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バブル景気を象徴するモデルがあった!? メーカーの強みを活かしたコラボ車5選

くるまのニュース / 2020年1月27日 6時10分

現代ではクルマの開発費抑制を目的とした業務提携が盛んですが、過去にはそれぞれのメーカーが持つ「強み」を活かしたコラボモデルがたくさんありました。そこで、共同開発モデルを5車種ピックアップして紹介します。

■コラボレートで新たな魅力を生んだクルマたち

 日本語には「得手不得手」という言葉がありますが、企業においても同様で、自動車メーカーであれば「高性能エンジンの開発に強いメーカー」や「環境性能が高いクルマをつくれるメーカー」などが存在します。

 そんなメーカーの強みを活かして他メーカーと協業できれば、1社だけで開発するよりも魅力あるクルマを生み出すことができるのではないでしょうか。

 そこで、共同開発によって優れたクルマとなった5車種ピックアップして紹介します。

●日産「GT-R50 by イタルデザイン」

「GT-R」誕生50周年を記念して開発された「GT-R50 by イタルデザイン」「GT-R」誕生50周年を記念して開発された「GT-R50 by イタルデザイン」

 イタルデザインは自動車業界をけん引する世界屈指のデザイン会社で、クルマや工業製品のデザインからエンジニアリング、プロトタイプ製造、テストや検査に至るまで幅広いサービスを提供しています。

 そして、日産のハイパフォーマンスなクルマづくりと、イタルデザインのクラフトマンシップのコラボレートにより生まれたのが「GT-R50 by イタルデザイン」です。

「GT-R NISMO」をベースに欧州スタイルの感性でつくりあげられ、GT-Rとイタルデザインがそれぞれ2019年、2018年に迎えた生誕50周年を記念して共同開発されることになりました。

 これまで、日本以外にもイギリスのグッドウッド、ベルギーのスパ・フランコルシャンなど、各地でプロトタイプがお披露目されています。

 このプロトタイプからさらに開発が進められ、最大50台限定で生産することになり、2020年の後半からデリバリーが始まる予定です。

 GT-R NISMOが日本からイタルデザインに運び込まれ、ユーザーの好みにあわせて車両を仕立てるプログラムとなっており、外装のカラーリングや内装の素材やデザインをオーダーできるようになっています。

 外観はボンネットのパワーバルジ、低いルーフラインとフェンダー、「サムライブレード」と名付けられたエアアウトレットと大型の可変式リアウィングが特徴的で、よりアグレッシブなGT-Rを表現。

 エンジンはGT3でのレース活動から得た経験を活かして、ニスモにより手作業で組み立てられる3.8リッターV型6気筒ツインターボ「VR38DETT型」を搭載し、最高出力は720馬力を発揮します。

 また、パワーアップに合わせてビルシュタイン製サスペンションとブレンボ製ブレーキなどを採用することで、走行性能が高められています。

 価格は99万ユーロで日本円では約1億2000万円と超高額ですが、2019年12月のリリースでは「予約枠は残り僅か」と報じられています。

●オーテック・ザガート「ステルビオ」

イタリアの名門カロッツェリアによりつくられた「ステルビオ」イタリアの名門カロッツェリアによりつくられた「ステルビオ」

 ザガート(現在はSZデザイン)は創業から100年が経過するイタリアの老舗カロッツェリアで、アルファロメオやランチアといったイタリア車を中心に設計、製造をおこなっています。

 1989年には2代目日産「レパード」をベースに、アルミ製ボディやカーボンファイバー製ボンネットなどを架装したオーテック・ザガート「ステルビオ」を、日産の関連会社「オーテックジャパン」と共同開発しました。

 ボディはベースのレパードと同様に2ドアクーペですが、フロントフードに内蔵されたフェンダーミラーが印象的で、外観についてはザガードにより全面的に変更されており、レパードがベースになっていることは誰も気づかないほど手が入れられています。

 搭載されたエンジンは最高出力280馬力の3リッターV型6気筒ターボ「VG30DET型」で、トランスミッションは4AT速のみ。

 内装はレパードと共通のインパネとセンターコンソールながら、ダッシュボードやシートが本革張りで本木目もふんだんに使われ、高級なイタリアンスポーツに仕立てられていました。

 なお、当時の価格は1870万円で200台の限定販売と、まさにバブル景気を象徴するような1台です。

●シボレー「コルベット ZR-1」

ロータス製V8DOHCエンジンを搭載した「コルベット ZR-1」ロータス製V8DOHCエンジンを搭載した「コルベット ZR-1」

 1986年にゼネラルモーターズ の傘下に入った、イギリスのスポーツカーメーカーであるロータスは、グループ内のブランドである「シボレー」から、特別なエンジンの設計、開発を受託しました。

 それが、1983年に発売された4代目「コルベット」の最強グレード、「コルベット ZR-1」の「LT5型」エンジンです。

 コルベットZR-1は1989年に発売され、オールアルミ化された5.7リッターV型8気筒DOHCエンジンは、最高出力375馬力を絞り出し、6速MTと組み合わされ、最高速度は289.5km/h、0-400m発進加速タイムは12.2秒と、スーパーカーに変貌。

 ボディもサイズアップしたタイヤを収めるためにリアフェンダーが拡大されるなど、スタンダードモデルと差別化されています。

 コルベット生誕40周年を迎えた1993年にはアニバーサリーモデルも登場し、よりチューニングされたZR-1は405馬力までパワーアップしました。

 1995年に生産を終了しましたが、コルベットの歴史上でDOHCエンジンを搭載したのはZR-1だけで、リアミッドシップとなった最新モデルでもOHVエンジンを搭載しています。

■ポルシェが手掛けた特別なセダン&ワゴンとは!?

●メルセデス・ベンツ「500E」

スポーツカーのエンジンと足まわりが移植されたスーパーセダンの「500E」スポーツカーのエンジンと足まわりが移植されたスーパーセダンの「500E」

 1991年に発売されたメルセデス・ベンツ「500E」(後にE500に改名)は、Eクラスセダンに、スポーツモデルの「500SL」のエンジンを移植した特別なモデルです。

 Eクラスに500SLのV型8気筒エンジンを搭載するために、フロアパネルが変更され、エンジンだけでなくトランスミッションや前後のサスペンション、ステアリングギアボックスまで500SLのものが搭載されました。

 ボディは前後トレッドを拡大したことでワイド化されたフェンダーと、専用のバンパーが装着されてはいるものの、派手なエアロパーツは無く、比較的地味で大人しそうなボディとなっています。

 しかし、330馬力を発揮する5リッターV型8気筒DOHC「M119型」エンジンによって、0-400m発進加速タイムは14.8秒、最高速度は250km/hと、まさにスーパーセダンといえる性能を誇っていました。

 開発はポルシェに委託され、なかでも初期のモデルはポルシェの工場で作られたことから日本で人気が高まり、バブル景気という背景もあって、日本には正規輸入車だけでなく、数多くの並行輸入車も上陸。

 現在は旧車ブームの影響から中古車にプレミアが付き、高額な価格で取引されています。

●アウディ「RS2アバント」

まさにアウディとポルシェのダブルネームな「RS2アバント」まさにアウディとポルシェのダブルネームな「RS2アバント」

 フォルクスワーゲングループのなかで、プレミアムブランドとして発展したアウディは、1994年にポルシェとコラボレートしてステーションワゴンの「RS2アバント」を発売。開発の多くをポルシェが担当し、生産もポルシェの工場でおこなわれました。

 RSはドイツ語で「Renn Sport」(英語でRacing Sport)という意味で、現在まで続くアウディのRSシリーズの第1作目がRS2アバントです。

 ベースになったのは「A4」の祖先にあたる「80アバント」で、専用にチューニングされた2.2リッター直列5気筒DOHCターボエンジンを搭載し、トランスミッションは6速MTが組み合わされました。

 最高出力は315馬力を誇り、本来、80シリーズの最高出力は115馬力から170馬力でしたから、じつに2倍から3倍近いパワーが与えられていたことになります。

 また、駆動方式は4WDで0-100km/h加速4.8秒の俊足ながらも扱いやすく、乗り心地はマイルドで高級感もあったといいます。

 外見は一見すると何の変哲もないステーションワゴンですが、当時のポルシェ「911」と同じデザインのドアミラーやホイールと、その隙間から覗くことができる「PORSCHE」の文字が刻まれたブレンボ製ブレーキキャリパーなどで、RS2アバントが只者ではないことを見分けることができます。

※ ※ ※

 今回紹介した5台以外にも、国内では1983年に発売されたダイハツ「シャレード デトマソ・ターボ」や、いすゞ「ジェミニイルムシャー」「ジェミニZZ ハンドリング・バイ・ロータス」などもあり、どれもヒット作になりました。

 また、現在でもトヨタには他社と協業したモデル「86」や新型「スープラ」がありますが、古くからトヨタのDOHCエンジンをヤマハが開発していたことは有名で、エンジンにヤマハのロゴやマークが入っています。

 単なるアウトソーシングだけでなく、ブランド価値も含めたコラボレーションによって、より魅力あるクルマが出来上がるということでしょう。

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