「ブレーキを踏んでも止まらなかった…」 冬場のスリップ事故どう防ぐ? 覚えておくべき対策とは
くるまのニュース / 2024年1月20日 18時10分
2024年は例年と比べて暖冬傾向と予想されているものの、1月中旬には寒気が襲来し、東日本を中心に各地で気温が低くなったほか、大雪が降りました。路面が凍結するとクルマはスリップしやすくなりますが、一体どのような対策を取れば良いのでしょうか。
■スリップ事故にはどんな特徴がある?
全国各地で冷え込む時期が続き、スリップ事故が相次いで発生しています。
路面が凍結するとクルマはスリップしやすくなりますが、一体どのような対策を取れば良いのでしょうか。
スリップ事故を未然に防ぐには?
2024年は例年と比べて暖冬傾向と予想されているものの、1月中旬には寒気が襲来し、東日本を中心に各地で気温が低くなったほか、大雪が降りました。
宮城県や富山県、栃木県などでは路面が凍結し、クルマのスリップ事故も多数発生しています。
X(旧Twitter)では自動車ユーザーから「いたる所でスリップ事故を目撃した!」「路面が凍結していてブレーキを踏んでも止まらなかった」などの声。
「前のクルマがブレーキを踏んだらスリップして、もらい事故した」という報告も寄せられています。
今後も同様の寒さは続きますが、スリップ事故を起こさないためにはどのような対策を取れば良いのでしょうか。
まず、スリップ事故が発生しやすい時間帯や場所、原因などについて知っておくことが大切です。
多くの降雪に見舞われる北海道警察では、過去5年度のスリップ事故のデータをまとめた「スリップが要因となる交通事故実態」という資料を公表しています。
同資料によると、スリップ事故は12月がピークとなる傾向にあるものの、次いで1月と2月に多く発生しています。
また負傷事故は通勤・帰宅時間帯の7時~9時台、17時台に多く、焦りが生じやすい通勤時にこそ落ち着いた運転が求められます。
「会社や学校に遅刻しそう」といった理由で慌ててしまうドライバーも少なくないため、早めに自宅を出発するなど余裕を持って行動したほうが良いでしょう。
さらに注目すべきは、「市街地」より「非市街地」での死亡事故が圧倒的に多く、市街地での死亡事故率0.1%に対して非市街地の死亡事故率は6.6%と、66倍にも上ることが明らかになっています。
特に非市街地の死亡事故は「直線」と「カーブ」の道路で多く発生し、市街地と比較して交通量が少ないためにスピードが出やすく、その結果スリップ事故を起こす可能性が考えられます。
たとえ周囲にクルマがいなくても、スピードを落として慎重に運転することが重要です。
そのほか、スリップ事故の当事者の多くは死亡事故・負傷事故ともに「ハンドル操作」や「ブレーキ操作」を誤っていたことも判明しています。
たとえば片側1車線の道路で普通車のドライバーが、対向してくる大型トラックを避けようと不用意にハンドルを切ったり、急ブレーキをかけたりしたところスリップし、結果トラックと正面衝突する事故も多数起きています。
急ハンドルや急ブレーキ、急加速など「急」のつく運転はスリップやスピンの原因となるため、道路が凍結している場所では十分にスピードを落とし、ゆっくりとしたハンドル・ブレーキ操作を心がけましょう。
また事故類型別のスリップ事故件数では、死亡事故は「正面衝突」、負傷事故は「追突」が最も多いという結果でした。
とりわけ追突事故は過去5年度で1578件、つまり北海道だけで1年に300件以上発生している計算であり、前方のクルマとの車間距離をいつも以上に空けておくことも必要です。
そして橋の上や坂道、山道、日陰の場所、トンネルの出入口付近などの道路は凍結し、スリップしやすいことも分かっています。
加えて、道路が濡れているように見えて実は表面が凍っている「ブラックアイスバーン」の状態も非常に滑りやすいため、スリップするかもしれないという危険予測運転が肝要といえます。
※ ※ ※
凍結路では、たとえ冬用タイヤを装着していてもスリップすることがあり、過信してはいけません。
スリップ事故を起こさないためには、ゆっくり・慎重な運転をすることはもちろん、日頃から天気や道路状況を確認する習慣を身につけることも大切といえるでしょう。
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