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「動物を道具扱い」保護犬を“虐待”と炎上の『坂上どうぶつ王国』専門家は「予想できたはず」

週刊女性PRIME / 2024年4月19日 17時0分

『坂上どうぶつ王国』MCの坂上忍。2匹の犬の映像を笑いながら見ていたが、“飼い主”としての自覚に疑問符が……

 それはまるで転校生が、もともといた生徒に暴力を含めた“いじめ”を受けているような映像だった。4月5日放送の『坂上どうぶつ王国』(フジテレビ系)だ。

「動物保護ハウス『さかがみ家』に新しい犬を受け入れる模様を伝えました。しかし新入りの犬と先住犬の間でトラブルが発生し、放送中から炎上する事態に」(テレビ誌ライター)

 新たに保護された犬『レオ』と先住犬『ギン太郎』。ギン太郎がレオを敵対視している様子がみられたものの、2匹は同じエリアのドッグランに放される。ギン太郎はレオを追い回して襲いかかり、馬乗りのような状態になって噛む、噛まれたレオは鳴き叫ぶような声を上げている……。

批判が殺到

《犬が噛まれてるのになぜ笑えるんですか?面白かったですか?》

《保護を掲げている番組とは思えない》

 番組のSNSには放送中から批判のコメントが相次いだ。番組内容に専門家の見解は──。

「おっとりしたレオくんをギン太郎くんと同じドッグランに放つと、ギン太郎くんがレオくんを襲うことは、初めから予想できたと思います。思わぬ行動ではないはずです。散歩中にレオくんはギン太郎くんのことを避けていましたから」

 そう話すのは、獣医師の石井万寿美氏(まねき猫ホスピタル院長)。

散歩の場面で、ギン太郎くんがレオくんに近づくとレオくんはしっぽを下げて嫌がっている動作をしています。人が間にいて、ある程度レオくんとギン太郎くんの距離があると、しっぽを上げて散歩しています。散歩の後半では、レオくんがギン太郎くんを嫌がっている様子がわかります」(石井院長)

「事件」を求める番組作り

 また、動物保護団体『PEACE』の東さちこ代表も映像を見て以下のように感じたという。

 「ドッグラン内の離れた場所だから大丈夫だろうと思ったのかもしれませんが、シェルター内でも先住犬のほうから吠えに行っていましたし、同時に外に出さない配慮をするべきだったかと思います。おそらく無理な頭数を抱えないようにしているだろうと感じますし、できないことではなかったはずです。先住犬のほうにトレーナーを付けたほうがいいと感じましたが、トレーナーはいないのでしょうか……。

 視聴者は、飼い主に飼育放棄された穏やかな性格の犬が心乱されることなく生活していってほしいと願っていたところにこのシーンだったので、ショックは大きかったと思います。なぜ放送したのかな? と思いましたが、“バトル勃発!”のような煽りが使われていたので、やはりテレビはネタにできる事件が起きないとダメなのかなと、正直、感じてしまいました

 素人目にも散歩の時点で「ヤバい」ことが伝わる映像。世話をしているスタッフならなおのことのはず……。

「犬は、群れ社会の動物なので、どうしても縦の関係に優位に立ちたいと思っています。『さかがみ家』の犬のボスは誰なのかわかりませんが、先住犬のギン太郎くんは、レオくんより優位に立ちたいので襲いかかったのです」(前出・石井院長、以下同)

 今後はどう対応すべきか。

「レオくんは、高齢の飼い主と穏やかに暮らしていたようなので、犬の群れ社会で暮らすのは、あまり向いていないように思います。『さかがみ家』の力で、シニアの柴犬でも飼ってくれる人を探すことがレオくんにとって一番いいのではと思いました。なかなか里親を見つけることができない場合は、1匹で好きにさせてあげるのがいいように思います。たくさんの犬と仲良くすることが理想ですが、シニアの柴犬であることや、今まで飼われていた経歴を考えるとそれがよいのではないでしょうか」

「動物虐待」とたびたび炎上のフジテレビ

 番組では“やんちゃ”だと伝えられ、スタッフにも噛みついていたギン太郎。

「もしギン太郎くんが去勢手術をしていないのではあれば、去勢手術をしてあげるといいです。そして10歳ですがエネルギーがある犬なので、他の犬より散歩の時間を長くして、ストレスのないようにしてあげるとこのようなことは減ると思います。それでも難しい場合は、抗不安などのサプリメントや薬をあげるのもひとつの方法でしょう」

●「ドッキリでサルをタレントに飛びかからせる」(『ドッキリGP』)
●「九官鳥をホストクラブに放置」(『ほっといたらこうなった』)
●「サルの首に釣り糸を付けてタカと対決」(『ほこ×たて』。“ヤラセ”も発覚し、後に打ち切り)

 上記の例のように、これまでも動物虐待だと批判され、炎上することがたびたびあったフジテレビ。他局も含めてではあるが、テレビ的な“面白さ”に動物が犠牲になることは少なくない。

テレビ番組は、動物を笑いや話題づくりのための道具として使っていると感じます。最近、やっと保護犬や保護猫など、社会問題をめぐる話題も取り上げられてきて時代が変わってきたことを感じますが、おかしな企画はまだ多いです。テレビ局には、動物にも感情や苦痛を感じる能力があることをわかってほしいですし、動物について間違った知識や印象を持たせる扱い方もやめてほしいです。

 撮影の裏には動物を貸す業者の存在があり、日頃どのような飼い方をされているかわからないという問題もあります。娯楽のために動物にストレスや恐怖を与えたくないと考える人は増えてきていますから、今後ますますそうした番組は批判を受けるはずです」(前出・『PEACE』東代表)

『さかがみ家』は、人間の身勝手な振る舞いの結果、保護された犬が多い。ギン太郎も捨て犬だ。行き場をなくし、殺処分となる犬が絶えない中、そのような犬を保護する活動自体は素晴らしいことのはず。しかし、そこでまた不幸な状況が繰り返されるようであっては……。

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