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悠仁親王を狙った「ナイフ脅迫」 事件解決で注目された『防犯カメラ・システム』に絶賛する新聞への警戒感

TABLO / 2019年5月4日 13時14分

平成の御代から令和へと代替わりする直前に起きた、将来の天皇が予定されている悠仁親王を狙ったと思われる「ナイフ脅迫」。

皇室、学校関係者はもちろん、多くの日本国民をも慄然とさせたのは言うまでもない。容疑者とみられる自称・Hと名乗る男性は4月29日、警視庁大塚署に建造物侵入の疑いで逮捕されたが、今後の取り調べとともに背景も詳らかになってくると思われる。男性は「天皇制への不満」を口にしているという。

本来、犯人がどのような人物かもわからない状況では、世論もこれと言った論評を下せないはずだが、それでもいくつかの“動き”は見られる。まず、ネット空間でみられるのが、犯人の国籍関係だ。

ネトウヨ層などによる特定の国名をあげての憶測は論外としても、まとめ系のサイトやニュース風のコラムでも、ことさら「国籍は?」「国籍はまだ不明」などのように、“国籍”にユーザーの意識を向かせるような書き方が目に付く。ひと昔前には見られなかったことだが、最近のヘイトネタをあげれば話題になる、という風潮をあらわしているのだろうか。

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そんななか、筆者が注目したいのは、SSBCというワードだ。


これは、2009年に警視庁が新設した捜査支援分析センターの略であり、防犯カメラを統括的に追跡するなどの電子化部隊である。かつてはプライバシー問題があるとして、少なからずの人が違和感を覚えていた街中の防犯カメラ(監視カメラ)だが、海外のテロ犯罪や警察庁の啓蒙などもあり、あっと言う間に日本国中に網羅された。

今回の事件でも、逮捕の決め手となったのは防犯カメラの追跡であり、SSBCによる捜査であった。それだけに、かつてはプライバシーの問題云々を口にしていたマスコミも、SSBCの「効果」を際立たせるような報道が顕著である。

例をあげれば、4月29日のAERAdot.の「悠仁さまの中学に侵入した56歳の男を逮捕 警視庁SSBC部隊は追跡」や、同じく29日、テレビ朝日の「防カメに“不審者”…操作のカギ握るSSBCとは」などの見出し記事だ。ここら辺の機を見た太鼓の打ち方は、いかにも記者クラブ的というか、かつて大本営発表を喧伝した朝日新聞系の本領発揮という感もある。

参考記事:「そうだ金を盗もう」 勤務先の金庫から盗んだ2400万円を持って2年間逃亡した男の末路とは… | TABLO 

いずれにしても、今後、ネットを含めてSSBCを是とする話題が氾濫すると思われる。無論、犯罪捜査への寄与を否定する気はないが、その一方で凶悪犯罪自体の件数は減少しつつあるという現実、プライバシー保護、そして記者クラブを中心とした大手マスコミの警察ちょうちん持ち……それらへの警戒を怠らないことも必要ではないだろうか。(文◎鈴木光司)

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