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新生Kー1の申し子から格闘技の申し子へ 若き孤高の格闘家・平本蓮 RIZIN26大晦日に出陣 (インタビュー前編)

TABLO / 2020年12月22日 10時30分

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今、RIZINフェザー級戦線が熱い―ー。

大晦日に開催されるRIZIN26。そこに新たな格闘家が挑みます。平本蓮。22歳。「新生K-1の申し子」と言われ、高校生でキック界デビュー。その後の活躍は目を見張るばかりでした。天才とも称された立ち技の強者。その、歯に衣を着せぬ発言は、格闘技ファンの間で物議を醸し出しました。

RIZINデビューの相手は新星・萩原京平選手。記者会見で萩原選手が

「平本君はMMAデビューなのでマウントを取って肘でぼこぼこにします」

とコメント。それに対し平本選手は

「ふざけんな。お前がボコボコにされるだけの試合だからな。勘違いすんなよ」

とアンサー。RIZINでは珍しくトラッシュトークが繰り広げられました。

RIZIN26大晦日大会は日本総合格闘界軽量級の頂点を決める、RIZINバンタム級王者朝倉海選手と日本総合格闘界の救世主・堀口恭司選手との決戦がメインであり、海選手の実兄でカリスマ的人気を誇る朝倉未来選手の出場も話題を呼んでいます。

が、「平本蓮vs萩原京平戦」が「裏メイン」の声も高く、ファンの間では「どちらが勝つのか」と話題沸騰。試合を2週間前に控えた、その平本蓮選手は、何を語るのか―ー。ファンもアンチも必読です(文◎久田将義 <インタビュー前編> )

俺の打撃が総合では通用しないと言っているバカどもにナメんじゃねえって所を見せます

――試合まで約2週間になりましたけど、減量とか体調はいかがですか?

「過去最高っすね(即答)」。

――過去最高!! それはガチで楽しみです。

「調子が悪かったとか、やりづらかったっていう言い訳が自分の中できかないくらい良い感じなんで。だから、絶対勝つんですよ」

――いま練習はグラップリングのほうに重きを置いてますよね。

「そうですね。打撃もやりますけど、僕レベルまでいくと打撃の練習って微調整をたくさん続けていく感じなんで、大きく進化するということはないんですけど、その微調整がホント大事なんです。微調整で完璧に仕上がっていく。まあ、やったことない人って僕のことナメていると思うんですけど」

――ん? 平本選手をナメている人っているんですか?

「『俺の(平本選手の)打撃なんて総合では効かないだろ』って言ってるバカがいるんですけど、そういうヤツをぶっ倒してしていきたいなっていうのもあるんですけど」

――例えば、新生K-1時代のゲーオ・ウィラサクレック戦を観たら打撃が弱いって言う人とか、いないと思いますけどね。

「勘違いバカが多いんですよ。どこの界隈にもいるんですよ、ボクシングバカと総合バカとキックバカがいて、自分たちの競技が一番強いと思ってるヤツがいるんです。だから『おまえ自身の問題だろ。おまえが総合を代表してんじゃねえよ』っていう事です。選手もそうだし、昔から総合格闘技界に関わっている重鎮というか大御所みたいなのいるじゃないですか。ナメんじゃねえよっていうのは見せます」

――うーん。ゴンナパー戦もボッコボコに打ち合って勝ってるんで、あれを観たらナメた言葉は出てこないと思うんですけどね。

「そこはあんまり意識してないですけど、決して相手をナメたり自分のほうがすごいとか思わないんですよ。どんな状況でも1秒でも早く倒すことを心がけています。今度、オープンフィンガーでやったときに、マジの殴り合いができるヤツ(平本選手)が来たらビックリするんじゃないかなと思うんですよね。楽しみですね。今の自分に自信があるんで、そういうときって絶対失敗しないんで」

――総合と立ち技は全然違いますけど、ゴンナパーとかゲーオとか、越えられない壁を越えたことは確かじゃないですか?

「あれも越えたというよりは、自分の能力を信じ切った結果なので。試合のたびに覚悟を絶対持っていて、その戦う覚悟がK-1時代よりも増したんですよ。もともと気持ちは強いほうなんですけど、最近ホントに自信に満ちあふれているというか。ちょっと大人になったのかもしれないですね(笑)」

――心技体すべて。

「そうですね。心技体ホント充実しています。昔から自分の武器は強い気持ちだったんで、それが、より固まったというか。だから怖いものがないんですよね。それは、よく言う『怖いもの知らず』じゃなくて、『自分と向き合って戦う覚悟ができた』からです」

――ご自身のYouTubeで「人間力が大事」とおっしゃてましたけど、それに通じるものがあるわけですか。

「総合を始めてから一人で考える時間が増えて、考えて考えて突き詰めていったときに、やっぱり孤高でありたいなと思ったんですよ」

RIZINよりPRIDEやK-1のほうが盛り上がっていたと思うんですけどそれは俺たち選手が悪いんですよ

――ツルまない、みたいな感じですか。

「いや、そういう中2病くさい言葉じゃなくて、孤高でありたいっていう。みんなで群れるのは嫌だとか、そういうマジでしょうもない発想じゃなくて、突き抜けていたいっていうのがあるんですよ。今の日本の格闘技界と比べて、正直、昔のPRIDEやK-1のほうが盛り上がってたと思うんですけど、それは答えがシンプルなんですよ。

俺たち選手が悪いんですよ。どの時代でも格闘技の運営とか金出す人はどの時代でもたくさんいると思うんですよ。せっかくのその機会を無駄にしてきたのが俺たちというか。いつまでも与えられる側でいるんじゃねえよって思ったんですよ。奪いに行くんだよ、作りに行くんだよっていう感覚になって、ホントに覚悟が決まったんですよね」

――それはいつ頃ですか?

「K-1の契約もあって格闘技から離れたときに、やっぱり俺には格闘技しかないなと思ったのと、格闘技がホントに好きなんだなって格闘技への愛を感じて。僕は一生、格闘家でやっていって、格闘技を引退したら仕事はしたくないですから(笑)。格闘技で一生分稼ぐっていうのを本気でやりたくて。

K-1時代は、例えば試合に対して何かモチベーションを考えたり目的を探してたんですよ。『何々があるから格闘技頑張ろう』とか。昔はそういうくだらないモチベーションを考えてたことがあったんですけど違うなと思って。俺は格闘技がやりたいし、戦っていきたいっていう覚悟ができたんですよ。だから昔は試合が楽しみっていう感覚はなかったんです。毎回、心身ともに削られる競技だし、どんな試合でも無傷では終わらないじゃないですか。

でも、いま自分に心配はないんですよね。昔は『大丈夫か』ってビビりながら練習していて、だからかえって強くなっていけたんですけど。今は日に日に強くなる自分に自信があるので、どんどんのめり込めるし、より格闘技が好きになるし」

関連記事:コロナ禍で苦境に立つ日本格闘技界 「RIZIN」逆襲なるか 榊原CEOに聞く 「格闘技界は無くなってしまうのか」(前編) | TABLO

――ひたすら、自分を突き詰めていくという道を進んでいるという感じですね。

「だから孤高の存在でありたいなって思います。『格闘技のエンターテインメント性とは何か』を考えると、いわば非日常性という事になると思うんですよ。でも、日常でも見られるYouTubeの影響で格闘技をナメる人が増えたと思うんですよ。『ケンカ自慢』みたいな」

――ああ。「あの選手は俺なら倒せる」みたいな人たちですか。

「格闘技界が腐ってきた感じがするんですよね。茶番というか安っぽいなというか。それは自分で自分を否定するような世界を作ってるんじゃないかと思いました。だから、俺は日本の格闘家と同じ思考でやっていったら終わるな、と思ったんです。『日本は』とか『世界は』じゃなくて、シンプルに今の日本の格闘技は自分も含め、全然面白くねえなと思ったんで、だからRIZINを一から作っていく感じですね。今年の年末(自分の参戦で)からやっとRIZINが始まるって感じです」

――なるほど。いままで25回大会を開催してきたけれども……。

「俺が来るまでのRIZINは下積み時代です。マジで前座っす(笑)」

――ホントに楽しみです。

今度の試合は全国のケンカ自慢への制裁っすね。悪かったら偉いみたいな文化をいまだに持ってくるのってダサい

「これは予言じゃないですけど、俺が間違いなくRIZINの主役になるし、俺がこれから本当のRIZINを始めるっていう感じです。勝負事って自分で作っていくものだと思うんで。奪うものじゃなくて作るものなんです」

――舞台としては最高ですね、大晦日で。生放送にはタトゥーの関係(註・平本選手の身体にタトゥーが入っているため生放送は自粛という噂)で載らないようですけど。

「そこがまた新しい時代っぽくていいんじゃないですかね」

――でもPPVでは観られますからね。

「そうですね、スカパーや配信もあるし、YouTubeにも載るので。一生懸命やることには変わりないです」

――ところで対戦相手の萩原京平選手ですが、僕はあの選手の試合を初めて観た時、「素直にいい選手だな」と思ったんですよね、手足が長くて。同じストライカー同士です。既にインスタで絡んでいますが、改めてどういう評価をされていますか?

「あいつは、記者会見でスターになる道をなくしちゃってるんですよね。本当のスターって、『おまえの打撃なんか知らねえよ。俺のほうが全然強え。逆に俺が打ち勝ってぶっ飛ばしてやるよ、おまえの打撃なんか比じゃねえから』ぐらい言うんですよ。けどあいつは『おまえ打撃強いかもしれないけど総合ナメんなよ、俺がマウント取ってやる』ってクソダサと思って(笑)。

俺は16歳からこの(プロの)格闘技界にいるし、おまえより名前があるし、おまえよりもキャリア長いし、おまえよりも場数も踏んでるし、ルールは違えどホントに強いヤツとやってきたんで、ナメんじゃねえよっていうのをマジで見せますね。だから今度の試合は、公開処刑というか、全国のケンカ自慢への制裁っすね。

ちょっとした悪さで『昔、不良でした』とか、悪かったら偉いみたいな文化をいまだに持ってくる日本人っているじゃないですか。気色悪いなと思って。俺に『悪ぶってる』とか言ってくるヤツがいるんですけど、俺は悪ぶってないんですよ、不良でもなんでもないし。俺は自分の信念を貫いてるだけなんで不良とかじゃないんですよ」

――「何かをあえて言うこと」によって、自分を追い込んでそれをモチベーションにするファイターもいると思うんですけど。

「べつに煽っているとか、自分を追い詰めてるとかではないですね。やれると思ってるから、おまえらみたいに自分を奮い立たせるようなプレッシャーかけるほど俺は気持ち弱くねえよっていう」

――なるほど。シンプルに素直に出てくる言葉を言っているだけ、という事ですか。

「そうです、そうです。だから『平本はエンターテインメント性がすごい』と言ってくれる人はいるんですけど、俺は別に周りの反応は気にしてないし、思ったことを言うだけなんで。だから対戦する可能性がないって言われてる皇治(新生K-1から移籍の人気選手)のこともイジり続けてるんですよ。あいつなんか格闘技界の老害なんで。ボブ・サップとかチェ・ホンマンとかの名前出すぐらいだったら普通にリングで処刑して再起不能ぐらいにしてやりたいんですよ。あいつが一番格闘技界に必要ないんで」

――そう言えばYouTube観ました。平本選手の皇治選手のモノマネ、似てましたね。

「ハハハハハハ!(嬉しそう) 皇治が俺に長ったらしいツイートをしてきたんですけど、そもそも俺は皇治の人気のことなんて何も言ってないのに、『君も人気とか集められるように』って。もうそこで、論点がズレてるんですよ。俺は『弱い』しか言ってないんですよ。人気と知名度がどうじゃなく、ただ弱いって言ってるのに、あいつは『君は俺みたいに客を集められないから』とか、また論点をそらすことを言ってきて。『え? おまえ俺に弱い』って言われて『弱くねえよ』って言えないの? その時点で格闘家として終わってね? おまえマジでただの肉サンドバッグじゃんと思って」

――に、肉サンドバッグ!?(表現に思わずビックリ)

「はい(笑)。あいつのあだ名は肉サンドバッグです」

――でも、ほぼダウンしたことはない選手ですよね。

「それだって自分が(相手を)倒せないからじゃないですか。打たれ弱くてパンチ力めちゃくちゃある人の試合は超面白いじゃないですか。あいつ打たれ強くてパンチ力がないから、相手が強くない限り塩試合(註・塩=しょっぱい=つまらないの業界用語)確定なんですよ」

――平本選手と試合が組まれる可能性はあるんですかね?

「ないですね。もし可能性があるんだったら向こうから煽ってくるはずですよ」

――いま平本選手はフェザーですよね。

「フェザーです、65キロなんで」

――皇治選手は?

「60キロとかなんで、やらないと思います」

――やるとしたらキックルールですよね。

「総合でもどっちでもいいんですけど、絶対向こうがやらないですよ、ショボいんで」

宣言しますよ。立って殴って倒して殴って勝ちます

――話を大晦日の試合に戻します。今回の大晦日はRIZIN26は、メインの「朝倉海vs堀口恭司戦」に対して、元阪神タイガースの岡田彰布さんまでコメントしていたほど注目されています。平本選手と萩原京平選手との一戦は位置付けはセミではなくてもその次に注目されてるカードかなと思っています。裏メインというか。

「ファンの人かそう言ってくれてるのは、俺と萩原がやるからじゃなくて俺のデビュー戦だからだと思うんですよ。そういう試合にしますよ。『フタを開けてみたらトントンでいい勝負したね』とか『萩原は意外に強かったね』とか言わせたくないんで」

――なるほど。『互角に打ち合ったね』みたいな感じではなく。

「そうですそうです。『わりとマシだったね』とか言われたら、その時点でダメだと思うんで。だからといって気負ってるわけじゃないんですよ、完璧に萩原を研究して追求していますし」

――いま分析している訳ですね。

「そうです。潰しにいくんで」

――穴みたいなものは見つかりましたか、言える範囲で。

参考記事:あの「伝説の路上」で生まれた 決して逃げない覚悟 「天才」総合格闘家・朝倉海選手(YouTuber) | TABLO

「間違いなくテイクダウンどんどん取ってくると思うんで、そのフェイントであったり、近い間合いでの攻防とか、もし打撃に強いヤツにやられたらタックルの奇襲とか足を取る奇襲とか、色々それは考えてます。でも、それは萩原京平よりレスリングの強い人と練習しているから、そこの心配はないです」

――萩原選手のグラウンドはRIZINではあまり見たことないし、平本選手はデビュー戦なわけですからみんな見たことないのは当たり前なんですけど、グラウンドの攻防みたいなものも考えてるんですか?

「ないです。俺は立って殴るだけ。宣言しますよ。立って殴って倒して殴る」

――殴る、蹴るの言葉が出たので関連の質問です。そう言えばYouTubeのミドルキックの打ち方を解説されていましたがすごい参考になりました。

「本当ですか? 良かったです(笑)」

――相手が出てきた時にミドルで止める技術とか。あれ以外にもああいった立ち技の技術は自然に出るものなんですか?

「僕がK-1から受け継いだ伝家の宝刀っていうのがあるんですよ。日本の総合格闘家の多くは、ボクシングの練習をちゃんと取り入れて、ワンツーとかきれいに打てる人が増えたんですけど、ホントのマジで殺し合いの打ち合いになると急にビビるんですよ。逆にK-1は『その距離しかない』んですよ、絶対にもらわないと当てられない距離という意味ですけど」

――絶対当たる距離、ですか。

「はい。この距離での打ち合いが(と顔を近づける)。みんなもらいたくないからこう打つんですよね(頭を下げて)。でも僕らはその恐怖心がないから、このままいけるし、打ち合いに臆することがないんですよ。それはオープンフィンガーだとしても全然変わりはないんですよ。オープンフィンガーだとブロッキング多用する選手はもらっちゃうとか言ってるヤツはただのアホですね。使える部分はたくさんあるし、それこそコナー・マクレガーってガード、高いじゃないですか。おまえら日本の格闘技レベルで、何、総合の全部を知ったような口きいてんだよっていう」

――そのテクニックで大晦日は萩原選手を倒す、という事ですか。

「はい。気をつけているのは反則スレスレの攻撃が絶対多いと思うんで、そこですね。地下格の試合で反則負けか、注意されているかしているんですよね。でも反則してきたら俺も逆に反則し返しますけどね。だけど、試合が無効になったらどうしようとは思うんですけど。けど、やっぱりそういうヤツはムカつくんで。反則する時点で格闘技ナメてるじゃないですか。反則スレスレの技を磨くヤツってまずナメてるんですよね。正々堂々と勝負する気がないヤツじゃないですか。卑怯でも勝ったら偉いみたいなヤツがいるんですけど、そんなの美しくないんで」

――いずれにしろ立ってか、パウンドでかで決着をつけると。

「そうですね。ビックリするんじゃないですか、レスリングやったときに俺の組みの強さに」

――テイクダウンされないってことですか?

「はい、たぶん向こうが組みついてきたときにビックリすると思うんですよね、倒せねえって」

《後編へ続く》(インタビュー◎久田将義 写真◎インベカヲリ)

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