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最近の「新型車」なぜ価格高騰? 新型「クラウン」は100万円超の上昇!? 「GT-R」はデビュー時から約2倍に値上げされたワケ

くるまのニュース / 2024年4月4日 16時10分

昨今の新型車は値上げされることが多くなっています。一体どのような事情があるのか、とくに値上げ幅が大きいモデルを例に、その背景を探ってみました。

■クルマが高額化! なぜ?

 最近の新型車は、従来モデルよりも車両価格が高くなることが多いです。
 
 直近で登場したトヨタ「クラウンセダン」やホンダ「アコード」、三菱「トライトン」、日産「GT-R」などでは、モデルチェンジをきっかけに大幅な値上げをおこないました。
 
 このような値上げの背景には、どのような理由があるのでしょうか。

 理由としては複数の事情が考えられますが、まずはメカニズムや装備の上級化です。

 新型クラウンセダンの「ハイブリッドZ」の価格は730万円で、先代クラウンセダンに2.5リッターのハイブリッドを搭載した最上級の「RSアドバンス」に比べて132万1000円値上げされました。

 新型クラウンセダンのプラットフォームは基本的に先代と共通ですが、全長は120mm、全幅は90mm、ホイールベース(前輪と後輪の間隔)も80mm拡大。その効果で後席の足元空間が少し広がっています。

 安全装備と運転支援機能も大幅に進化して、例えば渋滞時にステアリングホイールを保持しなくても運転支援が続く「アドバンストドライブ」が標準装着されるなど、快適性や機能性が向上しました。

 しかし、クラウンの値上げは機能と価格のバランスで考えると80万円前後が妥当でしょう。132万円の値上げ額は過大と言わざるを得ません。

 また先代から200万円以上の値上げとなった新型トライトンは、まずエンジンが異なります。

 2011年に生産を終了した従来モデルは3.5リッターV型6気筒ガソリン自然吸気エンジンでしたが、新型は2ステージターボを装着した2.4リッター直列4気筒クリーンディーゼルを搭載。

 4WDも異なり、従来モデルは4輪駆動と2輪駆動を切り替えるパートタイム式4WDだったのに対し、新型には前後輪の回転数を調節できるセンターデフが加わり、舗装路も含めて常に4WDで走行できるフルタイム式となりました。

 新型トライトンはフレームも刷新され、4輪制御技術、安全装備、運転支援機能も採用。先進的なピックアップトラックに進化しています。

 このようなメカニズムや装備の上級化を考えると、値上げも仕方ないと思われますが、価格の上乗せはやはり多額です。

 新型トライトンの場合は、高度なプラグインハイブリッドを搭載する「アウトランダー」(499万5100円)とのバランスを考えると、価格はスタンダード仕様の「GLS」が高くても450万円くらいが適切でしょう。

 ライバル車のトヨタ「ハイラックス」は、新型トライトンに比べてメカニズムがシンプルですが、「Z」が407万2000円、「Z GRスポーツ」でも431万2000円であることを考えると、新型トライトンが約500万円からというのは割高に感じます。

■ほかにもある「値上げ」の理由

 メカニズムや装備の上級化以外にも、値上げの理由は多いです。まずは昨今の原材料費や輸送費の高騰があります。

 軽自動車やコンパクトカーも数万円ではありますが、フルモデルチェンジやマイナーチェンジで値上げしています。

 そして、新型トライトンや新型アコードはタイ製の輸入車ですから、昨今の円安傾向も価格上昇の原因になるのです。

 販売台数も値上げに影響を与える要因となり、今回挙げた4車種は、いずれも高価格車で売れ行きを伸ばしにくく、なおかつ売れ筋のジャンルでもありません。

 新型クラウンセダンや新型アコードは今では人気の下がったセダン、新型トライトンもピックアップトラックですから、日本市場では売りにくいジャンルです。

 GT-Rは少量生産の高性能スポーツカーで、2023年の1か月平均登録台数は約70台でした。このように販売規模が少ないと、量産効果も低く、1台当たりの単価が高くなるのです。

14年で2倍に値上がりした日産「GT-R」14年で2倍に値上がりした日産「GT-R」

 そしてGT-Rは、現行の「R35型」登場から14年を迎えるロングセラーモデルとなっていますが、2007年当時の価格は777万円でした。

 毎年のように改良を重ねて各部がアップデートされて、そのたびに値上げを実施。そして最新の2025年モデルの価格は発売時の2倍近くまで高額化しています。

 以上のような価格設定は、メーカーの販売意欲を表現しているといえるかもしれません。

 大幅に値上げされた車種は日本では売りにくいため、販売促進も積極的ではなく、さらにライバル車同士の競争もほとんどないことから、自社の都合に基づいて価格を設定するのです。「この価格で買ってくれる人に売れれば良い」という発想です。

 特にGT-Rや新型トライトンは、デザインや性能に強烈な個性があり、「欲しい人なら価格が多少高くても買ってくれるだろう」という見方もあります。

 手作りのパーツが多い車種は大量生産も困難で、少数販売を前提になるべく高い価格で売ろうと考えます。

 こういった事情は、大幅値上げされた車種で顕著に見られますが、ほかの車種でも多かれ少なかれ行われていることです。しかし逆にいえば、価格が比較的求めやすく大量に売られている車種は、機能と価格のバランスを見ても割安です。

 軽自動車のホンダ「N-BOX」やコンパクトカーの日産「ノート」、ミニバンのトヨタ「シエンタ」など、販売ランキングの上位車種はその代表例で、つまり販売ランキングのデータは買い得車を知る上でも利用価値が高いといえるでしょう。

 お買い得なクルマの購入を検討するなら、販売ランキングを参考にして選ぶと良いかもしれません。

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