安全より話題性? ミニスカ騒動で浮き彫りになったスカイマークの苦境
TABLO / 2014年3月22日 13時33分
「またスカイマークか」
ある航空業界関係者は、新興航空会社のスカイマークが女性客室業務員に膝上約15センチの超ミニスカートの制服を採用するというニュースを見て呆れ気味に呟いた。
新機種「エアバスA330」の導入に合わせたキャンペーンで、同機種が飛ぶ3路線で半年間に限って希望する客室業務員が着用するという触れ込みだが、このニュースが伝えられると航空業界関係者などから「客室業務員はあくまでも『保安要員』という役割があり、あんなミニスカ姿では業務に集中できない」と総スカンを食らった。
ちなみに、客室乗務員らで構成する客室乗務員連絡会が発表したこの問題に関する見解書は「この制服が『集客につながる』と宣伝すること自体、女性を商品として扱うことであり、『安全第一』を使命(航空法第1条)とする航空会社としての見識を疑わざるを得ません」とスカイマークのキャンペーンを真っ向から否定する辛辣な内容だ。
この問題を起こした張本人であるスカイマークは、航空業界関係者にとって"札付き"の存在だ。2010年には飛行中の操縦室内で副操縦士がデジカメを使って記念撮影をするなどのスキャンダルが発覚し、国土交通省から業務改善勧告を受けた。その際には、客室乗務員の英語力が不十分だったためパイロットとの意思疎通に支障があり、操縦室の外国人機長がインターホンで客室を呼び出しても受話器を取ろうとしなかったといったケースも判明。2012年には機内の座席ポケットに「機内での苦情は一切受け付けません」などとした文書を備え付け、客室業務員は荷物の収納の手助けなどを行わないと"表明"して消費者庁から文書の回収を求めるという騒動を起こしている。
新興航空会社とあって資金力が十分でないスカイマークは、業界の常識を越える経費削減や話題作りによって生き残ってきている。ただ、最近は「LCC」と呼ばれる格安航空会社がスカイマークを下回る運賃を実現するなど苦しい戦いを強いられており、今回の"ミニスカ騒動"も苦境打開のための話題作りの一環と見て間違いなさそうだ。
なお、MSN産経ニュースの記事によると、2013年3月には飛行中のスカイマーク機内で20代の女性の太ももをなで回したという70歳の男が逮捕されている。特定が難しい飛行中の機内の痴漢事件は立件が困難と指摘されていたが逮捕の事例もあるようなので、スカイマークのミニスカ女性客室乗務員を見ても、変な気を起こさないように気を付けた方がいいだろう。
Written by 阿部野武史
Photo by Virgin Media Group
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