【高校野球神奈川大会】横浜創学館 女子マネジャー、兄の思い背負い 憧れのハマスタでナイン後押し

選手に声をかける横浜創学館高の山岸記録員＝横浜市中区の横浜スタジアム

　20日に横浜スタジアムで行われた高校野球の全国選手権記念神奈川大会。準々決勝で敗れた横浜創学館高のマネジャー・山岸京美さん（3年）は、2年前に準優勝した元エースの兄・翠さん（関東学院大2年）の思いも背負い、ベンチからナインを後押しした。兄に誘われ高校野球の世界に飛び込んだ3年間に「結果は悔しいけど、ここでマネジャーができてよかった」と感謝した。

　自身20度目となった公式戦記録員のベンチ入りは、憧れのハマスタだった。今春の選抜大会出場校・慶応高との一戦はワンサイドゲームとなったが、山岸さんは「笑顔が素敵な代。だから『笑って、楽しんで』」と試合前のナインに言葉を送ったという。

　この日、持ち込んだリュックサックや練習着、帽子など道具一式は兄から譲り受けたものだ。「優勝できなかった兄の思いがこもった感じ」。兄が出場した2021年夏の決勝は東京五輪と重なり、サーティーフォー保土ケ谷球場だった。

　スタンドで娘の勇姿を見守った母・恵さん（45）は「ずっと『ハマスタに行きたい』と言っていたので、かなってよかった」と喜びもひとしおだ。

　小学校時代から白球を追った兄に対し、妹は中学まで器械体操に励んだ。だが、3年時に腰のけがで競技を離れ「何も目的がなくなってしまったけど、高校野球を教えてくれたのは兄だった」と山岸さん。応援の時に趣味で記録していたスコアがきっかけとなり、マネジャーを志したという。