人気の「キャンピングカー」何で選ぶべき? キャブコン・バンコン違いは? 実際に購入した決め手とは
くるまのニュース / 2024年5月11日 12時0分
国内のキャンピングカー保有台数は、2022年で14万5000台と言われ(日本RV協会調べ)、販売総額は約760億円にも上っています。気になる人も増えているキャンピングカーはどのように選べば良いのでしょうか。
これまで、四駆、ステーションワゴン、ミニバン、SUVと、「セダン以外」のカテゴリーのクルマが日本に広がってきましたが、ここ10年間で目覚ましく市場が成長したのがキャンピングカーです。
様々なタイプが展開されてますが、何を決め手に選べば良いのでしょうか。
国内のキャンピングカー保有台数は、2022年で14万5000台と言われ(日本RV協会調べ)、販売総額は約760億円にも上っています。
2011年の日本大震災の後にシェルターとして注目を集めはじめ、加えてコロナ禍の外出規制の影響でさらに需要が伸びました。
一方で国内のインフラの整備不足から、様々なトラブルも発生し、度々ネットニュースなどで取り上げられるようになったことも、その市場拡大ぶりを顕しています。
筆者はちょうど東日本大震災後から、キャンピングカー関連の仕事に携わってきました。
当時はまだモデル数も今ほど多くなく、注文から納車まで1年かからないくらいでしたので、まさか2年待ちという状況になるとは夢にも思っていませんでした。
また各ビルダーとも、サブバッテリーの大容量化やソーラー充電の販売拡大に注力している頃で、リチウムイオンバッテリーの搭載やパーキングクーラーの装備がスタンダードになることも、まだ夢の時代だったと言えます。
筆者にとってもキャンピングカーを所有することは夢のひとつでしたが、何せこの業界で取材をしているとどのモデルにするか迷います。
ビルダーは他社との差別化を図るため次々と新アイデアを出してきますし、キャンピングカーの種類は多様です。
大型免許を持っていないためバスコンバージョンはないにせよ、キャブコンバージョンやバンコンバージョン、そして軽キャンパーと様々だからです。
最初は価格が手頃で、サイズ的にも手が出しやすい軽キャンパーに目が行きますが、次第にこのカテゴリーがビギナーには難しいことが分かってきました。
まずひとつが、積載量です。軽バンや軽トラをベースにしているのでたくさん荷物が積めると思いがちですが、居住空間のことを考えると目一杯積んでいくわけにはいきません。
どんな携行品があるかにもよりますが、寝るためにその一部をいちいち車外に出さなければならないケースもあります。
また、居住空間が限られることから、身体の大きい自分は長い時間車内で過ごすことが少々ストレスになることも予想されました。
くつろぐのは車外、車内では寝るだけというのは基本的な過ごし方ですが、天候の条件が良ければそれでも気持ちいいと思います。しかし、雨の日や真冬はちょっと辛い気がしました。
都内の月極駐車場を借りている筆者にとって、キャブコンはサイズ的に難しい選択肢です。
キャブコンが快適便利なのは分かっていますが、1台持ちだと普段使いが厳しく、また仕事でも使いにくそうでした。となると残るのは、バンコンになります。
バンコンはトヨタ「ハイエース」や日産「キャラバン」などのワンボックスカーの車内を車中泊仕様にしたものですが、ボディバリエーションが豊富です。
大別すると、ナロー標準ボディとワイドロングに分かれ、さらにスーパーロングやハイルーフが加わることで実に多種多様。
しかもモデルによって車内レイアウトがガラリと変わり、様々なライフスタイルに対応してくれるのが魅力です。また普段使いで困ることもありません。
しかし、自分の使い方を考えると1名+犬というのが基本で、これにせいぜい同行者1名が加わるくらい。
たしかにハイエースやキャラバンの広さは理想的ですが、価格やランニングコストを考えると、やはり贅沢かなという気がしてしまうのです。
そこで考えたのが車格を落とすこと。ハイエース、キャラバンの下と言えば、「タウンエースバン」と「NV200バネットバン」になります。
これらをベースにしたバンコンモデルが昨今の市場では活況で、ここ2、3年でモデル数も増えました。ですが、問題はどちらの車種を選ぶかです。
■ついにキャンピングカーの購入を決定! 決め手は?
まずNV200ですが、現代的な内外装が魅力です。排気量が1600ccなので、高速道で走りに余裕があるのも惹かれる部分です。
一方、タウンエースバンは基本設計が2008年と古いモデルですが、実は全長の長いNV200よりも車内後部の実用容積が大きく、バンコンとしては居住空間が広く取れることが分かりました。
また、1500ccなので自動車税が安く抑えることができるのは魅力。さらに4WDシステムにセンターデフロックが付いており、降雪地での脱出性が高いのも注目ポイントでした。
しかし市場には、様々なタウンエースバンベースのバンコンがあります。
最終的には、タコス「HANA」とフロットモビール「シュピーレン」の2台が構想に残りました。
どちらも息の長いロングセラーモデルで、販売実績も十分にあります。どちらのビルダーも作り手の顔が見えていたこともあり、購入にあたって不安もありません。
結局熟考した結果、シュピーレンに決定。決め手となったのは、やはり車内空間レイアウトでした。
シュピーレンには後部が1シートという仕様があり、これなら車内での移動がしやすく、犬用のケージを載せた時に人と犬の動線確保がラクです。
登山の時に、後部シートで靴を履いたりするのに便利ということもありました。
装備がシンプルなのも、個人的には好感が持てます。いろいろ付いているのも便利ですが、筆者の場合は基本的に車内で調理をするつもりがありません。
せいぜいコーヒーを淹れるくらいで、食事は飲食店で済ますつもりでいます。ですので、調理器具は登山で使っている携帯用バーナーで十分。
冷蔵庫代わりには、高断熱型クーラーボックスを使おうと思っています。
1200Wポータブル電源を持っているため、サブバッテリーの容量がそれほど大きくなくても困りません。
今回購入したフロットモビール「シュピーレン」(画像提供:フロットモビール)
2人用の就寝スペースと簡単なテーブルがあれば、それで十分。あとはサイドオーニングを使って、基本的には外でくつろぐスタイルを取ろうと考えています。
ただ、パーキングクーラーとFFヒーターだけは後付けすることを考えています。
犬と旅するため、駐車中の車内温度を調整する必要があるからです。
その他のオプション装備について使っている中で検討していくつもりですが、冬よりも夏の車内環境のための装備は充実させる必要があると思っています。
長年、キャンピングカーの購入に踏み切れずにいましたが、やはり決定打となったのは数年ぶりに飼った犬。
2023年は愛車のオフロード4WDで共に旅をしましたが、やはり窓を全開にしておいても夏場の宿泊は心配です。
その点、キャンピングカーをエンジン停止状態で過ごすことが前提で考えられているため、ペットと旅をする時の安心感が違うということを改めて実感しました。
自動車愛用歴40年で初のキャンピングカー体験ですが、果たして日本ではどんな○と×があるのか、今から旅するのが楽しみです。
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