ネットオークションで車が安く買える? 落札のポイントやトラブル回避法とは
くるまのニュース / 2020年6月13日 18時10分
いまでは、「ヤフオク!」などに代表されるネットオークションでクルマを購入するのも珍しくなくなりました。しかし、実際に利用するには不安を感じる人も多いでしょう。そこで、ネットオークションへの参加方法や、注意点、落札後に必要になる書類などを紹介します。
■ネットオークションでクルマを売買 どうやるの?
クルマを買う場合、新車は新車ディーラー、中古車は中古車販売店で購入することが多いです。
しかし昨今はインターネットの普及により、新しい売買の手段として、「ヤフオク!」
などに代表されるネットオークションが台頭してきています。
ネットオークションは、基本的に個人売買のため中間マージンがなく、多くの場合で売る人にとっては下取や買取に出すより高く手放せ、買う人にとっては中古車店での相場より安く手に入れられることから、「お得な売買手段」として認知されるようになりました。
もっともいまでは、ネットオークションを利用するのは個人だけではなく、中古車販売店なども広告代わりに出品していることがあり、そうしたケースでは店頭での販売価格とそれほど変わらないことも多いようです。
ネットオークションというと難しそうに感じられますが、売りたい人と買いたい人を結びつけるのがネット上になるだけで、やっていることは昔の雑誌にあった個人売買コーナーと基本的には変わりません。
大きな違いは購入価格の決定が競売形式なことで、出品者が設定したオークション終了時間に、もっとも高い金額を入札している人が購入の権利を得られるというシステムです。
オークションによっては出品者により「即決価格」が決められているものもあり、そうしたオークションでは終了時間前であっても入札額が即決価格に達した時点でオークションは終了。その金額を入札した人が権利者となります。
オークションへの参加は、サイトの運営会社により多少の差はありますが、一般的には最初に会員登録して、出品物(クルマ)に自分が払ってもいいと思える金額を入札するだけ。金額を打ち込み「入札」ボタンを押すだけと簡単です。
気になる諸費用ですが、ほとんどの場合は「リサイクル預託金(1万円から2万円程度)」が必要になります。
あとはケースバイケースで、出品者が中古車販売店の場合は落札価格に消費税がかかりますが、個人の場合は不要だったり、車検が残っていれば自動車税の月割額が必要になることもあります。
なかには名義変更に必要な書類を作成するという名目で独自の費用を徴収したり、自賠責保険の月割額を請求する出品者もいれば、逆にリサイクル預託金や月割自動車税なども落札価格にコミコミの出品者もいます。
また、落札者がどこまで自分で手続きをするかによっても金額は変わってきます。自身でクルマを取りに行かずに運んでもらえば陸送費がかかり、名義変更や車庫証明を出品者にお願いすれば代行手数料が必要です。
詳細はオークションの説明文に記載されていることがほとんどなので、写真だけでなく文章のチェックも必須です。
もし熟読しても不明な点があれば、オークションの「出品者への質問」機能を利用して積極的に質問をしましょう。
質問への回答がない、あるいは回答に納得ができない場合はトラブルになる可能性が高いと考え、入札はあきらめたほうが無難です。
■出品者が用意する書類、落札者が手配する書類とは?
中古車販売店での購入では、代行手数料も店側の利益になることや、説明の手間やトラブルの可能性を減らすために、購入者による名義変更は断られることが一般的です。
ネットオークションにおいても中古車販売店が出品しているケースではだいたい同様ですが、個人出品の場合は手間をかけたくないという理由から陸送手配や車庫証明の取得、名義変更などの手続きを落札者がすることが喜ばれ、またそれが一番の節約につながります。
落札後の名義変更ではさまざまな書類が必要(画像はイメージ)
自分で名義変更をするというとハードルが高い印象がありますが、必要な書類を集め、申請書類に記入し、陸運局で費用を払いナンバーを付け替えるだけなので、実際にやってみるとそんなに難しいことではありません。
名義変更の手順の詳細は割愛しますが、車検付きの登録車の場合に必要な書類は下記の通りとなります。
1.譲渡証明書(旧所有者の実印の押印必須)
2.旧所有者の印鑑証明書(発行日から3か月以内)
3.旧所有者の委任状(旧所有者の実印の押印必須)
4.車検証
5.新所有者の印鑑証明書(発行日から3か月以内)
6.新所有者の委任状(新所有者の実印の押印必須)
7.新使用者の車庫証明書
8.手数料納付書
9.自動車税・自動車取得税申告書
10.申請書(第1号様式)
これら書類のうち、1から4は出品者、5から7は落札者が用意します。8から10は管轄の陸運局および隣接する税事務所で入手するものです。
6の新所有者の委任状は名義変更を落札者自身がする場合は不要で、出品者や代行業者に依頼する場合のみ必要になります。
ネットオークションでは、落札者が名義変更を済ませるまでの保証金として数万円預かる出品者が多いのですが、これは指定の期限内に名義を変更すれば返金してもらえます。
逆に期限を過ぎてしまうと保証金没収のうえ、さらに手続きが遅れれば罰金が加算されるケースもあるので、オークションの説明文を熟読し、期限を守るようにしましょう。
自身のスケジュールと期限を照らし合わせ、無理そうな場合は入札前に出品者に相談をして、それでも難しいようであれば入札しないのが得策です。
罰金といえば、落札後のキャンセルに罰金を科している出品者も少なくありません。
厳密にいえば「落札=売買契約」ではないので支払いの義務があるかは判断の難しいところですが、出品手数料や出品者の手間などを考慮すると、ある程度のキャンセル料は仕方がないといえるでしょう。
同じキャンセルでもとくに罰金が高く設定されているのが、現車を見ることなくキャンセルすることです。
落札後に現車確認をして、「やっぱりやめます」というのならキャンセル料が少なくて済むケースもあり、できる限り入札前に現車を見に行くことをお勧めします。
なぜなら、クルマの程度を確認すると同時に出品者の人柄を知ることが、ネットオークションで失敗しないための一番のコツだからです。
※ ※ ※
ネットオークションは、上手に利用すればお目当てのクルマを相場よりも安い価格で購入できる手段です。
その一方で、見ず知らずの他人と、それも高額になりがちなクルマの取引をするというのは、不安の多い買い方でもあります。
不安を少しでも減らすためには、まず商品説明を熟読すること、そして分からないことは遠慮なく質問し、可能であれば入札前に現車と出品者を直接チェックすることです。
そして何より、少しでも納得いかない点があれば、入札しない決断をすることが大事です。
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