室井佑月さんに聞くネット言論とヘイトとフェイク 「Twitterを始めて分かったこと」(後編)
TABLO / 2019年6月16日 11時55分
作家・コメンテーター室井佑月さんに、ツイッターを通して今のネット・政治・原発について語って頂きいているインタビューの後編です(編集部)
『左』からも感じる女性蔑視
室井さん:私、いろんな人から「たいへんでしょ」って言われるんだけど、小金持ってるくせに社会に関心なくて『LEON』とかが愛読書のオヤジたちよりは、ぜんぜん合う気がする(笑)。
――そっちよりは全然いい(笑)。
室井さん:どう思う?
――昔、ジャーナリストの安田浩一さんがネトウヨの人と会ったんですけどそれを配信していて。
室井さん:ヨーゲンでしょ?
――そうそう、よく知ってますね。
室井さん:知ってる知ってる。安田浩一さんの本は『ネットと愛国』がすごい面白かった。私の武器の一つは、私は本気で新聞とか本とか読まないバカだと思われてて、そこなのかもね。はじめからハードル高くないから。でも、それは欠点でもあるわけよ。
私のこと攻撃してくる人だけじゃなくて、いまだに男の人に「女を武器にしてきた室井さんは」って言われるから。それは別にネトウヨ的な人だけじゃなくて、左のオヤジとかにもすごく感じることがあって。
――マウンティングみたいな?
室井さん:ビックリしちゃうけど。だってあたしのほうがデビューも早くて、本だってたくさん出しているんだよ。けど、驚くというより、バカだなって思う。あたしを味方にしておいたほうが得なのになって。自滅すんなら早いうちに、と思うだけ。
「Twitterやって分かったこと。皆、それほど悪い人じゃない」
――室井さんは脅迫された事はないですか?
室井さん:あるよ。デビューした頃、カミソリ送られてくる率が異常に高かったらしいよ。
――ネトウヨとかヘイトみたいな人が顕在化したのって、10年ぐらい前だと思うんですが。
室井さん:それはテレビ局に意外とすごくて、西部邁さんに相談してたもん。「あの女辞めさせろ」っていうのが多くて、街宣来るんじゃないかぐらいのときがあった。
――差別する人って、すぐ国籍がどうのこうの言ってきますよね。
室井さん:うん、あたしは日本人じゃないらしいよ。調べればいいのにって思うから、そう言った。
――ツイッター始めて1ヶ月経ってるけどぜんぜんブレないんですね。
室井さん:だって私、ダブルスタンダードとか嘘つきとかコロコロ意見替えるとかネットで書かれてるけど、私が意見替えたことって(高橋)源一郎(元夫)のこと好きだったのに嫌いになったことだけじゃん(笑)。
――Twitterに面白さはあります?
室井さん:いま面白くて。息子に「ツイ廃」って言われてるの。ただすごい忙しくて、仕事から帰るじゃん、だいたい朝8時に起きて、そこから5時ぐらいまでは資料読みとかさ、原稿もいま月15本ぐらいあるし、テレビがない日はずっと書いてたりするじゃん。書いていない日は資料読みじゃん。話題になってる新刊は読まないといけないと思うし、送られてくる尊敬してる人の本も読まなきゃいけないし、そう考えると無駄な時間ってないのかっていうと、意外といっぱいあって。Twitterやり始めたおかげでネットでつまんないもの買うのとかやめた(笑)
――めちゃバランス取れたツイートしてると思いますけどね。初めはみんな信用してなかったですから。「ホントに室井さんですか?」みたいな。
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室井さん:キッチュさん(松尾貴史)からすぐ電話来た。「ホントに室井さん?」って。
――Twitterやって分かってきたこととかありますか?
室井さん:皆、そんな悪い人たちじゃないかもしれないってことを、あたしが信じたいと思ってること。
――もしかしたら趣味が同じだったり、世の中のことを考えてたり。
室井さん:そう。それは私も分かりたいと思うし、向こうもいい加減に分かってくれよと思うことはある。ただ情報って世の中にピンからキリまで溢れてるじゃん。そのときにどの情報を選ぶかってその人の思想によって違っちゃうだろうと思うし、だから考え方も違っちゃうと思うし。だけどその前に情報なんていらないと思ってる人よりは、あなたの信じる情報は嘘のクズですって、まだ話ができるって思うけど、どうかな?
――誰かツイートを追って面白いなって人います?
室井さん:意外と仲いいところと戯れちゃうと、その人が失言しちゃったときに私は責任を負えないからって思う。でもTwitterは私は楽しくなくなったらやめるかも。誰から命令されたわけじゃないし、いまやりたいことがあってやってるだけだから。
――きっかけは告知っていう。僕もそうですけど。
室井さん:ねぇ、久ちゃん、もう一件いこっか? いいでしょ?
――どこにでも行きます。マザー牧場にも行ったし。(聞き手◎久田将義)
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