マニア受けすること間違いなし? レアで魅力的なステーションワゴン3選
くるまのニュース / 2021年11月19日 6時10分
かつて、日本の自動車市場で隆盛を極めていたステーションワゴンですが、ニーズの変化からラインナップは大幅に減少してしまいました。しかし、直近では新型車が登場するなど、注目を集めています。そこで、マニア受けしそうな高性能ステーションワゴンを、3車種ピックアップして紹介します。
■マニア受け必至のレアなステーションワゴンを振り返る
実用性が高く、セダンに匹敵するドライビングプレジャーを有するクルマといえば、ステーションワゴンです。1990年代の日本ではちょっとしたステーションワゴンブームが起こり、各メーカーが次々に新型ステーションワゴンを発売しました。
2000年代までは数多くのステーションワゴンがラインナップされ、さまざまなモデルが登場しましたが、近年はニーズの変化から人気が大きく低下。
そのため、ステーションワゴンは急激に数を減らし、現在に至ります。すでにステーションワゴン市場から撤退したメーカーもあるほどです。
しかし、ステーションワゴンというクルマ自体の魅力が薄れたわけではなく、直近では新型車が登場するなど、注目を集めています。
そこで、これまで登場したステーションワゴンのなかからマニア受けしそうなレアキャラを、3車種ピックアップして紹介します。
●日産「アベニール GT4」
名機「SR20DET型」エンジンを搭載した高性能モデルの「アベニール GT4」
前述にあるステーションワゴンブームの立役者といえば、1989年に発売されたスバル初代「レガシィ ツーリングワゴン」です。レガシィ ツーリングワゴンは専用に開発されたスタイリッシュなボディに、トップグレードには高性能なターボエンジンを搭載してフルタイム4WDと組み合わせたことから、大ヒットにつながりました。
そこで、各メーカーともスバルに追従するかたちで、スタイリッシュなモデルや高性能モデルなど、次々と新型ステーションワゴンを発売し、ブームに至りました。
当時、高性能ステーションワゴンの定番となっていたのが2リッターターボエンジン車で、そのなかの1台が日産「アベニール GT4」です。
アベニールは商用モデル「ADバン」とボディを共有するステーションワゴンとして、1990年に初代が誕生。
使い勝手の良さとステーションワゴンブームの後押しもあってスマッシュヒットを記録し、1995年には最高出力210馬力を発揮する2リッターターボエンジンと、「アテーサ」4WDシステムを組み合わせた「アベニール サリュー GTターボ」が追加されました。
そして、1998年に2代目が登場すると、スタンダードなモデルの「サリュー」シリーズと、スポーツモデルの「GT4」シリーズという大きく2タイプに分かれたグレード構成となりました。
なかでも高性能モデルのGT4シリーズは、最高出力230馬力を発揮する2リッター直列4気筒ターボ「SR20DET型」エンジンを搭載。トランスミッションは4速ATのみでアテーサを採用し、オンロード性能を重視した高速ツアラーというコンセプトでした。
外観では高性能さをアピールするようなエアロパーツは控えめでしたが、フロントバンパーの下部から覗く前置きの大型インタークーラーによって、ただのステーションワゴンではないことを主張。
その後、2002年のマイナーチェンジでGT4シリーズは廃止され、2005年にはアベニール自体も生産を終え、実質的な後継車である「ウイングロード」には、高性能なグレードは設定されませんでした。
●スバル「インプレッサ スポーツワゴン タイプユーロ」
歴代でも異色のモデルといえ短命だった「インプレッサ スポーツワゴン タイプユーロ」
スバルは前出の初代レガシィのヒットを受け、1992年に1クラス下のセグメントのモデルとして初代「インプレッサ」を発売しました。
インプレッサ誕生の使命のひとつが世界ラリー選手権への参戦で、ベース車が初代レガシィからスイッチされることになり、高性能な「インプレッサ WRX」によってブランドイメージを引き上げることに成功。
そして、インプレッサにもステーションワゴンの「スポーツワゴン」がラインナップされ、高性能グレードからベーシックなグレードまで、幅広く展開しました。
その後、2000年には初代からキープコンセプトとした2代目が登場し、2002年1月にはユニークなデザインのモデル「インプレッサ スポーツワゴン タイプユーロ」が加わりました。
タイプユーロのベースは2代目の初期型である通称「丸目」インプレッサ スポーツワゴンで、1.5リッター、2リッター自然吸気、2リッターターボと、エンジンの違いによる3タイプが設定されました。
また、タイプユーロの大きな特徴は外装のデザインで、スバルとポルシェデザインが共同開発したパーツが組み込まれていました。
具体的にはフロントグリル一体型のフロントバンパー、リアバンパー、ルーフスポイラーが専用にデザインされ、ターボ車には17インチアルミホイールが装着されました。
外観はスタンダードなインプレッサ スポーツワゴンから大きく変わり、各パーツが丸みを帯びた造形だったことから、有機的な印象です。
なお、スバルとポルシェデザインのタッグは、「レガシィ ブリッツェン」シリーズで何度も実現していましたが、インプレッサではこのタイプユーロのみで、しかも2002年11月のマイナーチェンジでフロントフェイスが「涙目」に移行した際に廃止となり、短命なモデルでした。
●トヨタ「カローラツーリング 2000リミテッド」
パワフルな2リッターエンジンを搭載した特別仕様車の「カローラツーリング 2000リミテッド」
最後に紹介するのは現行モデルのトヨタ「カローラツーリング」です。2019年9月にトヨタは12代目となる「カローラ」シリーズを発売。グローバルで販売するカローラと共通のプラットフォームでシリーズ初の3ナンバーサイズとなりましたが、日本市場専用のナローボディを採用したことが話題となりました。
ボディタイプはセダンに加えステーションワゴンの「カローラツーリング」を設定。カローラツーリングはシャープなデザインとなったフロントフェイスに流麗なフォルム、6速MT車をラインナップするなど、スポーティさを強調したモデルとして展開されています。
搭載されるパワーユニットは、1.8リッター直列4気筒エンジン+モーターのハイブリッドと、1.8リッター直列4気筒自然吸気、1.2リッター直列4気筒ターボの3タイプですが、2020年6月に2リッター直列4気筒エンジンを搭載した特別仕様車「カローラツーリング 2000リミテッド」を500台限定で発売。
この今では数少ない2リッター自然吸気エンジンは「RAV4」やレクサス「UX」にも搭載された「ダイナミックフォースエンジン」で、最高出力170馬力を発揮。パワフルなだけでなく高効率によって低燃費化も両立しています。
トランスミッションはパドルシフト付の、10速スポーツシーケンシャルシフトマチック(CVT)が組み合わされました。
外装では、切削光輝+ブラック塗装の専用17インチアルミホイールや、シルバーメタリック塗装のルーフレールなどを特別装備し、カラーリングも特別色を設定。
通常のラインナップでは設定されていないエンジンを搭載した限定車は、カローラツーリングのような比較的実用的なモデルはかなり珍しい存在です。
この2000リミテッドが好評だったことから、2021年4月にはアウトドアテイストの特別仕様車「カローラツーリング アクティブライド」を500台限定で発売。同じく2リッターエンジンを搭載していました。
※ ※ ※
国内ではラインナップが少なくなってしまったステーションワゴンですが、欧州ではまだまだ高い人気をキープしており、欧州車ではラインナップも豊富です。
繰り返しになりますが、ステーションワゴンは優れたユーティリティと走りが魅力のクルマです。
日本で人気が復活しても不思議ではないのですが、今のSUVの勢いを考えると難しいといわざるを得ません。
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