賀が皇居・宮殿で行われた。秋篠宮ご夫妻の次女、佳子さまは、両親と天皇陛下、皇后さまと両陛下の長女、愛子さまと一緒に午前中3回、宮殿・長和殿のベランダに立ち、集まった参賀者たちの祝意に手を振って応えた。

 天皇陛下を中心に、向かって右隣に皇后さま、その隣に愛子さまが並んだ。陛下の左隣には秋篠宮さまと紀子さまが並んで立ち、佳子さまは一番左の端に、鮮やかなブルーのローブモンタントと帽子姿で笑顔を見せた。陛下は、冒頭のように、能登半島地震の犠牲者の遺族や被災した人たちへのお見舞いなどを、マイクを通した張りのある声で述べた。

 私も、この参賀者の人波の中にいた。陛下の言葉どおり「冷たい雨が降る厳しい寒さの中」、私は長和殿の東庭に立ち直接、陛下の挨拶を聞き、佳子さまや天皇ご一家、秋篠宮ご夫妻の姿を目に焼きつけた。

 一般参賀の1回目は午前10時20分ごろから行われるが、熱心な皇室ファンらが多く、混雑が予想された。午前11時40分ごろに行われる最終回(3回目)になると、少しは人出が落ち着くであろうとの予測を立て、それに間に合うようにと都内の自宅を出発した。

 みぞれが降っていて、とにかく寒い。午前10時、地下鉄駅の改札で30代の知人男性と待ち合わせ、2人で参賀者たちの入り口となる皇居正門を目指す。最終回まで、1時間40分ほどの皇居前などでの滞在時間を覚悟した私は、ズボンの下にタイツを重ねてはき、長袖シャツを重ね着し、さらに、手袋、使い捨てカイロなど、雨と寒さ対策を万全にして臨んだ。地下鉄駅から地上に出たが人はまばらだ。もう少し進めば大勢の人で長い列ができているはずだと思いながら皇居前広場に向かったが、人が少ない。

 遠くに目をやると、皇居正門からその奥の二重橋(正門鉄橋)を参賀者たちがスムーズに流れている。逆に、警備関係者ばかりが目についた。まず、私はテント内で、不審物がないかどうか、ショルダーバッグを開けて、中身を確認された。次のテントの中では、女性の警備担当者からボディチェックを受けた。無事に終わり、私は知人と砂利道を踏みしめ、最後はゆるい坂を上り正門に到着した。正門石橋を渡り、伏見櫓を近くに見ながら二重橋を渡り、長和殿前に着いたのが午前10時15分ごろ。寒空の下で長時間、待たされることもなく、幸運だった反面、私はいささか拍子抜けした。

昨年の一般参賀は事前抽選の人数限定

 昨年の天皇誕生日の一般参賀は、新型コロナウイルスの感染対策のため事前抽選で人数を限定した。今回は4年ぶりとなる抽選なしでの開催だった。

 一般参賀の初回がすぐに始まった。天皇陛下たちが並ぶベランダ近くには大勢の人だかりで近づけない。結局、私たちは参賀者たちの後方で陛下の挨拶や佳子さまたちの様子を見届けることにした。

 会場にアナウンスがあり、陛下、皇后さまの順番で全員がベランダに姿を現すと、歓声が上がり、スマホで写真を撮る人が目立つ。ベランダまでの距離が遠い上、雨で視界が悪く、私は佳子さまたちの表情をしっかりと確認できなかった。

「立ち止まらないで、前にお進みください」。陛下たちが退出すると、参賀者たちも警備担当者に促され、広場を後にした。混雑している坂下門や大手門方面などを避け、私たちは皇居東御苑を経由して、平川門から帰ることにした。東御苑にある梅林坂の白梅、紅梅は見頃を迎えていた。雨に濡れ、花の色が一層、鮮やかに見えた。知人は「いいところですね」と、人混みから抜け出て、ホッとした表情でつぶやいた。

初めての一般参賀で一番感動したこと

 初めて一般参賀に訪れた彼は、「来て本当によかった」と、感想を述べた。天皇ご一家と秋篠宮ご夫妻や佳子さまを間近に見られたことに一番、感動したという。先ほど述べたように、それほど近くない場所から見たのだが、それでも知人は陛下たちにそろって会うことができ、さらに、陛下の肉声まで聞けてうれしかったと話した。想像していたよりも、陛下たちが並ぶベランダが低く、国民との距離が近いように感じたらしい。「宮殿は立派で、一般参賀の雰囲気もよかった」「やはり、現場に来ることは大事ですね。自分の目で見て、肌で感じることがとても重要です」

 このように知人は締めくくったが、私は皇族方と彼との心の距離が縮まったようで、それが何よりもうれしかった。宮殿ベランダの上と下という関係ではあるが、大勢の国民と佳子さまたちが同じ空間や時間を共有することの大切さを学んだ気がした。

 今年2月21日、誕生日を前にした記者会見で、愛子さまの海外留学の可能性などについて、記者たちから聞かれた陛下はこのような発言をしている。

「いずれ海外への訪問というものもあるのではないかというように思っております(略)。日本にいるといろんな情報がインターネットなどを通じてわかりますけれども、やはり外国に行って実際にその場所を見るということはやはり何物にも代え難いものがあるように思いますし、実際にその場所に行って、そこにいる方々とお話しをして、その国の社会や文化に接することによって、またさらに大きく成長していってもらいたいというように思っております」

「一般参賀が、どういう様子なのか。一度、体験してみたい」。佳子さまは、このように希望して2014年1月2日の新年一般参賀を国民に交じって訪れたと以前、この連載で紹介した。佳子さまもまた、実際にその場所に行き、大勢の人と直接、触れ合うことの大切さを知るひとりだ。今年も国内や海外で多くの場所を訪れることだろう。

 そうすることで佳子さまも陛下の言葉のとおり、「またさらに大きく成長していってもらいたい」と、私は願っている。

<文/江森敬治>

えもり・けいじ 1956年生まれ。1980年、毎日新聞社に入社。社会部宮内庁担当記者、編集委員などを経て退社後、現在はジャーナリスト。著書に『秋篠宮』(小学館)、『美智子さまの気品』(主婦と生活社)など

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