運転中のイヤホン通話は違反? 「ながらスマホ」罰則強化で注目 赤信号なら問題なし?
くるまのニュース / 2020年5月16日 9時30分
クルマを運転中にスマホの操作や通話に関する罰則が2019年12月1日より強化されました。では、イヤホンを使ったハンズフリー通話やカーナビと連動したBluetooth通話は問題ないのでしょうか。また、赤信号で停車中ならながらスマホは違反にならないのでしょうか。
■イヤホンやBluetoothでの通話は使い方次第で違反になる?
2019年12月1日に改正道路交通法が施行され、運転中のスマートフォン操作(ながらスマホ)などに対する罰則が強化されました。
そのため、運転中の通話に関してはBluetoothやハンズフリーイヤホンなどの活用が推奨されますが、使い方次第では、道路交通法違反になる可能性もあるようです。
警視庁によると、クルマの運転時にスマホやカーナビなどの操作や画面を注視したこと(以下、携帯電話使用等)に起因する交通事故は、2008年時点で1299件だったのに対して、2017年には2832件に増加。2018年も前年と同レベルの2790件を記録しています。
そのため、前述のように道路交通法を改正することで、携帯電話使用等に対して罰則の強化および違反点数の引き上げがおこなわれました。
なお、スマホや携帯電話などでの通話や、スマホやカーナビゲーションなどの画面を注視する行為をおこなった場合の携帯電話使用等(携帯電話使用等[保持])では、6か月以下の懲役または10万円以下の罰金。反則金は、普通車で1万8000円の違反点数3点に変更となっています。
罰則が強化されたことで、スマホにイヤホンを接続してハンズフリー通話する方法や、カーナビとスマホをBluetooth接続して、クルマのスピーカーとマイクを使って通話するが注目されています。
しかし、道路交通法 第71条5の5では、「自動車を運転する場合においては、当該自動車等が停止しているときを除き、携帯電話用装置を通話のために使用し、表示された画像を注視しないこと(中略)。」とあります。
要約すると、スマホなど手に持って操作する、もしくは画面を注視すること自体が違反ということになります。
では、イヤホンでのハンズフリーやカーナビのBluetooth通話は違反にはならないのでしょうか。警視庁の交通課は次のように説明しています。
――運転中に通話をすることは違反なのでしょうか
道路交通法で禁止されているのは、携帯電話の保持や、携帯画面・ナビ画面の注視です。通話すること自体は違反ではありません。
――ハンズフリー通話は違反にならないのでしょうか
例えば、信号待ちを含む停車中に携帯電話を操作して電話をかけ、クルマが動き出す前に携帯電話の操作が終わっていれば違反にはなりません。
しかし、通話を終えるため走行中に携帯を操作したり、画面を注視すると違反になります。ナビ画面の操作でも同様です。
画面注視については、具体的な秒数が決められていません。何をもって注視と判断するのかについては、運転操作から注意がそれたときといえます。そして、その判断は現場の警察官に任せています。
――ほかに気をつけなければいけないことはありますか
運転中は、車外の音が常に聞こえる状態でなければいけません。よって、両耳を塞ぐイヤホンやヘッドホンを使って通話をしたら別の違反になります。
道路交通法では禁止されていない運転中の通話ですが、条例で禁止している自治体もあります。条例も常に改正されていますから、ご自身が住んでいる地域では通話が可能なのかどうか、対象の都道府県警で確認してください。
※ ※ ※
今回問い合わせた内容をまとめると、運転中でも機器の使用方法によって通話は可能ですが、自治体の条例や警察官の違いによっては取り締まられることがあると分かりました。
運転中に通話をしているときは、運転への注意力が少なからず削がれているので危険な行為であるともいえます。運転中に通話をしたいときでも、安全な場所にクルマをきちんと停車してから通話することをオススメいたします。
■運転中の「ながらスマホ」禁止のボーダーラインはどこ?
前述の道路交通法 第71条5の5では、「当該自動車等が停止しているときを除き」とありました。では、赤信号で停車中でも違反となるのでしょうか。
道路における交通の危険を生じさせた場合の携帯電話使用等では、免許の停止処分の対象となる
道路交通法の条文を見る限りでは、赤信号での停車中は含まれないと解釈することも可能です。警視庁総合相談センターは、次のように説明します。
「厳密にいうと、赤信号での停車時にスマホを操作しても違反にはなりません。
道路交通法でも、『当該自動車等が停止しているときを除き』とあるように、タイヤが完全に停止していればスマホの操作は可能です。
それは、渋滞中の停車も同様で、徐行ではなくタイヤが完全に止まっている停車であれば取り締まりを受けることはありません」
※ ※ ※
重大な事故を巻き起こす可能性が高い運転中の「ながらスマホ」。違反になるからではなく交通事故を起こさないために、運転中は使用しないことが大切です。
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