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「映画でしか知らない世界」「泣いてしまいそう」 普段はバスでしか通れない黒部ダム関電トンネルの「破砕帯」歩けるツアー、参加者募集中

Jタウンネット / 2024年5月13日 11時0分

関電トンネル破砕帯見学ツアー(画像提供:長野県大町市役所 地域振興部観光文化課)

2024年も、普段は眺めるだけの「あの場所」を歩ける季節がやってくる。

5月8日、「黒部ダム観光情報」というXアカウントが投稿したこんな告知が、注目を集めた。

「黒部ダム建設工事において最も困難を極めた関電トンネル内の破砕帯区間(約80メートル)を歩いて見学するツアー」の参加者を募集しているのである。

関西電力の公式サイトによると、「関電トンネル」は黒部ダムの建設に伴う資材輸送のために作られた、アルプスの山の中腹を貫通するトンネル。標高1400メートルの扇沢(長野県大町市)からダムまでの5.4キロを繋いでいる。

関電トンネル破砕帯見学ツアー(画像提供:長野県大町市役所 地域振興部観光文化課)

このトンネルを作る工事の際に遭遇してしまったのが「破砕帯」と呼ばれる軟弱な地層だ。最大毎秒660リットルもの地下水と大量の土砂が噴き出したことで、工事は停滞。たった80メートルの距離なのに、突破するのには7か月もかかったそうだ。

いつもならバスの窓から眺めるだけのそんな場所を、自分の足で歩くことができるという。

「現在も湧き出る冷たい水に触れて、建設当時の過酷な状況を体感してみませんか?」というお誘いに、思わずギュッと心をつかまれてしまった読者もいるかもしれない。

話題の投稿にも、3600件を超える「いいね」(10日昼時点)のほか、こんな声が寄せられている。

「破砕帯か......映画『黒部の太陽』思い出しますね」
「黒部の太陽でしか知らない本当の世界ですよね」
「一度歩いてみたいと思って居ましたので、機会があったら参加してみたいですね」
「ここを歩いたら『どんなに大変だったのだろう』と思い泣いてしまいそう」

想像するだけで、ついウルウルしてしまいそうな人、続出のようだ。

この「関電トンネル破砕帯見学ツアー」とは、どんなものなのか。Jタウンネット記者は大野市役所に詳しい話を聞いた。

摂氏4度の水温を体感できる

Jタウンネット記者の取材に応じたのは、大町市役所の地域振興部観光文化課だった。「関電トンネル破砕帯見学ツアー」は11年前の黒部ダム50周年から開催されていると説明する。

「このツアーは、通常降り立つことができない破砕帯を歩いて見学、冷たい風や破砕帯の水を体感する特別ツアーです。見どころは、営業時間外に特別バスを運行し、破砕帯付近で降車することです」(大町市観光文化課担当者)

関電トンネル破砕帯見学ツアー(画像提供:長野県大町市役所 地域振興部観光文化課)

素掘りの工事跡「ケミカルトンネル」で事前学習を行った後、電気バスに乗って関電トンネル内の破砕帯まで移動。関電トンネル内の破砕帯(約80メートル)を歩いて見学する。

今でも点検口を開けると破砕帯の湧水が流れているので、摂氏4度の水温を体感できるという。

関電トンネル破砕帯見学ツアー(画像提供:長野県大町市役所 地域振興部観光文化課)

トンネル内の撮影は可能なのか? と聞くと、「当選した方のみ特別行くことができる場所です。ぜひ撮影をしていただきたいと思います」と担当者は答えた。

貴重なシャッターチャンスがたくさんありそうだ。腕に自信のある人は、破砕帯写真に挑戦してはいかがだろう。

「関電トンネル破砕帯見学ツアー」は計5回

今年の「関電トンネル破砕帯見学ツアー」は計5回。初回、6月15日の応募はすでに始まっており、15日の午前11時59分が締め切りだ。

以降も7月6日、7月25日、8月22日、9月7日に実施され、それぞれ受付期間が告知されている。

参加希望者はタイミングを逃さないようにしよう。各回60人が定員で、応募多数の場合は抽選となる。

関電トンネル破砕帯見学ツアー(画像提供:長野県大町市役所 地域振興部観光文化課)

そして当選した場合は、当日の準備もしておこう。

関電トンネル内は夏でも気温は10度前後なので、充分な防寒対策をして、かつ動きやすい服装(ズボン・滑りにくい履物)がのぞましいという。登山やトレッキングができるような装備であればまず安心かもしれない。

関電トンネル破砕帯見学ツアー(画像提供:長野県大町市役所 地域振興部観光文化課)

ちなみに、2023年は黒部ダム竣工60周年の節目だったが、24年も「関電トンネルトロリーバス」(※関電トンネル電気バスの前身)が、運行を開始してから60年目。

破砕帯見学ツアー以外にも、公募・抽選制ツアー・イベントなど、各種開催予定だ。

「絶景の連続『立山黒部アルペンルート』『黒部ダム』を訪れていただきたいです」(大町市観光文化課担当者)

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