「新車臭は好き?嫌い?」 賛否の「新車特有のニオイ」問題 確実に消すのはムリな訳
くるまのニュース / 2021年12月22日 9時10分
新車を購入すると、車内には独特なニオイが充満しています。新車のニオイの原因とは一体どのようなものなのでしょうか。
■新車特有の独特なニオイ 原因は塗料や接着剤だった
新車の室内には、独特なニオイが充満しています。このニオイは、新車の購入後、しばらくの間は消えることがなく、あまり得意ではないという人も多いようです。
では、この新車特有のニオイは、一体なにが原因で発生するのでしょうか。
新車時には特有のニオイが存在し、それに対する反応はさまざまです。
SNSでは「新車のニオイが好き、消えないでほしい」「なんか新車のニオイっていいよね」など独特なニオイに好印象を覚える人がいる一方で、「新車のニオイは苦手」「新車のニオイで車酔いする」という人もいるようです。
こうした新車時特有のニオイについて、マツダの広報担当者は「クルマの内装部品に使われている塗料や接着剤から蒸発して出てくる、ごく微量の成分が原因となっています」と説明します。
内装に使用されている塗料や接着剤にはと呼ばれる揮発性物質(VOC)が含まれており、成分が空気中に揮発しやすくなっています。
さらに、革のシートを装備している場合には、塗料などのニオイと革のニオイが混ざってさらにニオイを悪化させることがあるようです。
内装に広く使用されている物質が原因となっているため、前述したように新車特有のニオイはなかなか消えることがありません。
なかには、ニオイを消そうとクルマ用の消臭剤を試す人もいるかもしれませんが、あまり効果は得られないといいます。
このことについて、前出のマツダ広報担当者は以下のように説明します。
「基本的には新車特有のニオイは消すことができません。
新車臭がないと感じる車両もあるかもしれませんが、その場合は、別の強いニオイを発生させて新車臭を感じさせないようにしています。
市販の消臭剤は新車臭ではない別の成分の消臭を目的としているため、新車臭を消すというのは難しいかもしれません」
このように、市販の消臭剤では効果があまり得られず、かといって芳香剤を使用すると、逆にいろいろなニオイが混ざり合って悪臭となってしまう可能性もあります。
そんな厄介な新車のニオイについて、前出の担当者は「マツダでは、ニオイ成分が揮発しにくい材料への転換を進めています」と、防止対策を進めていると話します。
ちなみに、新車特有のニオイを消すためには、クルマの窓やドアを開けて、こまめな換気をおこなうことがおすすめです。
ニオイを即座に消すのは難しいのが実情ですが、少しずつ外へ逃がすことで軽減していくことはできます。
■新車のニオイで病気になる可能性も?「シックカー症候群」とは
新車のニオイの主な原因となっているVOCは、人体に悪い影響を及ぼす可能性があると報告されています。
そもそもVOC(Volatile Organic Compounds)には、主に「トリクロロエチレン」「テトラクロロエチレン」「ホルムアルデヒド」「トルエン」「ベンゼン」「キシレン」といった物質、ほかにもアルコール類やケトン類などが存在します。
これらの物質は、乾燥しやすい・親油性に優れているといった特徴を活かし、塗料や接着剤などをはじめとする溶剤や洗浄剤として幅広く利用されています。
その一方で、これらの物質が発するニオイによって、一部の人はアレルギー反応を起こす可能性があり、専門家の間では「シックカー症候群」という名称で浸透しています。
おもな症状としては、頭痛・くしゃみ・頭がボーッとする・関節痛・発疹・微熱・めまいなどが挙げられます。
さらに、これらの症状を放置すると、精神障害・眼科的障害・末梢神経障害・自律神経障害・消化器障害・免疫障害・皮膚炎・喘息などの障害を引き起こしてしまう場合もあり、非常に危険であることがうかがえます。
とくに精神障害や眼科的障害などは、眠くなったり、目に痛みが起きたりすることも考えられ、クルマの運転に支障をきたす可能性が高いといえます。
塗料や接着剤のニオイが新車時の独特なニオイだという
日本自動車工業会でも、シックカー症候群を危険視しており、「車室内VOC低減に対する自主取り組み」をおこなっています。
取り組みの目的としては、「厚生労働省の室内濃度に対する指針値指定13物質に対し、乗用車については2007年度発売の新型車から、トラック・バス等商用車については2008年度発売の新型車から指針値を満足させる。また、それ以降も各社さらに室内濃度低減に努める」としており、車内のVOCを一定の基準値以下になるよう呼びかけています。
※ ※ ※
もし、新車のニオイで具合が悪くなったと感じた場合には、一度停車して外の空気を吸ったり、車内の換気をおこなったりしましょう。
新車のニオイが苦手だと自覚している人は、乗る前にドアや窓を開けてクルマを換気しておくのが良いかもしれません。
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