左ハンの「アルファード」 正規販売じゃなくも流通 世界の富裕層に好まれるワケ
くるまのニュース / 2020年10月29日 10時10分
高級ミニバンといえば、トヨタの「アルファード」がその代名詞的存在といえます。その人気は海外でも高くアジア圏でも富裕層に支持されているようです。そんななか、正規販売されていないロシアで左ハンドル仕様のアルファードが発見されました。
■信頼性はもちろんVIP感があるアルファードは海外でも大人気
日本で高級ミニバンとして確固たる地位を築いており、日本だけでなく、ヨーロッパや北米、アジア圏にも積極的に輸出されているトヨタ「アルファード」ですが、正規輸入されていないはずのロシア・モスクワで販売されているのを発見しました。
ミニバンと聞くと、ファミリーカーというイメージを持つ人も多いかもしれません。
しかし、トヨタから販売されている「アルファード」は、高級感や豪華さ、乗り心地の良さを前面に押し出した「高級ミニバン」として、VIPの送迎用などにも活用されています。
ミニバンに求められる機能はもちろん、上級グレードになるとシートの質感も変わり、飛行機のビジネスクラス並の快適さがあることから、海外でも高い人気があります。
とくに、日本車は壊れにくく質感も充実しているため、海外の富裕層のなかにはリムジンや移動用事務所として使用している人もいます。
また、ヨーロッパだけでなく中東やロシアでも高い人気があります。
中東ではロールスロイスやフェラーリ、ランボルギーニなど超高級車に乗っている富裕層が多いものの、寒暖差が激しい地域であるため、普段は信頼性が高いクルマを乗らざるを得ません。
中東の富裕層と聞くとスーパーカーを乗り回しているイメージがあるかもしれませんが、普段はアルファードなどの高級ミニバンで移動しているのです。
ほかにも、ロシアは近年資源高などの影響で国民所得が大きく跳ね上がり、ヨーロッパ並みの自動車市場にまで成長しています。
また、首都モスクワは世界屈指の高級車市場といわれており、当然富裕層の数も増えてきているため、高級車がたくさん売れるようになりました。
ただし、ロシアはモスクワのような都市部でも、冬は晴れていてもマイナス20度程度まで冷え込む過酷な環境です。暖房設備の信頼性や壊れないクルマであることが絶対条件でもあります。
それでも「高級車に乗りたい」ということで選ばれたのが、アルファードなどの高級ミニバンです。
こうして世界屈指の高級車市場へと成長したロシアの首都モスクワの販売店にアルファードが並ぶようになったと考えられます。
■ロシアでアルファードはいくらで販売されているの?
今回、発見されたアルファードはモスクワの中古車販売業店から販売されています。
2020年式の走行距離が30kmと、ほぼ新車の状態。グレードは最上級の「Executive Lounge」です。
よく見ると左ハンドル仕様であることがわかります。元々「ロシア仕様」のアルファードは存在しないため、このアルファードは日本から正規で輸入しているわけではないようです。
モスクワでは原則左ハンドルですが、日本から直接輸入しようとすると右ハンドル仕様になってしまうため、今回のアルファードは海外で展開されている左ハンドル仕様をモスクワに仕入れたと考えられます。
内装を見てみると、トヨタ純正ナビがそのまま装備されているのも確認できます。
ちなみに、純正ナビはロシア語にも設定できるため、モスクワの人が購入しても問題なく使用できます。
見慣れたアルファードも左ハンドルだと違和感あり? 世界の富裕層も注目する高級ミニバン。(Copyright c JamesEdition.com)
価格は「P.O.R」、つまり問い合わせしてほしいとウェブサイト上にはありましたが、実際に問い合わせてみたところ、「全体のオーダー数に応じて送料や諸費用などが変わるため、現在オーダー数を取りまとめているところ」と担当者より回答がありました。
日本に逆輸入して販売されている左ハンドル同グレードの価格を調べてみると、車両本体価格はおよそ800万円。
日本では新車のアルファードのエグゼクティブラウン)が車両本体価格726万円から775万円で販売されているので、25万円から75万円ほど高い設定であることがわかります。
もちろんモスクワと日本では輸入ルートや関税の値段が大きく異なるため、あくまで参考ではありますが、現地での販売価格や輸送料、関税を計算すると、1000万円程度にはなるのではないかと予想されます。
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