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スバル新型「レヴォーグ」が日本で一番安全なクルマに! スバルが高度な安全性を追求する狙いとは

くるまのニュース / 2021年5月25日 15時30分

2020年に2代目へとフルモデルチェンジしたスバル「レヴォーグ」が、JNCAPにおいて最高得点を獲得し、「自動車安全性能 2020 ファイブスター大賞」を受賞しました。スバルが追求する安全なクルマ作りとは、一体どのようなものなのでしょうか。

■新型レヴォーグが「自動車安全性能 2020 ファイブスター大賞」受賞

 国土交通省と独立行政法人 自動車事故対策機構(NASVA)が実施した、クルマの安全性能を比評価する自動車アセスメント(JNCAP)において、スバル「レヴォーグ」が2020年度の衝突安全性能と予防安全性能の総合評価で最高得点となる186.9点を獲得し「自動車安全性能 2020 ファイブスター大賞」を受賞しました。

 具体的には、衝突総合得点は96.9点(100点満点)、予防総合得点は満点の82点、事故自動通報システムも満点の8点、総合で186.9点(190点満点)という極めて高い点数を獲得しています。

 レヴォーグは、「より遠くまで、より早く、より快適に、より安全に」というグランドツーリングのDNAを継承。そのうえで、スバルの最新技術を結集し、「先進安全」「スポーティ」「ワゴン価値」のみっつの価値を革新的に進化させたパフォーマンスワゴンです。

 初代モデルは2014年に登場。前身の「レガシィツーリングワゴン」が北米市場のニーズに対応するために大型化したことから、レヴォーグは日本の環境にマッチしたスポーツワゴンとして誕生しました。

 その後2020年に2代目へと進化し、走行性能のみならず安全性能が大きく向上。「0次安全」「走行安全」「衝突安全」「予防安全」に加え、「つながる安全」が加わりました。

「0次安全」では、直接視界の良さ、死角を補助する高精細なフロント・サイド・リアの「デジタルマルチビューモニター」、後席の乗員がいても走行中の後方視界を確保する「スマートリアビューミラー」。

 さらに、情報を瞬時に伝え直感的に操作できるデジタルコクピット、ヘッドライトを緻密にコントロールし、対向車両が眩しくなることがなくハイビームで夜間の視界を確保する「アレイ式アダプティブドライビングビーム」、骨盤をしっかり支え背筋を伸ばすことでロングドライブでも疲れにくいシートなどを採用。

「衝突安全」では、スバルグローバルプラットフォーム×フルインナーフレーム構造を採用。従来モデルに対し、ボディ構造の最適化と高張力鋼板の適切な配置により、質量増を抑えながら、前面・側面・後面すべての衝突安全性能を大幅に向上させました。

 またデュアルSRSエアバッグをはじめ、側面衝突時に備えるSRSサイドエアバッグ+SRSカーテンエアバッグや、前面衝突時に下肢へのダメージを軽減する運転席SRSニーエアバッグ、さらにシートベルトによる拘束保護性能を高める助手席SRSシートクッションエアバッグを採用しています。

 そして、歩行者保護エアバッグを全車標準装備し、バンパー内部の圧力センサーにより歩行者との衝突事故を検知し、瞬時にフロントガラスとAピラーの下端をエアバッグで覆うことで歩行者の頭部へのダメージ軽減を図ります。

 日本では、クルマと歩行者・自転車の事故が多く、とくに歩行者がフロントガラスに頭部をぶつけて死亡する事故が多く発生。

 そのためスバルでは、2016年に発売された「インプレッサ」から歩行者保護エアバッグを順次搭載していますが、この歩行者保護エアバッグを導入している国内メーカーはスバルだけ、世界でもボルボなど少数のメーカーしか搭載していないといいます。

「予防安全」では、視野を大幅に広げた新開発のステレオカメラに加えて、前後4つのレーダーを組み合わせることで360度センシングを実現した新世代アイサイトを全車標準装備。

 ソフトウェアの性能向上や電動ブレーキブースターの採用などとあわせて、交差点の右左折時や見通しの悪い場所での出会い頭など、より幅広いシーンで衝突回避のサポートをおこないます。

 また万一、交通事故やトラブルが発生した際に確かな安心でサポートするコネクティッドサービス「SUBARU STARLINK」を、新型レヴォーグにスバル国内初採用。24時間365日、クルマとスバルがつながることでさらなる安心を提供します。

■なぜスバルは高度な安全性を追求するのか?

 スバルは2030年死亡交通事故ゼロを目指していますが、同社は航空機メーカーとしてスタートしており、万が一墜落すると命に係わる航空機の開発においてはあらゆる非常事態を想定して設計する必要があります。

 パイロットが全方位見渡すことができる良好な視界の確保も、小型航空機に不可欠の安全性能のひとつだといいます。

 こうした安全思想はスバルのクルマ作りにも受け継がれ、スバル「360」の時代から直接視界の確保をはじめとする安全性能を重視して開発してきました。

歩行者と衝突したときにフロントガラス回りを覆う「歩行者保護エアバッグ」歩行者と衝突したときにフロントガラス回りを覆う「歩行者保護エアバッグ」

 衝突安全ボディや低重心で四輪駆動を基本として安定した走行を実現する水平対向エンジン、運転支援システム「アイサイト」など、さまざまなアプローチで安全性の向上に取り組んでいます。

 なかでも、スバルの予防安全システムの代名詞ともなっているアイサイトは2008年に商品化され、4代目「レガシィ」に初めて搭載されました。

 2010年にはアイサイトがver.2へとバージョンアップし、搭載車種が大幅に増加。2014年にはアイサイトver.3をレヴォーグに搭載し、2017年には「ツーリングアシスト」として進化。

 全車速域追従機能付きクルーズコントロールと組み合わせることで、高速道路でのアクセル・ブレーキ・ステアリングのアシストを実現しています。

 その結果、アイサイトver.2では、日本国内の追突事故発生率は84%減少、歩行者事故発生率は49%減少。さらに、ver.3は追突事故発生率0.06%と、安全な道路交通の実現に貢献してきました。

 2020年にはアイサイトの機能をさらに高度化した新世代アイサイトを新型レヴォーグに投入。新型レヴォーグに搭載された高速道路での高度運転支援システム「アイサイトX」が注目されていますが、新世代アイサイトは死亡交通事故ゼロを目指すべく、大幅な進化を遂げています。

 なお、新世代アイサイトは、今後ほかの車種にも展開していく予定だといいます。

 また、万が一の事故の際でも、死亡事故に至らないよう、事故の状況に応じて救命対応をする「つながる安全」も強化するといいます。

 今回、受賞した自動車安全性能 2020 ファイブスター大賞は、長年クルマの安全性を追求し続けてきたスバルの企業努力の結果だといえますが、クルマの安全性が高まる一方、シートベルトの着用率の低さについても指摘されています。

 10年以上前から後席のシートベルト着用も義務付けられていますが、後部座席のシートベルト着用率は高速道で76%、一般道では40%と、クルマに乗る人の全員がシートベルトを着用しているわけではありません。

 シートベルトをしてないと致死率が大幅にアップし、後部座席のシートベルト着用率を上げることが、死亡事故0を目指すには欠かせないと、株式会社スバル 車両研究実験第三部 部長の古川寿也氏はいいます。

 今回スバルは、新型レヴォーグの後席にシートベルトを着用したダミーと着用していないダミーを乗せて、64km/hオフセット衝突試験を実施しました。

 衝突後の新型レヴォーグは、前方(ボンネット)は押しつぶされましたが、この部分がつぶれることでしっかりと衝撃を吸収。キャビンは変形しておらず、ドアも開けることができます。

 また後席の乗員については、シートベルトを着用しているダミーはベルトで拘束されたことによって元の位置に座っていますが、シートベルトを着用していないダミーは前席のほうへ投げ出され、インパネ中央に頭部が激突して致死レベルの傷害を負いました。

 シートベルトの着用の有無により、安全性に差が生じることが明らかになりましたが、多くの人にシートベルトを着けてもらうため、スバルは初代レヴォーグに世界で初めて警報音付き後席シートベルトリマインダーを搭載し、その後順次別の車種へ導入しています。

 初代レヴォーグ導入から1年後にユーザーにアンケートをおこなったところ、インジケーター(表示)のみのシートベルトリマインダーが付いているクルマでも、インジケーターの効果で新たに25%の人がシートベルトを着けるようになったと回答。

 一方、乗員が座っているかどうかを判別し、警報音を鳴らすレヴォーグの警報音付き後席シートベルトリマインダーでは、70%もの人が新たにシートベルトを着けるようになったと回答するなど、警報音付き後席シートベルトリマインダーがシートベルト着用を促す効果は非常に大きいといえます。

※ ※ ※

 スバルでは多方面での安全性向上により、新型レヴォーグがもっとも安全性の高いクルマであるという評価を受けましたが、クルマの安全性が向上するだけでは死亡事故0は実現できません。

 クルマに乗ったらシートベルトを必ず着用するという小さな積み重ねが、死亡事故0実現への近道だといえそうです。

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