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「重大なケガ」「出場停止処分」大谷翔平、水原氏解雇で降りかかる“一発退場”のクライシス

週刊女性PRIME / 2024年3月25日 17時0分

大谷翔平

 3月20日、ついに大谷翔平の今シーズンの幕が開いた。しかし、韓国で迎えた“ドジャースデビュー”はあまりにも波乱に満ちていた。

水原氏の電撃解雇、発覚した巨額の借金

「3月15日に韓国入りした大谷選手は、移動の際に真美子夫人とのツーショットを初公開したことで話題になりました。熱烈な歓迎を受けた大谷選手は20日のパドレスとの開幕戦に出場すると、日本ハム時代の先輩でもあるダルビッシュ有選手からヒットを放つなど、2安打1打点1盗塁の活躍。ドジャースも勝利し、新天地でいいスタートを切りました」(スポーツ紙記者、以下同)

 ところがこの後、風雲急を告げる事態が起こった。

「大谷選手の通訳を務めていた水原一平氏が、違法なスポーツ賭博に関与していた疑惑をアメリカのメディアが報じると、ドジャースも水原氏との契約を解除したことを発表しました。アメリカでは、多くの州でスポーツ賭博が合法とされていますが、エンゼルスやドジャースが本拠地を置くカリフォルニア州では違法です

 通訳としてだけでなく、練習パートナーや運転手を務めるなど、献身的に大谷をサポートしてきた水原氏。そんな存在が、開幕戦を戦うためにアメリカからはるばるやってきた韓国で電撃解雇となった。

 さらに衝撃的だったのは、水原氏が負っていた借金の額とお金の出どころ。

「現地メディアによると、水原氏は2021年からサッカーの国際試合やアメフト、バスケの試合などを対象に賭けを行っていたそうですが、野球賭博に関しては否定しています。違法賭博では後払いでも受け付けており、少なくとも450万ドル(約6億8000万円)もの借金を背負ったそう。水原氏は30万~50万ドル(約4500万〜7500万円)と高額な年俸をもらっていたようですが、借金は支払い可能な額を超え、大谷選手名義の口座から元締めとされる人物へ支払われていたといわれています

 アメリカのスポーツ専門のテレビ局『ESPN』によると、水原氏は当初、大谷が借金を肩代わりしたと説明したが、大谷の代理人は“巨額の窃盗”と否定。すると、水原氏も“大谷は知らなかった”と発言を撤回した。

 水原氏は今後、どのような罰を受ける可能性があるのか。『弁護士法人・響』徳原聖雨弁護士に聞いた。

「水原氏が大谷選手の口座に関して、何ら権限を持たないにもかかわらず、何かしらの方法でアクセス・送金した場合には窃盗、権限をもともと持っており送金した場合には横領となります。窃盗の場合は、1000ドル(約15万円)以下の罰金または3年以下の収監。横領だとすると、1万ドル(約150万円)以下の罰金または3年以下の収監と定められています。被害額が多額の場合には、最長5年の刑期が加えられます。今回、金額がかなりの高額であることから、実刑となる可能性は十分にあります

大谷が処罰を受ける可能性は

 水原氏は違法な賭博を行っていたということだが、賭博に対する罪はどうなるのか。

「違法賭博に関する罪は、6か月以下の収監または100〜1000ドル(約1万5000〜15万円)の罰金が科される可能性があります。ただ、賭博については軽犯罪と捉えられているため、違法賭博について刑事罰に問われる可能性は微妙なところですが、刑事罰に問われた場合、窃盗や横領の刑事罰と合算される可能性があります」(徳原弁護士、以下同)

 大谷名義の口座から送金されていたが、大谷も罪に問われてしまうのだろうか。

大谷選手が罪に問われる可能性は低いかと思われますが、仮に大谷選手が違法な賭博の返済ということを知っていたとすると、違法なものを助長したかのようにみられます。その場合、大谷選手自身の評判にも影響し、MLBから何かしらの処罰を受ける可能性もあります

 メジャーリーグでは賭博に関して、どういった決まり事があるのだろうか。現地で取材をするスポーツライターの梅田香子さんに話を聞いた。

「メジャーリーグではスポーツ賭博について厳しい規則があります。選手や監督、コーチ、球団スタッフなどの関係者が野球に関することでの賭け事を禁止。子どもやアマチュアの試合を対象に賭けることもNGです。野球以外の競技に関しては合法な州であれば問題ありませんが、違法な賭博はもちろん処罰の対象になります。大谷選手もMLBが調査し、最終的にはコミッショナー(最高責任者)が規約に違反するか判断します

 日本ハム時代からの関係だった水原氏と離れる影響は少なからずありそうだ。

「水原さんのような人材は貴重でした。メジャーリーガーの通訳は拘束時間も長く、精神的に疲れてすぐやめてしまう人も多いです。また、水原さんは給料の面では恵まれていたようですが、それは長く続けたからであって、過去には年俸が2万ドルという人もおり、長続きしない職業です。そんな中、練習のサポートなども含めて、二人三脚で頑張ってきた優秀な人材を失うのは大谷選手にとって、とても痛いことですし、ショックだと思います。プレーに影響がないといいのですが……」(梅田さん)

 練習相手も務めていた水原氏がいなくなったことへの懸念点について、スポーツライターの小林信也さんはこう話す。

大谷選手の練習相手を水原さんが務めることで、コーチやトレーナーが口出しをしづらくなり、結果的に大谷選手が自分で考えたように練習ができるようにしていました。水原さんは野球に関しては素人ですが、長嶋茂雄さんも素人のアナウンサーを練習相手にすることもありました。技術的な口出しを素人はしないので、スーパースターはそういう人を練習相手に選ぶことがあります。ただ、これからは球団の考えが介入することになるでしょう。はたしてそれが大谷選手と相性がいいのか、という心配はあります

パフォーマンスに影響の可能性も

 開幕2試合の大谷の姿を見て、ある“違和感”があったという。

「打席での姿を見ていると硬さがありました。身体が自然に動くというより、“打ちたい”という意識が強く、心技体がそろっていないように見えました。そういうときに起こりがちなのがケガです。重大なケガをしないか心配です。

 また、成績に関しても活躍を期待しすぎるのはよくないでしょう。結婚した次のシーズンには成績を落としている一流選手も多いです。それに加えて、今回の水原さんの件もあったので、厳しいシーズンになるかもしれません」(小林さん、以下同)

 水原氏の賭博については、まだはっきりとわかっていない部分も多いが、大谷の最善の処し方は─。

「大谷選手自身が野球賭博をやっていなければ、永久追放にはなりません。水原さんの発言が翻り、事実が不透明です。問題は大谷選手自身が、返済に関与したか。関与したとすれば“出場停止”などの重い処罰もありえます。知らなかったのなら大谷選手の処罰はないでしょう。いずれにせよ、大谷選手自身に正直に話してほしいです

 突如、大谷に降りかかった“一発退場”の可能性。大谷の潔白が証明されて、変わらずグラウンドで活躍する姿を見続けたい。

徳原聖雨 弁護士
弁護士法人・響。消費者トラブルや借金・交通事故・離婚・労働問題・相続など民事事件から刑事事件まで幅広く手掛ける。RKB毎日放送『タダイマ!』にレギュラー出演するほか、ニュース・情報番組などテレビ・新聞・雑誌等メディア出演も多数。弁護士法人・響
梅田香子 スポーツライターとしてアメリカに在住し、大リーグを中心に取材活動を行う
小林信也 作家、スポーツライター。野球をはじめ、幅広い分野で取材、執筆活動をしている

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