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元白バイ隊員が激白! 暴走族と旧車會ナニが違う? 取締りの変化と現状とは

くるまのニュース / 2022年1月4日 7時30分

度々耳にする暴走族と旧車會。それぞれにはどのような違いがあるのでしょうか。今回は元白バイ隊員に現役時代の話を聞いてみました。

■集団行動や上下関係は嫌! 暴走族のグループ未加入者は約8割

 令和3年版(2021年)の交通安全白書によると、令和2年末(2020年末)の暴走族のグループ数は131、人員は5714名ということがわかりました。
 
 昨今では、暴走族以外に旧車會という言葉を耳にします。
 
 今回は、元白バイ隊員に暴走族と旧車會の違いや、取締りの変化と現状などを伺ってみました。

 暴走族のグループ数は昭和48年末(1973年末)に600を超えていましたが、わずか1年後に865まで急増。100人以上のグループも70近くあったことがわかっています。

 その後、昭和の終わりに掛けて暴走族は減少していきましたがバブル華やかな頃に再び増加。

 平成4年(1992年)にはグループ数としては昭和50年代とほぼ同じ847グループを数えるに至りました。

 その後は年々、減少しており、平成28年(2016年)に208グループ、そして最新データとなる令和2年には131まで減少しています。

 構成員数としては昭和57年(1982年)の4万2,510人が最多でしたが令和2年には史上最低の5714人となっています。

 いっぽう、暴走族と名がつくグループは激減しているものの、旧車會と呼ばれる新たな集団の数は今や暴走族を大幅に超えており、令和2年の旧車會グループ数は510、5583人がメンバーとなっています。

 ただ、実際は暴走族におけるグループ未加入者は約8割と多く、暴走族も旧車會も1グループあたりの構成員数はそれほど変わらないともいえます。

 集団行動を嫌う若者たちの傾向を反映しているようで、小グループ化がすすんでいるようです。

 旧車會はそれぞれのチームにもよりますが、暴走族に比べると概してマナーが良く、純粋にバイク好きな人たちが集まっているという見方もあります。

 以前、筆者(加藤久美子)が取材をおこなった関東地方の旧車會の上層部は、暴走族ほど上下関係が厳しくなく、10名以下の少人数でツーリングすることも多いため、10代、20代の若い構成員も暴走族を経ず、直接、旧車會に入ってくるケースが増えていると話していました。

■時代の変化? 昨今は「暴走族」から「暴走グループへ」がトレンド?

 激減している暴走族ですが取締りの現場にいる警察官はどのような思いで取締りにあたっているのでしょうか。

 白バイ隊員として関東地方の警察署で約10年間勤務し、うち8年間を白バイ隊員として数多くの暴走族を取り締まって来た「パオパオ係長@paopaopoliceさん」に話を伺いました。

 パオパオさんは現在、SNSで交通安全や警察に関する情報を発信しています。

――パオパオさんが感じていらっしゃる暴走族の変化にはどのようなことがありますか?

 暴走族の全盛期といわれ、活動がもっとも盛り上がっていた今から40年ほど前は今とは比較できないほど構成員が多く、ベテランの白バイ隊員の上司からはおおやけにできない暴走族を追いかけ回した話や初日の出暴走での大規模取締りの話をよく聞かされました。

 私が警察官になった10年前はすでにそこまでの大規模な暴走行為は少なくなっていましたが1年に何度か、ゴールデンウィークなどの大型連休や成人式、ハロウィンのイベント時期に暴走行為の事前情報があると、本部のマル走対策班(交通捜査課)が企画して取締りの体制を確保していました。

 しかし、実際には100台レベルが集結し走行するような暴走行為は見たことありません。

 多くても10台程度ですね。10台も集まれば多いと感じます。

 白バイで取締り中に何十台もの暴走族に出くわすこともごくたまにありましたが、実際に1人で出くわしても、下手に手を出せません(苦笑)

――やはり取締りの現場からみても暴走族の数は減っているのですね?

 はい。減っているというより、昔と比べると絶滅危惧種といった感じです。暴走族の定義が変わっていると感じますね。

 以前の暴走族といえば全国各地に地元の暴走族グループがあってヤンチャしている中学生が加入していました。

 加入すると暴走族のルールに従い上納金や決まった集会に参加しないといけない、抗争には参加しないといけない、などさまざまな決まり事がありました。

 その一方で「暴走族メンバー」になることは彼らのなかではステータスでもあり、またある程度は身の安心が約束されていた一面もあったと思います。

 暴走族に加入せず一人で単車に乗り目立っていると、目をつけられることがあったので、半分は強制のように加入している子も多くいました。

 必然とヤンキーは暴走族に入るような流れもあり人数は膨れ上がりました。

――現在の暴走族はどんな感じですか?

 現在は大人数で集まってつるむことも無くなっています。

 一人で気楽に走ったり、仲の良いい少人数で走ったりしています。

 私のイメージでは,「暴走族」というより「暴走グループ」に変わっていきました。
平均すると5~6人位のイメージです。

――暴走族はどんな地域に多いですか?

 首都圏であっても田舎の人が圧倒的に多いです。同じ都県内でも圧倒的に110番通報が多いのは田舎エリアからでした。

 なので、個人的なイメージでいうと関東であれば群馬・栃木:茨城のほうが都内に近い千葉・埼玉・神奈川よりも多いということですね。

――旧車會と暴走族は警察から見てどれくらい違うのでしょうか?

 旧車會は今や暴走族より多いかもしれませんね。旧車會は白バイで取締りをしても、大人しくマナーの良い人が多いのでまともな会話ができます。

 年齢も20代後半から40代くらいまでが中心で落ち着いている人が多いので荒れる現場はあまりないです。

 しかし、すべての旧車會が交通安全や法令遵守の意識が高いわけではありませんし、なかには悪質な旧車會もいます。

 実際に私も手を焼いたことがありました。大人数で走行するのは、暴走族より旧車會のほうが多いですね。

――実際、暴走族に入っている若者ってどんな感じなんでしょうか?

 集団で集まると調子に乗っちゃう、個人個人は素直な子が多いです。

 今は昔の漫画のように気合の入った強気のタイプは少ないです。

 もともとバイク好きの子が多いので、白バイの話やバイクの話から話が盛り上がることもあり、いがみ合う子はそこまでいませんでした。

 ただ、集団で集まると悪い方にいってしまう。困ったものですね…。

元白バイ隊員が激白! 取締りの変化と現状とは(過去の様子を撮影:加藤ヒロト)元白バイ隊員が激白! 取締りの変化と現状とは(過去の様子を撮影:加藤ヒロト)

――白バイ隊員時代に思い出に残っているエピソードはありますか?

 暴走族のリーダーを捕まえたとき、最初は分かり合えない関係でしたが、話している内に打ち解けて、最終的には、「パオパオさんには迷惑は掛けたくないから、パオパオさんの管内では走らない」と約束してくれました。

 最初は冗談と思っていましが、その後、私の管内でそのグループはまったく走らないことがありました。

 リーダーだけあって、仲間にも「パオパオの管内で面倒は起こすなよ!」といってくれていたことがありました。(隣の管内ではよく110番が入っていましたが…笑) 

 意外と人情があるタイプもいるんだなぁと思いました。

※ ※ ※

 激減している暴走族ですが、前述の通り警視庁では2021年も年末年始に大規模な取り締まりをおこなうことを発表しています。

 とくに12月31日は、渋谷駅周辺で大規模な検問を実施し取締りを強化

 ここで注意すべきは検問の対象となるのはいわゆる暴走族だけではなく、不正改造車も対象になるということです。

 車検不適合のマフラーやタイヤのはみだし、フロントガラスのステッカー類など貼っているクルマは注意したほうがよさそうです。

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