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「空いてればOK」は間違い! 「車いすスペース」誰が駐められる? マーク貼っても「NG」な人の条件

くるまのニュース / 2022年5月8日 7時30分

高速道路のサービスエリア・パーキングエリアには、車椅子のマークが表示された「障がい者専用駐車スペース」が設置されています。その名の通り、障がいのある人が利用できる駐車枠ですが、ほかにはどのような人が利用できるのでしょうか

 スーパーやデパートの駐車場、高速道路のサービスエリア・パーキングエリア(以下、SA・PA)には、車椅子のマークが表示された「障がい者専用駐車スペース」が設置されていることがあります。
 
 その名称の通り、障がいのある人が利用できる駐車枠ですが、ほかにはどのような人が利用できるのでしょうか。

 障がい者専用駐車スペースは、施設の入り口にほど近い場所に設置されているのが一般的です。

 路面を青に塗り分けて、視覚的にほかの駐車スペースとの差別化が図られている場合もあります。

 車椅子を利用している人など、身体的な障がいを持ち、歩行が困難な人が利用している光景を見かけます。

 障がい者専用駐車スペースでは、枠の端から枠外側の余白をもたせたスペースまでが350cm以上とされており、車椅子を利用する人が、クルマから乗り降りがしやすいように設計されています。

 通常の駐車枠は、一般的に横幅250cmほどであるため、クルマを停めてしまうと車椅子ごと車外に降りるのはスペースの関係上難しくなっているため、車椅子を利用している人に優しいスペースです。

 また、これらの条件以外に利用出来る人について、NEXCO中日本の担当者は、障がい者専用駐車スペースについて、「高齢者、怪我をされた人や妊産婦の人なども利用することができます」と説明します。

 障がい者専用駐車スペースの付近には、「こちらの駐車場は妊婦さんもご利用になれます」の文言とともに、マタニティマークが表示された看板が設置されていることもあります。

 お腹の大きな妊婦さんは、車椅子ユーザー同様に、通常の駐車枠において、クルマとクルマの間の狭いスペースを移動することが難しい場合もあります。また、クルマの乗り降りがしづらく、人の手を借りるケースもあるでしょう。

 怪我をしている人や高齢者の場合も同様の背景から、障がい者専用駐車スペースを利用できることになっています。

 一方で、当然ながら一般ユーザーの利用推奨されておらず、前出の担当者も「一般の人の駐車はご遠慮いただくようお願いします」と話しており、決められたユーザーのみの利用を求めています。

 現在は、障がい者専用駐車スペースに一般ユーザーが駐車することに対する罰則などは定められていません。

 ただ、そうした事案によって、本当に障がい者専用駐車スペースを利用するべきユーザーが困ってしまったという事態も少なくないようです。

 とくに、連休中の高速道路ではSA・PAが混雑し、なかなかクルマを駐車できないときもあります。

 そのような場合であっても、障がい者専用駐車スペースは、誰がどのように利用するものなのかを改めて思い出し、必要な人が適切に利用できるようにしましょう。

■身体障害者スペースで見られる「国際シンボルマーク」 クルマに貼っても効力はナシ?

 そんな障がい者専用駐車スペースですが、そもそもNEXCOや各施設の運営者が任意で設けているものではありません。

 国がバリアフリー新法などの規定によって、各施設に設置を義務付けているものとなっています。

 また、障がい者専用駐車スペースには、青地に白い車椅子のマークがデザインされた「国際シンボルマーク」が表示されているのが一般的です。

 国際シンボルマークとは、国際リハビリテーション協会が採択したもので、その施設が障がいのある人が利用できるものであることを表すマークです。公共施設をはじめ、公共交通機関など、世界中のあらゆる場所で活用されています。

 日本では、日本障害者リハビリテーション協会(JSRPD)が管理しているものとなっており、当協会では、正しい方法で利用することを広く呼びかけています。

 本来、国際シンボルマークは、バリアフリー新法や自治体の規定など、決められた基準をクリアした施設が、障がい者が利用できることを証明するために表示できるマークです。

国際シンボルマークについて(資料:総務省)国際シンボルマークについて(資料:総務省)

 一方、クルマへの貼り付けについては、JSRPDが以下のように注意喚起しています。

「個人の車に表示することは、国際シンボルマーク本来の主旨とは異なります。 障害のある方が、車に乗車していることを、周囲にお知らせする程度の表示になります。 したがって、個人の車に表示しても、道路交通法上の規制を免れるなどの法的効力は生じません」
 
 加えて、「駐車禁止を免れる、または障害者専用駐車場が優先的に利用できるなどの証明にはなりませんので、ご理解の上ご使用下さい」としており、法的効力やなんらかの証明としての効力はありません。

 そのため、国際シンボルマークを貼り付けていることと、障がい者専用駐車スペースに駐車することはまったくの別問題であり、マークを貼り付けているからといって、一般ユーザーが障がい者専用駐車スペースに駐車しても良いわけではありません。

 国際シンボルマークについて、誤った認識を持ってしまわないように注意しましょう。

※ ※ ※

 ちなみに、都道府県によっては「パーキングパーミット制度」が導入されており、乗員が障がい者専用駐車スペースに駐車できる人であることを公的に証明できるようにしているところもあります。

 パーキングパーミット制度とは、対象者(障がい者専用駐車スペースに駐車できる人)に利用証を交付することで、障がい者専用駐車スペースの適正利用を図る制度です。

 利用証は、車内に掲示できるコンパクトな表示版のようなもので、国土交通省が公表する「パーキング・パーミット制度の導入状況」によると、2019年1月までで全国37の都道府県に制度が導入され、利用証は約96万6000枚が発行されています。

 パーキング・パーミット制度の導入が広まることによって、障がい者専用駐車スペースを利用できる人が安心かつスムーズに駐車できるようになり、不正利用の減少も見込めます。

 2007年時点では、全国7県にしか導入されていなかったことを考慮すると、現在ではかなり導入数が増えており、今後も拡大していくものと見られます。

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