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秋篠宮ご夫妻の記者会見で振り返る、幼い佳子さまが感じていたであろう“不安と葛藤”

週刊女性PRIME / 2024年4月8日 8時0分

ペルーから帰国後、報告のため昭和天皇陵と香淳皇后陵をご参拝(11月14日)

「下の娘についてですけれども、今、環境関係のことはおそらく学校でも授業などで話題になるんでしょう。夏にどうやって冷房を少なくして涼しく過ごせるかということを考えていたようで、宿根朝顔を窓の外にカーテンのようにはわせたいと言い始めて、それで一緒にしました。

 また、私は機械があまり得意でないんです。パソコンは、使ってはいるんですがあまりよく知らない機能がほとんどなんですけれども、ときどき部屋に来て、私の知らない機能を教えてくれたりすることがあります」

記者会見の場で明かす学校生活

 秋篠宮家の次女、佳子さまは、皇室の一員として天皇陛下を支える大切な役割を担うこととなる。彼女の成長過程は、国民の大きな関心事のひとつであり、秋篠宮ご夫妻は記者会見の場などで佳子さまたちの学校や家庭での生活などを明かしている。

 2005年11月22日、誕生日を前にした記者会見で、「佳子さまの最近のご様子、ご成長ぶりについて、具体的なエピソードを交えてお聞かせください」と質問された秋篠宮さまは、当時、学習院初等科5年生の佳子さまの近況などを冒頭のように紹介した。さらに、同席した紀子さまも次のように述べた。

次女の佳子は小学校の生活を大切にしつつ、スケートの練習に励んでおります。運動も好きですが、一方で静かに部屋で過ごす時間も増え、上の姉よりすすめられた本を楽しそうに読んでいる姿をよく見かけることがあります。

 また、短い時間の中でも布や毛糸などの身近な素材を使って人形や飾りを作ったり、お菓子を焼いたりしています。私も誘われることがたびたびありますが、このように創り出す喜びの心を持ち続けていることにうれしさを覚えます

「スケートの練習」とは、佳子さまが小学校2年生から始めたフィギュアスケートのことだ。習いたてのころは氷の上で転んだこともあったりしたらしいが、徐々に上達して楽しくなったようだ。

大自然を満喫した秋篠宮家

 '03年8月に佳子さまが家族と一緒に私的にタイを訪問したことはこの連載でも紹介したが、姉の小室眞子さんと共に、初めての海外旅行だった。翌'04年の夏、佳子さまは家族で東京大学の北海道演習林に3泊し、大自然を満喫した。

「山に登ったり、そのときに見かける高山植物やいろいろな樹木を覚える良い機会になったと思っております。とても楽しんでいたみたいね」(秋篠宮さま)、「とても良い思い出になりました」(紀子さま)と、両親も満足した様子だった。

 また'05年夏、秋篠宮ご一家は愛知県で開催された『こども環境サミット2005』と『愛・地球博』を訪れた。秋篠宮さまは、

「7月に『こども環境サミット』が愛知県で開催されまして、娘たち2人もお招きを受けて参加しました。出席する人たちの年齢が10歳から14歳で、娘たちとぴったり合うんですね。その会議に出席した人たちが非常に活発に話し合いをしているのを見ると自分の娘もそういう年代になったんだなということを感じました。そして、その行事のいくつかに一緒に参加して交流をする機会を持ったというのは2人にとって大変いい経験だったのではないかと思っております」

 と、先述の会見で振り返った。このように佳子さまは、充実した日々を送っていた。

9人連続の女性皇族

 佳子さまが学習院初等科に入学した年。'01年12月1日、天皇、皇后両陛下(当時は、皇太子ご夫妻)に長女、敬宮愛子さまが誕生する。両陛下にとって待望の長子だった。国民も盛大に祝福した一方で、秋篠宮さまの妹である黒田清子さんが1969年4月18日に誕生して以来、9人連続の女性皇族であることが、皇位の安定的な継承に不安を残した。

 国民の間で、秋篠宮ご夫妻にも男子誕生を願う声が高まる一方、この状況を踏まえ政府は、皇位継承者を「男系男子」に限るとする現行の皇室典範を見直すための準備作業などに取りかかった。記者会見は、秋篠宮さまの考えを直接、本人に確かめることができる貴重な機会である。

 '02年11月の誕生日会見で、記者たちから「答えづらいというところもあると思いますけれども(略)、3人目のお子さまの話を、もし可能であれば」と尋ねられた秋篠宮さまは次のように答えた。

「非常に答えづらい事柄ですけれども、確かに子どもたちが妹なり弟なりがいて、何かその世話をしてあげたいという気持ちがあるような印象があります。どうですか?」

 と隣に座る紀子さまに問いかけつつ、

「今後のことはまた相談をしながらということでしょうか」

 と述べるにとどまった。翌'03年11月にも「3人目のお子さまについてのお考えをぜひ、お聞かせください」などと繰り返し聞かれたが、答えは「3人目の子どもについては去年と同じ状況で、新たにお話しすることは今のところありません」と素っ気ないものだった。

 '05年11月の会見では「現在、皇室典範の改正をめぐる議論が進んでおり、眞子さま、佳子さまも将来、皇族のお立場が続く可能性もあります。そうしたことも踏まえ、お2人のお子様の教育方針についてもお聞かせください」と、記者たちから尋ねられた。秋篠宮さまは、「今、皇室典範の論議がなされておりますが、娘たちには、もちろん今の自分たちの立場を自覚してもらうことは大事なことだと思っておりますけれども、基本的には今までお話ししてきたようにそれぞれの個性や関心事を伸ばしていってくれたらいいと思います」とのみ答えるにとどめた。

 1人の小学生の女子であると同時に、内親王という公的な立場にもある佳子さまは、政府や政治の思惑の中で揺れ続けた。佳子さまは自分の将来が、大人たちによって、自分の手の届かないところで決められてしまうのではないかという不安を小さいながら感じていたのではなかろうか。彼女のこうした葛藤は、弟の悠仁さまが生まれたことで、ひとつの大きな区切りを迎えることになる。

<文/江森敬治>

えもり・けいじ 1956年生まれ。1980年、毎日新聞社に入社。社会部宮内庁担当記者、編集委員などを経て退社後、現在はジャーナリスト。著書に『秋篠宮』(小学館)、『美智子さまの気品』(主婦と生活社)など

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