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使い道ほぼ無い「謎のレア免許」 「大型特殊二種」と「けん引二種」はいつ使う? 全国に511人しかいない? どんな人が取得する?

くるまのニュース / 2024年1月25日 14時10分

日本の運転免許の区分には「大型特殊第二種免許」と「けん引第二種免許」が存在しますが、ごく限られた条件でしか使用する機会がありません。それはどのような場面なのでしょうか。

■免許を取ってもほとんど使えない「謎の免許」とは

 運転免許にはさまざまな種類があるものの、「大型特殊第二種免許」と「けん引第二種免許」を持っているドライバーはほとんど見かけません。
 
 使える場面も非常に少ない免許ですが、一体なぜ取得する人がいるのでしょうか。

 自動車を運転するためには、その車両に応じた運転免許を取得しなければいけません。

 運転免許には公道を運転するための「第一種免許」と、バスやタクシー、運転代行など旅客運送をするために必要な「第二種免許」があります。

 さらに第一種免許は大型免許、中型免許、準中型免許、普通免許、大型特殊免許、けん引免許、大型二輪免許、普通二輪免許、小型特殊免許、原付免許の10種類。

 第二種免許は大型免許、中型免許、普通免許、大型特殊免許、けん引免許の5種類に分けられます。

 ドライバーの中には免許を1種類のみ取得する人がいる一方、バイクでツーリングをするために普通・大型二輪免許を取る人や、貨物の輸送で大型トラックを運転するために大型免許を取得するドライバーなどもいます。

 趣味や仕事の関係で複数の運転免許を持っている人も多いといえるでしょう。

 しかし、「大型特殊第二種免許」と「けん引第二種免許」を取得しているドライバーはほとんどいません。

 警察庁が公表している統計資料「運転免許統計令和4年版」によると、2022年における大型特殊第二種免許の保有者数は全国で1709人、けん引第二種免許は511人でした。

 なお2022年の免許保有者は8184万549人であり、大型特殊第二種免許は免許保有者全体のわずか0.002%程度、けん引第二種免許に至ってはもっと低い0.0006%程度であり、これらの免許を取得している人は非常にレアだといえます。

 加えて、この2種類の免許を取得しても使える場面はほぼ皆無です。

 たとえば大型特殊第二種免許を持っていればブルドーザーや大型の除雪車などを使って旅客運送業務ができるものの、基本的にそれらの車両に客を乗せて運行することはありません。

 また、けん引第二種免許があればトレーラーバスを運転できますが、日本にはトレーラーバスが全国で1台しか存在しないため、運転する機会はまずないといえるでしょう。

 ちなみに国内唯一のトレーラーバスは、かつて東京都あきる野市と東京都日の出町を結んでいた路線バス「青春号」であり、現在は路線バスとしての運行を終了しているものの民間事業者に引き取られ、日の出町の地域振興に活用されています。

 このように、大型特殊第二種免許とけん引第二種免許は使い道のない運転免許といえますが、一体なぜ取得する人がいるのでしょうか。

 その大きな要因として、「フルビット免許証」の取得を目指す人がいることが挙げられます。

 フルビット免許証とは15種類ある免許をすべて取得し、運転免許証の中央下部にある「免許の種類」の欄が完全に埋まった免許証のことをいい、非常に珍しいため一部の自動車ユーザーから尊敬を集めています。

 つまり、免許として使い道がなくても「免許の種類」の欄をコンプリートするために取得する必要があるというワケです。

 SNS上においては「ついにフルビット免許達成しました!」と喜びの声や、「フルビット目指して免許取得中です」などの声も多数寄せられており、全ての免許取得に挑戦する人が一定数いる様子もうかがえました。

 そのほか、けん引第二種免許に関しては「免許マニアの人に勧められた」「大昔にトレーラーバスの普及を見据えて取得した」という人もいたようです。

※ ※ ※

 大型特殊第二種免許とけん引第二種免許については、技能を教えられる自動車教習所が極めて少ない状況です。

 また2022年中の合格率は大型特殊が33.7%、けん引が21.7%と低い傾向にあり、これらの免許取得には高いハードルがあるといえるでしょう。

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