台湾の学生による立法院占拠、首相と初対面も交渉決裂
TABLO / 2014年3月24日 12時0分
台湾で起きている学生を中心とした立法院での座り込み(立て篭もり) だが、18日の発生から5日目に突入した。
立て籠もっている学生らは馬総統との面会や、協定の取り消しなどを求めているが、台湾政府は「立法府を占拠した状態での面会など応じられない」とこれを拒否。
◇総統府、「議場占拠の形での面会要求には応じず」(台北 22日 中央社)
http://japan.cna.com.tw/news/apol/201403220004.aspx
中国大陸との「サービス貿易取り決め」に反対する学生らが国会の議場を占拠して馬英九総統との面会などを要求していることについて総統府は22日、そのような求め方は「受け入れられない」としている。
総統府では、同取り決めの関連情報は公開的で透明性のあるものだとし、国民の不安解消のために行政部門も馬総統も産業界や市民団体との面会に喜んで応じるが、議場に抗議の居座りを続けながら面会を求めるようなやり方は受け入れることができないと強調した。
◇
その一方で江宜樺行政院長(日本でいうところの首相) との初対面は実現し、事態の進展が期待されたが、こちらもお互いに譲らず交渉決裂。 振り出しに戻る形となってしまった。
◇
江行政院長、国会占拠の学生らと初対面も溝は埋まらず(台北 22日 中央社)
http://japan.cna.com.tw/news/apol/201403220005.aspx
江宜樺行政院長(首相)は22日午後、立法院(国会)で座り込み抗議の学生らと初めて対面したが、中国大陸との「サービス貿易取り決め」をめぐる立場の隔たりは埋まらず、論議は平行線のまま終了した。
学生らは取り決めの承認を急ぐ与党・国民党に反発し、立法院の議場を占拠するなどして取り決めの撤回や馬英九総統との直接対話を求めている。一方、江行政院長は「経済の自由化にプラスになる。撤回のつもりはない」と従来の姿勢を崩さなかった。
◇
前回の記事でもお伝えしたように、2012年の台湾総統選は親中派の馬総統と、独立派の2位候補との差が6%という僅差で決着したことで、台湾国民の心情が「台湾はひとつの中国に組み込まれるべき」「中国との距離を保ちながら独立の度合いを強めるべき」といった点で2つに分かれていることが如実に表れてしまった。
こうした背景があっての今回の騒動なので、政府側も (立法院の周辺に放水車を用意しているといった情報はあるものの) 強攻な態度には出られないようだ。
また、学生らを支援する団体や著名人も多く、アイドルや歌手が公に応援メッセージを公開したり、立法院の内部の様子をネットで動画配信するなど、万が一の非人道的な強権発動を防ぐ手段が講じられている。
ちなみに台湾立法院内の様子はニコニコ生放送でも生中継され、視聴者数はのべ200万人に到達しようかという勢いだ。(3月23日現在)
◇ 台湾立法院(国会)を学生らが占拠 生中継
http://live.nicovideo.jp/watch/lv173117558
今回の騒動は学生らが口火を切った点は間違いないが、医師や弁護士といった専門職、さらに協定によって打撃を受けるであろう中小企業も賛同しており、一概に 「学生らが」 とも言えない状況になっている。
これまでの経緯や協定の不平等さを簡潔にまとめた日本へ向けたスライドがあるので、ぜひ目を通していただきたい。
◇今回の国会議場占拠事件について ~「服貿」をめぐる争い及び社会運動~
http://www.slideshare.net/noexcuse/ss-32581194
Written by 荒井禎雄
[Frameチャンネル]http://ch.nicovideo.jp/frame
新宿歌舞伎町のBAR『Frame』で夜ごと繰り広げられるアングラ&フェティッシュワールドを、ニコニコユーザーの皆様に覗き見して頂くチャンネル。『東京ブレイキングニュース』の執筆陣(草下シンヤ・荒井禎雄)らによる 「勝手に公開編集会議」 を放送しています。記事に対するご意見ご要望などありましたら、ぜひご参加ください。
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