平成初期のセダンはスゴいモデルばかり!? 懐かしのスタイリッシュセダン5選
くるまのニュース / 2020年5月14日 6時10分
クルマのデザインは平成初期を境に大きく変わり、当時のクルマはいま見てもスタイリッシュです。なかでも、セダンには優れたデザインのモデルが存在。そこで、往年のスタイリッシュセダンを5車種ピックアップして紹介します。
■いま見てもカッコいい! 往年のセダンを振り返る
近年、日本の自動車市場ではミニバンやSUV、軽自動車が主流となっており、セダンの人気が低迷しています。
その影響から各メーカーともセダンのラインナップを縮小し、なかにはセダンの販売から撤退してしまったメーカーもあるほどです。
一方、平成時代の初期は数多くのセダンが各メーカーから販売され、優れたデザインのモデルも多数存在していました。
そこで、往年のスタイリッシュなセダンを5車種ピックアップして紹介します。
●ホンダ「アコードインスパイア」
伸びやかなスタイルはフォーマルな印象がある「アコードインスパイア」
1976年ホンダは、1972年に発売し好調な販売を続けていた「シビック」からステップアップするドライバーのために、中型ハッチバックの「アコード」を発売しました。
その後、セダンやステーションワゴンをラインナップに加えながら代を重ね、1989年に登場した4代目では、アコードと「レジェンド」の間に位置するミドルクラスセダンの「アコードインスパイア」を、派生モデルとして発売。
ボディは全長4690mm×全幅1695mm×全高1355mm、ホイールベースは2805mmとロングホイールベースとショートオーバーハングが特徴的なピラード4ドアハードトップで、伸びやかで低く構えた高級感のあるフォルムとなっています。
エンジンはFF車として理想的な前後重量配分とするために、フロントミッドシップに縦置きに搭載され、最高出力160馬力を発揮する2リッター直列5気筒SOHCは、多気筒化による静粛性と滑らかな回転の上昇を実現。
好景気だった背景から内装にも天然木、本革、エクセーヌなど上質なインテリア素材を惜しみなく使い、本物指向の上品で贅沢な味わいとなっていました。
●日産「セドリック/グロリア」
あえての丸目4灯が斬新だった「セドリック グランツーリスモ」
日産初のモノコックボディを採用して1960年にデビューした日産「セドリック」は、日産を代表するラグジュアリー系上級セダンとしての歴史をスタートさせます。
日産とプリンスが合併した後、1971年のフルモデルチェンジで「グロリア」が兄弟車となり、1991年には4ドアハードトップモデルのみがモデルチェンジした8代目セドリック、9代目グロリアが誕生します。
3ナンバー専用となったボディは、当時大ヒットしていた「シーマ」のイメージを受け継いだスタイリングで、フロントフェイスは、「ブロアム」「クラシック」系が角型のヘッドライトを採用して重厚感を表現。
スポーティな「グランツーリスモ」系にはクラシカルな丸目4灯ライトをあえて採用し、若々しさをアピールしています。
エンジンはトップグレードに255馬力を発揮する3リッターV型6気筒DOHCターボを搭載するなど、動力性能もシーマと同等の高性能さを誇りました。
●マツダ「センティア/MS-9」
プレステージセダンらしい堂々としたスタイルの「センティア」
バブル景気のころは、トヨタと日産以外の自動車メーカー各社も、商品のフルラインナップ化を進めており、なかでもマツダは販売チャネルを5つまで増やし、ラインナップを一気に拡充する戦略を取っていました。
そうしたなか1991年に登場したのがプレステージセダンのマツダ「センティア」と、兄弟車のアンフィニ「MS-9」です。
センティアは全長4925mm×全幅1795mm×全高1380mm、ホイールベース2850mmと、堂々たるサイズのFRセダンで、当時のトヨタ「クラウン」よりも大型でした。
外装は豊かな曲面で構成され、まるで欧州の高級サルーンのような伸びやかで優雅なフォルムを実現。競合となる日産「シーマ」やトヨタ「セルシオ」に見劣りすることもなく、フラッグシップにふさわしいデザインは、海外の自動車デザイナーからも高く評価されたといいます。
エンジンは新開発の2.5リッターもしくは3リッターV型6気筒を搭載し、トランスミッションはファジー制御のオートクルーズ機構を備えた4速ATが組み合わされました。
その後、1995年に第2世代にスイッチするも、バブル崩壊に伴って米フォード傘下に入ったマツダは、2000年に生産を終了。以降、FRの大型セダンから撤退しています。
■高性能かつ高級なスーパーセダンとは!?
●三菱「エメロード」
低い全高によるスポーティなフォルムが特徴的な「エメロード」
三菱のミディアムクラスセダンとして長い歴史を持つ「ギャラン」は、6代目までは一貫してスクエアなボディでしたが、1992年に発売された7代目では、時代の流れから全車3ナンバーサイズとなり、流麗なフォルムに変貌します。
そのギャランをベースに、スタイリッシュな4ドアハードトップのボディとしたスペシャリティカー「エメロード」が登場。
エメロードは、全長4610mm×全幅1730mm×全高1380mmのサイズで、全高がギャランの1410mmより低く抑えられており、低く構えたフォルムはギャランよりも美しく見えたほどです。
曲面を多用した滑らかで伸びやかなルックスは、4ドアスペシャリティーカーのなかでもベストと評されました。
エンジンは1.8リッターから2リッターまで4種類が設定され、トップグレードには170馬力を発揮するV型6気筒を搭載。なお、ギャランVR-4のような高性能モデルは設定されていません。
好景気に乗るように車種を拡充した三菱でしたが、エメロードの販売は低迷し、1996年に販売を終了。後継車はなく、一代限りで消滅してしまいました。
●トヨタ「アリスト」
流麗なスタイルと暴力的な加速が魅力だったスーパーセダン「アリスト」
1991年にデビューしたトヨタ「アリスト」は、巨匠ジウジアーロが主宰するイタルデザインの手による外観と、ハイパワーなエンジンによって、国内市場で人気となります。
また、トヨタが北米で展開した高級車ブランド「レクサス」の上級モデル「GS」としても販売されました。
同時期に販売されていたセルシオやクラウンはラグジュアリー路線でしたが、アリストのワイド&ローなスタイルは、迫力とスポーティさを兼ね備えており、若いユーザーからも支持されます。
搭載されたエンジンは3リッター直列6気筒で、自然吸気モデルが最高出力230馬力、ツインターボモデルは280馬力を誇り、このエンジンは後に「スープラ」にも搭載され、当時、アリストは「4ドアスープラ」と呼ばれたほどです。
1992年にはセルシオに搭載されていた4リッターV型8気筒エンジンとフルタイム4WDが組み合わされた「4.0Z i-Four」も加わりますが、やはりツインターボモデルが人気で、ハードなチューニングが施されたクルマも多数存在しました。
※ ※ ※
今回、紹介した5車種は、どれも約30年前のモデルです。こまかなディテールには古さを感じるものの、全体のフォルムはいま見ても色褪せない魅力があります。
近年は欧州車を中心にクーペスタイルのセダンが流行しており、どれも当たり前のように美しいフォルムではありますが、画一的で個性的かというと疑問が残ります。
今回の5車種は一見してセダンとわかるフォルムですが、しっかりとデザインされているように見受けられ、それが個性となっているのではないでしょうか。
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