年末年始の車のトラブル「バッテリー」と「タイヤ」に要注意! “突然死“を避ける対策とは?
くるまのニュース / 2021年12月29日 14時50分
年末年始は、何かとクルマの利用頻度が増える時期でもあります。しかし、そんな忙しいときに限ってトラブルが出やすかったりするものです。年末年始には起こりがちなクルマのトラブルにはどのようなことがあるのでしょうか。
■年末年始に起こりがちなクルマのトラブルとは?
年末年始は何かとクルマの利用頻度が増える時期でもあります。年末年始の休暇前に済ませたい仕事はもちろん、買い出しや帰省など、普段あまり運転しない人でもクルマを利用する機会があるでしょう。
しかも、そんな忙しくなるときに限って、クルマのトラブルが起こりがちです。
年末年始で起きそうなクルマのトラブルにはどのようなことがあるのでしょうか。
全国でロードサービスを展開するJAF(日本自動車連盟)によると、2020年度の出動件数のTOP3は、1位「過放電バッテリー」、2位「タイヤのパンク・バースト・エアー圧不足」、3位「破損/劣化バッテリー」となっています。
この3つのトラブルが全体の60%強を占めており、4位の「落輪・落込」もタイヤ関係のトラブルとして換算すると、約70%にも達します。
つまり冬に発生するトラブルの原因や箇所の3分の2は、バッテリーとタイヤ関連に集中しているということがわかります。
バッテリーに関するトラブルは、冬という季節的要因が大きく関係するといわれていますが、さらに最近は新型コロナ禍の影響もあるようです。
クルマのバッテリーは、エンジンがかかり走り出してオルタネーターで発電することし蓄電することを前提にした構造になっており、蓄電量は意外にも小さいものです。
普段なら走行を繰り返すことで十分な発電もおこなわれ、使い続けることができる訳ですが、それがテレワークなどにより走行回数が減れば発電機会も減り、メンテナンスもされずに放置されっぱなしだと蓄電量も徐々に減ってしまい、バッテリーのトラブルが発生するのです。
冬は暖房などでエアコンの稼働率が上がります。日が暮れるのも早くなり必然的にライトや照明を使う時間も増加。さらに年末に多く発生する街中の渋滞も増え、ただでさえ弱っているバッテリーにとっては「シビアコンディション」でしかありません。
その結果が「過放電バッテリー」いわゆる「バッテリー上がり」だったり、もっとひどい場合は「破損/劣化バッテリー」と呼ばれるバッテリーの突然死を招くこともあります。
バッテリーに対してはいくつかの解決策があります。もっとも確実なのは、新品へ交換することです。
使い方によってはバッテリーを長期間持たせることも可能ですが、車検のタイミングと同じ2年程度で新品に交換するのが良いでしょう。
また以前は自分で交換することも容易でしたが、最近はさまざまなセンサーが誤動作を起こすことからログの初期化が必要となることが増えています。自分で交換が難しい人は、プロに頼むのが手っ取り早いです。
万が一のバッテリー上がり対策として「ジャンプスターター」と呼ばれるモバイルバッテリーを購入しておくことをお勧めします。
これまではブースターケーブルをほかのクルマと繋いで電気を分けてもらうことが主流でしたが、バッテリーが動かないときに限って助けてくれそうなクルマは周囲にいないものです。
通販でも数千円で購入できますし、大きさもあまり嵩張らないので、ラゲッジスペースに入れてさせておくと非常に心強いアイテムです。
■長期間乗ってないクルマはタイヤの空気圧に注意!
クルマのトラブルの定番であるタイヤは、長期間駐車しっぱなしという場合に悪影響が出てくる可能性があります。
そもそもタイヤの空気は、時間の経過とともに少しずつ抜けていきます。適正な空気圧にしていても、数か月乗らなければ「エアー圧不足」になり、偏摩耗が発生しやすくなり、これが起因となってパンクやバーストを引き起こすこともありえるのです。
タイヤの空気は徐々に抜けていくのでこまめなチェックが必要
タイヤに関する対処法は、事前と事後ではかなり大きく違います。トラブルを未然に防ぐためには「エアー圧不足」を解消することが大切です。
最近ではセルフ式のガソリンスタンドが増えたため、スタッフにクルマをチェックしてもらう機会が減りましたが、たまには有人式ガソリンで給油するついでにエアー圧を確認してもらうのがお手軽かつ有効です。
セルフ式のガソリンスタンドにも空気入れがあるので、定期的に空気を入れると良いしょう。
そして、降雪地域に住んでいる人はスタッドレスタイヤに履き替えますが、それほど雪が降らない地域に住んでいる人は、サマータイヤのまま冬を過ごす人もいるでしょう。
しかし、スタッドレスに履き替えずにサマータイヤで雪道を走ってしまうと、グリップ不足でスリップやコーナーで曲がりきれず側溝などに「落輪・落ち込み」といった事故が発生します。
また、スタックして動けなくなり、周りのクルマが足止めされるという事態も起こり得ます。そもそも雪道をサマータイヤで走行するのは法令違反です。
冬でも雪がほとんど降らない地域でスタッドレスを履くことに二の足を踏んでいる人にお勧めなのはタイヤチェーンです。
さらに最近は駆動輪に靴下のように被せる「スノーソックス」や「オートソック」という商品があります。
1万円前後で購入でき、装着すれば「チェーン規制」の道も走行可能で、年に1、2回しか雪道を走らない人にはお勧めですが、長距離の走行には向いていないのでその点は注意が必要です。
※ ※ ※
クルマのトラブルはメカニカルなことばかりではありません。とくに最近は、減少傾向とはいえ、「あおり運転」の被害に遭わないようにすることも大切です。
年末年始は心理的に焦りやすい時期だといえます。「年内に仕事を完了させたい」「イベントが多い」「時間に余裕がない」などのプレッシャーが焦りとなり、自分の都合を優先させる行動を取りがちになるようです。
また、帰省ラッシュやリターンラッシュは渋滞も多発するため、それだけでもイライラするドライバーが増えます。
そのような心理状況の人の気に触るような行動を取ってしまうと、執拗に追いかけられたりクラクションを何度も鳴らされたりといったあおり運転へとつながることがあります。
あおり運転にあったときは、安全な場所で左に寄り、ハザードを点灯して停車することです。
相手がクルマから降りてきて危害を加えられそうな場合はドアロックしてその場から警察に通報するのが最善策です。
「窓を開けろ」といわれても警察が到着するまで開ける必要はありません。
また、状況証拠を残せるアイテムとして装着率が上がっているのが「ドライブレコーダー」です。
前方のみ、前後撮影可能な2カメラ、360度全方位撮影可能なタイプなどがありますが、後ろからあおられるケースが多いので、後方も記録できるものがお勧めです。
あおり運転は最悪な行為ですが、あおられる側が原因を作るような運転をしている可能性もあります。
追い越し車線は使わない、パッシングやクラクションもしない、またゆっくりではなく流れに乗った速度で走行するなど、周囲に溶け込む運転を心がけることで防げるのではないでしょうか。
あおり運転では争うのではなく無事にやり過ごすことが最優先。そのためにも、周囲に迷惑をかけない運転を心がけることも大切です。
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