クルマに「謎のヨット」点灯、なぜ? 赤でも青でも要注意! 可愛いアイコンで気をつけるべき理由とは
くるまのニュース / 2023年8月28日 11時10分
クルマのメーターに表示される警告灯に「謎のヨット」のようなものがあります。実は非常に重要な意味を持っています。
■クルマなのに「ヨット」?その警告灯の意味は?
メーターパネル内に表示される警告灯のひとつに「謎のヨット」のようなものがあります。
普段はあまり気にすることのないこの警告灯ですが、実は非常に重要な意味を持っています。
メーターパネル内に表示される警告灯には、直感的に理解しやすいシンプルなデザインが採用されています。
ただ、なかには一見しただけでは理解しにくいものもあります。
たとえば、帆を立てたヨットが波の上に浮かんでいるかのようなデザインの警告灯がそれにあたります。
結論から言えば、この警告灯はエンジンの冷却水の温度に異常があることを示すものです。
「帆を立てたヨット」は温度計、「波」は冷却水をイメージしており、この警告灯が青く点灯すると冷却水が低温であること、赤く点灯すると冷却水が高温であることを意味します。
一般的に、冷却水の温度は70度から100度程度が適正とされています。
なんらかの要因によって冷却水の温度がこの範囲内から大きく外れると、警告灯が青または赤に点灯して注意を促します。
警告灯が青く光った場合、特に異常がなければ、アイドリング状態を数分続けておくことで冷却水が適正温度まで上昇し、追って警告灯は消灯。
一方、警告灯が赤く光った場合には、ただちにエンジンを停止し冷却水およびエンジンの温度が低下するのを待たなければなりません。
冷却水の温度が高い状態で走行を続けるといわゆるオーバーヒートの状態になり、エンジンが強制的に停止するおそれがあります。
走行中にエンジンが停止すると非常に危険であるため、警告灯が赤く点灯した際には絶対に走行を継続してはいけません。
エンジンの冷却技術がじゅうぶんでなかった時代には、オーバーヒートを避けるためにドライバーは常に水温計を意識しておく必要がありました。
そのため、2000年ころまでのクルマには、細かな目盛りのついた水温計を備えたものもめずらしくありませんでした。
しかし、現在のクルマは炎天下の中で長時間走行をしたとしても、エンジンがオーバーヒートすることはまずありません。
その結果、水温計を備えず、異常を知らせる警告灯のみを備えたクルマが増えつつあります。
■水温異常でエンジン停止! 実際に経験したユーザーは
現代のクルマがオーバーヒートを起こすことは稀ですが、少し古いクルマで炎天下のなか高速道路を長時間走行したりすると、水温が異常に上昇してしまうことがあります。
高速道路を走行中、オーバーヒートによるエンジン停止を経験したというある男性は次のように話します。
「高速道路を走行していた際、ボンネットのすきまから『煙』のようなものが出てきたと思った直後にエンジンが停止してしまいました。
あとで調べたところ、ホースの劣化により穴が空き、そこから冷却水が漏れ出したためにエンジンを冷却することができなくなっていたようです。
『煙』と思ったものは、漏れた冷却水がエンジンの熱で蒸発した際の水蒸気でした。
私のクルマには目盛り付きの水温計が備わっていたのですが、振り返ってみるとその針は高温側に振り切れていたようです。
そこから先、そのクルマを運転する際には水温計を常に意識するようになりました」
警告灯が青く点灯すると冷却水が低温であることを示している
高速道路上で停止してしまったというこの男性は、ロードサービスを呼んで近くの修理工場へとクルマを運び込んだそうです。
しかし、その後に待っていたのは驚きの修理費用だったと言います。
「ロードサービスで運び入れた修理工場では、まず応急処置として劣化したホースを補修してもらいました。
その後、そのクルマを購入した中古車販売店で本格的な修理を行ってもらったのですが、エンジンの内部まで焼き付いてしまっており、かなりの修理費が必要となってしまいました」
この男性の愛車が少しめずらしい輸入車だったことも関係しているようですが、その修理費は「数百万円」だったと言います。
こうした事態を避けるためにも、古いクルマなどでは特に水温計は常にチェックしておく必要がありそうです。
※ ※ ※
車種によっては、水温計のほかにエンジンオイルの温度を示す油温計が備わっている場合があります。
冷却水の温度と同様に、エンジンオイルにも適正温度があります。
適正温度より高くても低くてもエンジンにダメージを与えてしまうおそれがあるため、適正温度に保たれているかには常に気を配るようにしましょう。
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