マツダ新型「“ロータリー”スポーツ」市販化へ! ポルシェ級スペック? 2ローター搭載!? どんなクルマに仕上がるのか
くるまのニュース / 2024年4月9日 18時10分
ロータリーエンジン搭載のコンセプトカー、マツダ「アイコニックSP」が市販化に向けた動きをみせています。今後どのようなスポーツカーが誕生するのか、徹底予想します。
■マツダが考える次世代ロータリースポーツカーは「只者ではない」はず!
マツダが2023年10月に世界初公開したロータリーEVスポーツカーのコンセプト「アイコニックSP」ですが、2024年1月にはマツダ 代表取締役社長兼CEOの毛籠 勝弘氏がロータリーエンジン開発チームを立ち上げたと発表し、市販化に向けて動き出したと注目されています。
会見では「ポルシェ911相当のパフォーマンスを秘めている」とも発言していますが、いったいどのような「ロータリースポーツ」となるのでしょうか。
アイコニックSPは、ジャパンモビリティショー2023(JMS2023)にてワールドプレミアされた2シーターのロータリーEVスポーツカーです。
正確には、2基のロータリーエンジンを発電専用に使うPHEV(プラグインハイブリッド車)ですが、最大システム出力は370PSにもなります。
対して、車両重量は1450kgと軽量であり、これを前出の社長発言で“ポルシェ911相当のパフォーマンス”と表現していたのです。
ボディサイズは全長4180mm×全幅1850mm×全高1150mm、ホイールベースは2590mm。現行ロードスター(3915mm)より長く、FD型「RX-7」(全長4290mm)よりもコンパクトです。
エンジン以外のトピックとしては、FD型RX-7以来の登場となったリトラクタブルヘッドライトや、ドアが垂直に跳ね上がるシザーズドアの採用などですが、これらはあくまでショー向けコンセプトカーとしての加飾だと思われ、参考程度に捉えておいたほうがいいでしょう。
では、次世代のロータリースポーツはどういった姿になるのでしょうか。
ハイパフォーマンスを優先すれば、出力の大きな駆動用モーターと大きなバッテリーを積んだBEVにして、カッコいいボディをかぶせるのがもっとも簡単ですが、マツダは、もっと高尚なスポーツカーのシナリオを考えていると筆者(吉川賢一)は予想します。
そしてそのシナリオでは、軽量かつパワフルなロータリーエンジンがキーアイテムとなるはずです。
カーボンフリー時代を見据えた場合、直列エンジンよりも効率の劣るロータリーエンジンをガソリン燃焼で駆動するというスポーツカーは、もはや社会が許してくれません。
しかしながら、ロータリーエンジンが燃焼できるのはガソリンだけではありません。
マツダ役員はメディアに向けて、ロータリーエンジンは水素や合成燃料(e-fuel)でも回せる「雑食性」があり、将来的に可能性があるとしています。
おそらくマツダは、ガソリン燃焼で発電して走る2ローターPHEVをベースとして、水素燃焼やe-fuel燃焼といったカーボンフリー技術で走るロータリースポーツへとコンバートしていくシナリオを描いているのではないでしょうか。
そうなればエンジンの駆動で直にタイヤを駆動したり、マニュアルミッションを復活させたりもできます。
マツダは、3世代に渡って作り続けたRX-7で、「絶えず進化させ続ける」という理念を込めていたので、その理念とも合致します。
トヨタも2024年1月開催の「東京オートサロン2024」の場で、新たに新型エンジン開発プロジェクトを立ち上げると発表しています。
トヨタでは1.5リッター直列4気筒エンジンをベースに検討中とのことですが、10年後を見越したマルチソリューションとして、マツダのロータリーエンジンの未来にも光明が差しているようです。
※ ※ ※
ロータリーエンジンの強みは「小さくて軽い」ことです。そのため、フロントのフード高を下げたり、重量配分を理想に近づけたりすることにも貢献でき、アイコニックSPのような低くてスタイリッシュなクーペデザインをそのまま再現できるはずです。
2023年11月に登場したマツダ「MX-30 ロータリーEV」は、RX-8が2012年に生産終了して以来、およそ11年ぶりとなったロータリーエンジン搭載車ですが、発電用エンジンとしての搭載であり、ファンが求めるロータリーエンジンでタイヤを直に駆動するスポーツカーではありませんでした。
マツダはファンの声を大切にする自動車メーカーですから、マツダファンの「やはりロータリーエンジンで直にタイヤを駆動するスポーツカーでなければならない」という声を真摯に捉えているはず。
マツダのエンジニアリングを信じ、理想のロータリースポーツが誕生することに期待したいものです。
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