見た目もかなりイケてる! 魅力的なエンジンとスタイルのステーションワゴン3選
くるまのニュース / 2021年9月9日 16時10分
1989年にスバル初代「レガシィ」の登場をきっかけに、日本ではステーションワゴン人気が急激に高くなりました。しかし、その後はニーズの変化から人気は下火となり、今ではラインナップも激減してしまいました。一方、これまで登場したステーションワゴンのなかには、魅力的なモデルが多数存在。そこで、大排気量6気筒エンジンを搭載し、かつスタイリッシュなフォルムのステーションワゴンを、3車種ピックアップして紹介します。
■イケてるエンジンとデザインのステーションワゴンを振り返る
日本でやっとマイカーの普及が始まった1960年代。各メーカーとも販売の主流となっていたのはセダンですが、すでにステーションワゴンも多数登場していました。
昭和の時代は1車種で複数のボディタイプをラインナップするのが一般的で、ライトバンとボディを共有するステーションワゴンが設定されるのも自然な流れだったといえるでしょう。
そのため、ステーションワゴンも一定の需要がありましたが、1989年にスバルが初代「レガシィ」を発売すると、高性能なエンジンとフルタイム4WDを組み合わせた「レガシィ ツーリングワゴン」がヒットを記録。
ライトバンと決別し、ステーションワゴン専用のボディがスタイリッシュだったことも、レガシィ ツーリングワゴンのヒットの要因といえました。
そして、他メーカーもレガシィ ツーリングワゴン人気に追従するため、次々とステーションワゴンを発売し、1990年代にはちょっとしたブームにまで発展。
しかし、その後はブームも沈静化し、ニーズの変化からステーションワゴンは激減してしまい、現在に至ります。
一方で、これまで登場したステーションワゴンのなかには、魅力的なエンジンとスタイルのモデルも存在。
そこで、大排気量6気筒エンジンを搭載し、かつスタイリッシュなフォルムのステーションワゴンを、3車種ピックアップして紹介します。
●三菱「ディアマンテワゴン」
精悍なフロントフェイスと伸びやかなフォルムが特徴の「ディアマンテワゴン」
1990年に三菱は、3ナンバー車時代の到来と好景気をキャッチアップした新型セダンの「ディアマンテ」を発売。
全グレードとも3ナンバー専用ボディでスタイリッシュなデザインと高級感のある内装、余裕あるパワーのエンジンと、すべてが時代にマッチしてヒット作となります。
そして、前述のステーションワゴン人気に追従するため、1993年に「ディアマンテワゴン」を発売しました。
高級ステーションワゴンというコンセプトだったディアマンテワゴンは、豪州三菱で生産される輸入車で、外観はディアマンテの伸びやかなフォルムを生かしつつ、居住性とラゲッジスペースを最大限に確保したデザインを採用。
内装では本革シート&トリム、装備もフルオートエアコンや4インチ液晶カラーTV一体のハイエンドオーディオなどを標準装備し、高級ステーションワゴンにふさわしいゴージャスな装いです。
発売当初のグレードは1グレードのみで、エンジンはディアマンテと異なり、最高出力165馬力を発揮する3リッターV型6気筒SOHCを搭載。ツーリング性能を重視した、全域トルクフルなセッティングとされました。
駆動方式はFFの2WDのみで、トランスミッションも4速ATが組み合わされています。
その後、ディアマンテワゴンは1997年に2代目へとスイッチ。初代ディアマンテワゴンはセダンほどヒットしませんでしたが、広大な大地で育まれたスタイリッシュなミドルクラスステーションワゴンとして、大いに魅力的なモデルでした。
●ホンダ「アヴァンシア」
「アコードワゴン」と異なるエレガントなスタイルの「アヴァンシア」
ホンダは1980年に同社初のステーションワゴン「シビックカントリー」の発売を皮切りに「シビックシャトル」「アコードワゴン」「オルティア」「エアウェイブ」など、数多くのステーションワゴンを展開してきました。
なかでも上質なステーションワゴンとして1999年に「アヴァンシア」が誕生。サイズ的にはアコードワゴンと同等のセグメントでしたが、スポーティなイメージのアコードワゴンに対して、アヴァンシアはプレミアムなステーションワゴンというコンセプトで開発されました。
外観はウエッジシェイプのフロントセクションに、柔らかなカーブを描くロングルーフ、傾斜角を寝かしてグラスエリアを大きくとったリアゲートによって、流麗なフォルムを採用。
室内ではファブリック素材や木目調パネルを随所に使うことで、質感にこだわった上質さを演出し、リアシートは前後スライドとリクライニング機構を搭載することで、フロントシートと同様の快適性を実現しました。
搭載されたエンジンは2.3リッター直列4気筒と、トップグレードに最高出力215馬力を発揮する3リッターV型6気筒を設定し、トランスミッションはホンダ初となる5速ATが搭載されるなど、走りも上質さにこだわっています。
しかし、アヴァンシアが登場した頃はすでにステーションワゴン人気も低迷していたため、販売は好調とはいえず、2003年に一代限りで生産を終了しました。
●スバル「レガシィ ツーリングワゴン ブリッツェン6」
スポーティなボディに水平対向6気筒エンジンを搭載した「レガシィ ツーリングワゴン ブリッツェン6」
前述のとおりレガシィ ツーリングワゴンはステーションワゴンブームの立役者であり、その後も初代のコンセプトを継承しながら代を重ねました。
一般的にレガシィというと高性能な「EJ20型」ターボエンジンを搭載しているイメージが強いのですが、歴代では水平対向6気筒エンジンを搭載したモデルが何度か登場しており、そのなかでもスタイルや走りにおいて優れたモデルが2002年に発売された「レガシィ ツーリングワゴン ブリッツェン6」です。
レガシィ ツーリングワゴン ブリッツェン6は、3代目に追加設定された「GT30」がベースで、専用のフロントグリルに前後バンパー、サイドスカート、ルーフスポイラー、17インチアルミホイールを装着。これら外装パーツのすべては、オーストリアのポルシェデザイン社との共同開発です。
また、内装ではブリッツェン6専用でベージュの本革シート&トリムが採用され、マッキントッシュ製サウンドシステムを標準装備するなど、スポーティな外装とは一転してプレミアムなイメージで仕立てられています。
搭載されたエンジンは最高出力220馬力を発揮する3リッター水平対向6気筒自然吸気で、振動を抑えたスムーズな回転とトルク重視のセッティングが特徴です。
また、足まわりにはビルシュタイン製ダンパーが採用され、ターボモデルに比べ、やや減衰力を抑えた仕様とすることで、操縦安定性と乗り心地をバランスさせ快適性をさらに向上。
ブリッツェンシリーズはこれまで複数ラインナップされていますが、このブリッツェン6は6気筒エンジンによる上質な走りにあわせて比較的落ち着いたデザインとなっているのが、好感触ではないでしょうか。
※ ※ ※
スバルのステーションワゴンというと2020年に2代目「レヴォーグ」が登場し、高く評価され好調なセールスを記録していますが、さらに2021年9月2日には新型「レガシィ アウトバック」の日本初公開ならび先行予約が開始されました。
現在、各メーカーともステーションワゴンのラインナップが少ないなか、スバルは奮闘しているといえるでしょう。
実際、ステーションワゴンは使い勝手と走りの良さを両立した優等生で、人気が再燃しても不思議ではありませんが、SUV人気が秀でている今は、まだまだ復活とまではいかないようです。
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