代々木公園の"名物"である屋台文化が警察のお仕事のおかげで消える? 五輪と文化どっちが大事
TABLO / 2019年1月30日 10時17分
来年に迫った東京オリンピックだが、ここにきてお上は「浄化作戦」に拍車をかけている。1月28日付朝日新聞によれば、警視庁が渋谷区にある代々木公園で専有許可を得ている常設屋台を調べたところ、全7店舗(うち3店舗は閉店中)が指定暴力団極東会系と判明。同庁は同日に都に連絡したという。都は、関係者から聞き取りをした上、許可の取り消しを検討するそうだ。
大阪でも同じような動きが!?
(参考資料:大阪万博開催が決定したこのタイミングで? 「スーパー玉出」元社長逮捕は警察の目論見通りか)
また同じ28日、昨年10月に代々木公園への搬入を巡って都職員を脅迫したとして露天商(60)の逮捕を発表した。露天商は容疑を否認しているという。
これに関しては、正直、「浄化」の理由付けの可能性も否定できない。そもそも、都立の公園で営業中の屋台を、暴力団関係者ということで取り消すことがあれば、極めて異例だそうだ。警視庁の本気度がわかるというものだが、ここでひとつの疑問が湧いてくる。
そもそも屋台が「暴力団関係者」ということを、いまのいままで警視庁は知らなかったのだろうか?
警察が知らないわけがない
(参考資料:「暴力団」「売春」「有名人」というキーワードで飛田新地の1店舗だけを"あげた"警察のタテマエ)
日本において公園や縁日などに軒を連ねる屋台には、テキヤ(的屋)と言われる露天商が多いことは周知の事実だ。若い世代にはテキヤと言ってもピンとこないかもしれないが、国民的映画だった「男はつらいよ」の主人公・寅さんもテキヤの仲間である。
このテキヤ、実は関東を中心とした団体だけでも20ほどあり、「庭場」と呼ばれる縄張りを守りながら、各地で露天商を営んでいる。そのほとんどが非指定団体なのだが、今回警視庁がやり玉にあげた極東会は伝統あるテキヤであり、なおかつ(ここが重要)警察庁が指定する唯一のテキヤ系暴力団だ。つまり、それだけ有力団体であり、警察からしてみれば組織としての成果を示すためにも、ターゲットにする価値は高かったのだろう。
今後は都がどのような判断を下すかがポイントとなるが、ここまで警視庁がお膳立てした案件を役人である都の判断で覆すとは正直思えない。つまり、許可は取り消され代々木公園の"名物"でもあった屋台文化が消える可能性は高い。
あのタイでも屋台文化が危ない
(参考資料:タイ・カオサンで観光の目玉である屋台・露天が時間規制 じわりじわりと忍び寄る「24時間禁止」の恐怖)
そもそも、いまのいままで屋台の背景を知らず、オリンピックを直前にしてその実態に驚いた警視庁が調査・取り締まりを行ったとしたのなら、それはそれで驚くべき能力の欠如と言わざるを得ない。普通に考えれば、オリンピックの為の整備としてテキヤの摘発が可能......そうみて、ポイントを稼いだとみるべきだ。
そして、本当に大切なのはこれまで築いてきたテキヤの屋台文化を守るのか否か? ということ。縁日の盛り上がりなどを見ている限り、国民の大多数はテキヤの屋台文化を是としているのではないか。個人的にはテキヤから露店を奪うべきではない、と考える。オリンピックのドサクサに紛れたお上の動きを、ただ座視するだけではいけない。(取材・文◎鈴木光司)
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