使い勝手の良さは理想的な姿かも? RVブームを背景に誕生した「RV風」の車3選
くるまのニュース / 2021年9月16日 16時10分
現在、SUVは世界的に高い人気が続いており、続々と新型SUVが誕生しています。このSUV人気にあやかろうと、既存のモデルをベースにSUV風にドレスアップしたモデルも多数存在。同様のモデルは1990年代にも登場しました。そこで、RVブームを背景に誕生したRV風モデルを、3車種ピックアップして紹介します。
■RVブームの全盛期に誕生した「RV風」モデルを振り返る
ここ数年で一気に各自動車メーカーの主力商品となったSUV。2021年9月14日には、トヨタがカローラシリーズ初のSUV「カローラクロス」を発売するなど、次々と新型モデルが登場しています。
もはやブームといっていいSUV人気ですが、1990年代初頭には日本で「RVブーム」が起き、自動車市場を席巻。
RVとは「レクリエーショナル・ヴィークル」の略で、文字どおりレジャー用途に最適なクルマを指します。
具体的にはクロスカントリー4WD車、ミニバン、ステーションワゴン、ピックアップトラックなどがRVに該当し、とくに人気が高かったのがクロカン車で、ブームをけん引する存在でした。
現在、SUV人気に同調するようにSUV風にドレスアップされた軽自動車やコンパクトカーも登場していますが、RVブームの頃も同様に「RV風」なモデルも誕生。
そこで、RVブームを背景に誕生したRV風モデルを、3車種ピックアップして紹介します。
●ホンダ「シビックシャトル ビーグル」
モデル末期ながら異色のヒット作になった「シビックシャトル ビーグル」
ホンダは1995年に初代「CR-V」を発売し、大ヒットを記録。しかし、CR-Vの登場以前は自社でクロカン車は生産しておらず、いすゞやランドローバーと提携してクロカン車のOEM供給を受けてしのいでいました。
そんななか1994年に、ステーションワゴンの「シビックシャトル」をベースにした4WDの特別仕様車「シビックシャトル ビーグル」を発売。
1983年にデビューした3代目シビックでは、トール系ステーションワゴンのシビックシャトルを設定。1987年に4代目へスイッチするとシビックシャトルも2代目が登場しました。
その後、1991年にシビックは5代目となりますがシビックシャトルは従来型のまま継続して販売され、シビックシャトル ビーグルの誕生へと繋がります。
トップグレードではクロカン車では定番だったカスタマイズにならい、フロントに大型フォグライトを配置したアルミ製グリルガードと、スキッドプレートを装着。
ほかにも外装のカラーリングがフロントバンパーからフェンダーアーチ、ボディサイド、リアバンパーを、車体色とは異なるグレーに塗った2トーンカラーとなっているなど、現在のSUV風モデルと同じ手法でドレスアップされています。
シビックシャトル ビーグルは装備も充実していながら、価格は149万円(消費税抜き)からと安価に設定されたこともあって、モデルライフ末期のモデルながら異例のヒットを記録。
本来ならシビックシャトル ビーグルは初代CR-Vが発売されるまでのつなぎ役だったはずでしたが、人気が衰えなかったことからCR-Vが登場した後も併売され、1996年まで生産されました。
●三菱「RVR スポーツギア」
クロカン車づくりに長けていた三菱ならではのモデル「RVR スポーツギア」
RVブームで注目されたクロカン車のなかでも、とくに人気が高かったのが三菱「パジェロ」です。
初代がクロカン車人気の火付け役となり、2代目がRVブームをけん引したといっても過言ではありません。
このブームを背景に三菱は次の一手として、1991年にトールワゴンの初代「RVR」を発売しました。
初代RVRはFFミニバンの2代目「シャリオ」をベースに、ホイールベースを短縮するかたちで開発されたモデルで、2列シートの5人乗りながら片側スライドドアを備えるなど、当時としてはかなり斬新なアイデアが採用されています。
エンジンルームを小さくして全高を高くしたことで、比較的コンパクトなサイズながら広い室内空間を確保。ロングスライドを可能にしたリアシートなど、ミニバンに近いユーティリティによってファミリー層やアウトドア派から人気となりました。
搭載されたエンジンは、当初1.8リッター直列4気筒SOHCと2リッター直列4気筒DOHCガソリンでしたが、1992年には2リッター直列4気筒SOHCターボディーゼルを追加し、優れた経済性からさらに人気を獲得。
駆動方式はFFとフルタイム4WDが設定され、1992年には4WDモデルをベースに、よりRVに近いテイストに仕立てた派生車の「RVR スポーツギア」が登場しました。
フロントに本格的なグリルガードとスキッドプレート、リアゲートには背面スペアタイヤキャリアを備え、最低地上高は210mmまで高められており、ウインタースポーツやマリンスポーツの愛好者から絶大な支持を得ました。
RVRは三菱の主力車種の1台として、1997年には初代からキープコンセプトとした2代目を発売。2002年まで生産されて一旦は姿を消しましたが、2010年にコンパクト・クロスオーバーSUVとして7年ぶりにRVRが復活し、現在に至ります。
●スバル「インプレッサ グラベルEX」
ヒットに恵まれず短命に終わってしまったレアモデルの「インプレッサ グラベルEX」
スバルもホンダと同じくブームの頃に自社でクロカン車を生産しておらず、いすゞから「ビッグホーン」をOEM供給してもらい、スバル「ビッグホーン」として販売していました。
しかし、1993年にいすゞとの契約が終了となり、再びクロカン4WDがラインナップから消滅。
そこで、1995年に「インプレッサスポーツワゴン WRX」をベースにしたRV風モデル「インプレッサ グラベルEX(エックス)」を発売しました。
外観ではフロントにグリルガード、リアゲートには背面スペアタイヤキャリアを備え、ボディのカラーリングも専用の2トーンカラーとする定番カスタマイズを採用。
さらに、サスペンションも専用セッティングされ最低地上高が185mmまで高められるなど、クロカン車らしさを演出しています。
一方、WRXと同じく最高出力260馬力を発揮する2リッター水平対向4気筒ターボエンジンを搭載していたことで、高い動力性能を発揮するスポーティなステーションワゴンでもありました。
しかし、インプレッサ グラベルEXは販売的には成功したといえず、1996年のモデルチェンジで廃止となりましたが、1995年には「レガシィ アウトバック」の前身である「レガシィ グランドワゴン」がデビュー。
ステーションワゴンタイプのクロスオーバーSUVというジャンルを確立した先駆者としてヒットしました。
※ ※ ※
SUV人気はまだまだ続く勢いですが、今後増えていくEVとの親和性が高いのも、さらなる人気の後押しとなるかもしれません。
ピュアEVでは大容量のバッテリーを搭載する必要があり、多くのEVはボディの床下に収納しています。そのため、高さ方向のスペースに余裕があるSUVが有利で、すでに各メーカーがEVのSUVを開発し販売している例もあります。
RVブームは一過性のブームで終わりましたが、SUVはミニバンと同じく定番車種になる可能が高いといえるでしょう。
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