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トヨタ女性役員が密輸で逮捕「オキシコドン」とはどんな薬物なのか

TABLO / 2015年7月6日 18時30分

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 トヨタ自動車の女性役員ジェリー・ハンプ容疑者(55)が麻薬「オキシコドン」密輸の疑いで麻薬取締法違反で6月18日に逮捕された。ここで注目されたのは世界に誇る大企業役員が密輸した「オキシコドン」と言う薬物の名前だ。ハンプ容疑者の人となりは他メディアで報道されているので、ここではオキシコドンを含む、規制薬物の現状をリポートする。

●アメリカでは医師の処方箋があれば薬局で入手可能

 このオキシコドンはアメリカでは簡単に入手出来る代物だ。日本でもごく稀に輸入を代行するアングラ業者で見かける事はあるが、その数は少ない。アメリカでは医師の処方箋があれば薬局で求める事が出来るが、この処方箋を持たずに、この薬だけを持っていれば即時逮捕という危険なドラッグである。売人はそのリスクを避ける為にアメリカではこの薬を売買する際に、医師の白紙の処方箋を渡す、と言う取引方法があるほどだ。オキシコドンは主に痛み止めなどに使われるが、成分にアヘンが含まれており、依存性が高い薬とランク付けされている。また、それを和らげるサプリメントも売られているほどだ。

 一番有名な鎮痛剤としては、モルヒネが代表的に上げられるが、オキシコドンはモルヒネより弱く、吐き気などの副作用が無いために、ヘロイン、コカイン等に変わる違法薬物として重宝されているのだ。モルヒネ等を入手出来る売人に聞いたとこ、モルヒネは数日待てば入手出来るが、オキシコドンは入手不可能と言う答えであった。ある自称専門家がオキシコドンは「多幸感」を持ち、モルヒネより効果が高い、とコメントをしていたが、実際の効果は薄いと言われている。

 では、その「多幸感」とは何なのか? 多幸感とは非常に強い幸福感、超越的満足感と説明されている。危険ドラッグなどの売買の際に良く見かけた宣伝文句であるが、一言で言うと「多幸感」とは意味不明な行動を取り、一時的にでも意識が飛んでしまう事だ。それは今までの危険ドラッグに関わる事件を見てもらえれば納得だろう。

 今回問題になったオキシコドンだが、日本国内には同様の薬物は存在しないのだろうか。答えは「存在する」のである。例えば一般的にかなり痛みを伴う腹痛などを訴えれば、モルヒネ注射を打ってくれる医者もいる。少し前には繁華街の薬局の横に咳止め薬の空箱が落ちていた光景を見た人もいるだろう。その薬には当時覚せい剤の原料であるエフェドリンが含まれていたからだ。今でもその成分が含まれている薬品はある。

 今でもすぐに処方されるのが、ダウン系の成分が入っている咳止め薬である。アヘン成分が少量含まれている為に、長く飲み続けると軽い中毒症状が出る。なかには有名な咳止め薬もある。これは大量に飲むと幻覚症状が現れるが、それには数種類あり、一番危険な薬は取り扱いが非常に少ない。繁華街には怪しい医者が沢山いる。例えば鎮痛剤の「ソセゴン注射」と呼ばれる注射をすぐに打ってくれる医者もいる。これも人によって効果は違うが、オキシコドン同様の効果が出る人もいる。

 ハンプ容疑者の逮捕は輸入量が少なく、個人輸入として当局から認定され、内偵も行わずに逮捕に至っている。だが、逮捕はトヨタ自動車の株主総会後である。企業関係の逮捕、ガサ入れは休日、つまり株価に影響の無い日に行われる事が多い。これは取締り当局と企業の持ちつ持たれつの関係があるからであろう。本人は今でも否認を貫いているらしいので、保釈される日は遠いと思われる。

Written by 西郷正興

Photo by wikipediaより

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