韓国・急発進死亡事故の究明…市民の協力で実現した「危険運転」再現
KOREA WAVE / 2024年4月30日 11時0分
【KOREA WAVE】
韓国江原道江陵(カンウォンド・カンヌン)で2022年12月発生した車両急発進の疑いのある事故で、イ・ドヒョン君(当時12歳)が死亡した事故に関連し、車両欠陥が原因で急発進した可能性を究明する「再現テスト」が今月19日、国内で初めて実施された。
現行の製造物責任法により、今回の鑑定は、消費者であり被害者である遺族がすべてを立証すべき側だった。ただ、1日も早く真実が究明されることを願う江陵市民が一丸となってスムーズに実施されることになった。
警察の協力で19日午後1時ごろ、再現テストは江陵市淮山洞(フェサンドン)のマンション近くで実施された。国立科学捜査研究院(国科捜)分析の妥当性を検証するため、メーカー側が提供した変速装置診断機を取り付けて進められた。
以前、イ・ドヒョン君の父イ・サンフン氏は、数千万ウォン(1ウォン=約0.11円)をかけて事故車と同じ車種を購入しようとした。現行の製造物責任法上、急発進の疑いのある事故の原因を消費者が立証する必要があるためだ。
ただ、インターネットコミュニティを通じてこのニュースに接したある江陵市民が問題意識を持ち、車が壊れる可能性もあることを知りながらも自身の車を差し出した。
再現テストの長い区間を通行止めにするには警察力だけでは限界があり、全国模範運転者会江陵支会が協力することになった。
また、事故を起こす危険があるため、ドライバーを見つけるのが難しかったが、この点も専門免許を持つ江陵市民の助けを借りて解決された。テスト車のドライバーAさんは「誇りに思って志願した」と話した。
再現テスト車は、2車線がすべて通行止めにされた道路を走り、後ろからは安全のためにパトカーが付いていった。
再現テストが計4回実施された2時間ほど、道路が一部通行止めにされた。だが、抗議した市民はおらず、逆に真剣にテストを見守った。
原告側の弁護士は「実際の状況と同じようにテストをしたことは大きな意味がある。江陵警察、市庁、市民の協力があったからこそ可能だった」と意義を語った。
今回の鑑定は先月26日、事故車両の運転手A氏(68・女)と孫のイ・ドヒョン君の遺族が車両メーカーを相手取って起こした7億6000万ウォンの損害賠償請求訴訟の第5回公判で、運転者側が提案した「変速装置診断機を利用した鑑定」を裁判所が受け入れて実現した。
(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News
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